Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」290-290 悪戯好き達- 酒宴の席で起こっている天地がひっくり返るレベルの珍事に驚きを隠せないでいる拉麵屋の経営者陣をよそに大臣の事をずっと疑ってしまっているデカルトに協力する為、好美は大臣の師匠へと『念話』を飛ばしてみるが個人的に聞きたい事があった様だ。好美(念話)「渚さん、ちょっと気になっていたんですが屋台は直ったんですか?」 やはり屋台の修理代が馬鹿にならないので他の経営者陣と共に警戒していた好美、口調から少しほろ酔い気分になっていた事がバレた模様だ・・・。渚(念話)「好美ちゃん、酒を吞みながら仕事の話なんて絶対しないあんたが珍しいじゃないか。まさか結愛ちゃんの所にでもいるのかい?」 シューゴと同様にまだ屋台で巡回中だった渚はただ酒を楽しむ好美が羨ましかったらしい、ただ今は運転中なので後の楽しみにしておいて欲しいのだがやはり渚も酒好きなので。渚「狡いじゃないか、私だって混ぜておくれよ。」好美「渚さん!!仕事中でしょ?!」 好美が露天風呂で酒を楽しんでいる時の様に突然現れた渚、しかし好美以外にも黙っていない者達が数名ほど。シューゴ(念話)「渚さん、『瞬間移動』で呑みに行ったみたいですけど屋台の方はどうしたんです?」一(念話)「そうだよ、それにまだ営業時間の最中じゃないか。各所でお客さんが待っているかもしれないだろ?」 他の店舗や屋台と違って渚の屋台で提供されている「特製・辛辛焼きそば」は紛れもなくオリジナルの物だ、これを楽しみにしている客達が多くいるのも紛れもない事実と言っても過言では無い。渚(念話)「屋台は『アイテムボックス』にしまっちゃったよ、それに最近はインスタントで食べれる様になっているんだから問題無いって。」 これは数か月前の事なのだが実は貝塚財閥(結愛)の協力の下で最近渚の「特製・辛辛焼きそば」が家庭で楽しめるインスタント食品として販売された様だ、今回の為に元々特製麺を使っていた麺やソース等を再び研究しなおして販売へとこぎ付けたらしい。渚(念話)「結愛ちゃんのお陰でバックマージンがある程度入る様になったんだから少しサボったって問題無いって、それに今日は1週間の中で1番客数が少ない曜日なんだよ。」 渚は軽快な様子で話しているがその予想に反して2号車が停車する予定だった駐車場では多くの客が渚の到着を今か今かと待ちわびていた、
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Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」289-289 ダンラルタ王国初の出店に向けて- 不機嫌そうに結愛にお代わりを要求する好美の声を聞いたデカルトは王城における重要案件を思い出した、好美が素面のままの内に出来る限り話を進めて行きたいと思うのだが大丈夫だろうか。デカルト「好美さん・・・、今ちょっと宜しいでしょうか。」 1国の国王にここまでの気遣いをさせる好美を見た莉子は目の前の女の子がこの世界における相当なやり手だと信じ込んでしまった、確かに間違っては無いのだが3国の国王達の腰の低さがかなりの物だからという理由の方が正しいかも知れない。好美「デカルトさんじゃないですか、こんな酒の席で何の話をしようとしているんです?」 心当たりはあるのだがこの様な楽しい席では何となく仕事の話をしたくない好美、個人としては純粋に酒と料理を楽しみたいのだが・・・。デカルト「ほら、うちのロラーシュの事ですよ。」好美「確か・・・、新店の開店に向けて渚さんの屋台で修業中だって話ですよね?デカルトさんには何の連絡も無かったんですか?」 ロラーシュを弟子にするに当たり、実は渚はある条件を付けていた。デカルトを含んだ城の者達がサボらずにちゃんと修業を続けている事を確認できるようにする為、「定期的に必ず王城へと向けて連絡を行う事」だったのだ。デカルト「本人からはね・・・、一応念の為に『念話』で渚さんには随時確認していたんですがやはり本人自身の口からちゃんと報告を受けるべきだとずっと待っていたんです。」 別に大臣を預かっている渚を信用していない訳では無いのだが、やはり数年前に王城の仕事をサボってゴブリン達が働いていた鉱山でミスリル鉱石を食べていた前科をまだ忘れていなかったからだ。好美「私は何も聞いていませんけど、王城で開くと言っていたお店の建設の方はどうなっているんですか?」デカルト「店の方はもうすぐ完成しますよ、後は保健所の方々のご指導の下で不備が無いか確認するだけですかね。」 開店まで秒読みと言える所まで来ているみたいだが、当の本人であるロラーシュ大臣がちゃんと「暴徒の鱗」の味を会得出来ているかが気になっている様だ。そんな中、隣に座っていた結愛がほろ酔い気分で2人の会話を聞いていた。結愛「何だよ、王様と商売の話か?」好美「結愛、流石に結愛でも社外秘の事を話す訳にいかないよ。」結愛「楽しそうな話をしているんだか
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Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」288-288 息子の上司- 元の世界とこっちの世界を合わせると何十年も会っていないと言うのだから母親の知らない間に息子に何かしらの変化があってもおかしい話では無い、だと言うのにどうして莉子はあそこまで驚いていたというのだろうか。結愛「どうしたんだよ、兄貴は調理師免許を取得したんだから拉麵屋で働いていてもおかしい話じゃないだろう?」莉子「あ、ああ・・・。確かにそうだね、調理師免許を取得しただなんて凄い話だね。それにしてもどこのお店で働いているんだい?母ちゃんも一度は食べに行かなきゃだよ。」 単純に店の客として味を見に行くのか、それとも息子の成長した姿を直に見に行こうか、そう言った意味を含んだ一言に聞こえて仕方が無かった結愛は娘として是非とも自ら案内してやりたいという気持ちが湧き上がっていた。ただふと思い出した事が1つ。結愛「ネフェテルサ王国にある「暴徒の鱗」って店だよ、街で貝塚学園(うち)の寮とマンションになってる1番大きなビルの1階に店があって人気になっているんだ。」莉子「ああ・・・、聞いた事があるよ。確か「暴徒」と「龍の鱗」が合併して出来たっていう店だよね、私達と同じで転生して来た日本人の女の子がオーナーをしてるって。」結愛「そうなんだ、俺と同い年の好美・・・。」好美「何知らない人に私の噂を流してんのかな・・・、結愛社長・・・?」結愛「好美!!い・・・、いや違うんだ!!ただ美味い店を紹介してただけで・・・!!」 好美がこう言った酒の席に来ない訳が無いという事は明白なはずなのに登場が唐突過ぎてつい驚いてしまった結愛社長、慌てふためいていたせいか説明不足になってしまった。好美「美味しいお店を紹介していただけなんだったら私(オーナー)の事を紹介する必要無くない?私は別に良いんだけど。」 『状態異常無効』のお陰と推測されるが正論過ぎて酒が入っているとは全く持って思えない、まさかつい先程『瞬間移動』で来たと言うのか?莉子「結愛、突然現れたこの子は誰なんだい?まさかと思うけど・・・。」結愛「その・・・、「まさか」だよ・・・。さっき言った拉麵屋のオーナーでマンションの大家もしている倉下好美本人だ、海斗が世話になっているのはこいつなんだよ。」莉子「へぇ・・・、この子がかい・・・。人は見た目によらないもんだねぇ。」 莉子は改まった様に好美の顔を見てポカ
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Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」287-287 義理の母と息子、そして実の息子- 互いに感謝の言葉を述べてから数分後の事だった、他の転生者からすればいつも通りの光景ではあったが不自然さを感じていたのか莉子は周囲をずっと見廻していた。結愛「母ちゃん、もう酔いが回って来たのかよ。ずっとキョロキョロしてどうしたんだ?」莉子「いや、ここがこの世界での貝塚財閥本社なんだろ?」結愛「勿論、紛れもなく貝塚財閥バルファイ王国本社だ。代表取締役社長の俺が言うんだ、間違いねぇ。」莉子「そうかい、だったら良いんだけどね・・・。」 折角の酒宴の席だと言うのに1人ため息をつく莉子、あまり楽しく無いのだろうか。 そんな中、デカルト達と会話を楽しみながら結愛達の様子を見ていた光明が2人に近付いて来た。光明「なぁ結愛、さっきから一緒にいるこの人は誰なんだ?確か前で挨拶していたみたいだから「貝塚」の人間だとは思うんだけど・・・。」 結愛が知っていて自分が知らない人物がいるなんて、まさか結愛には内緒にしている事があるというのだろうかと隣の人物を怪しむ光明。結愛「あ、あのさ・・・。そんな目で見ないでやってくれるか?俺が紹介するのが遅かっただけなんだよ、決して怪しい人じゃないから安心しろよ。」光明「お前が言うなら間違いないみたいだけど・・・、分かったよ。それで・・・、この人は?」 自分の母親に対して光明が疑いの目線を向けていた事に若干の気まずさを覚えていた結愛、しかし真実を伝えなければこの状況は決して変わらない。結愛「この人さ・・・、俺の母ちゃんなんだよ・・・。」光明「え?!この人が?!確か元の世界で生き別れになってたって言う?!」 多少ではあるが結愛から母親について聞いていた光明、しかし日本から遥かに遠い異世界で再会するだなんて守と好美に起こった奇跡的な出来事が再び起きたと言う事実を未だに信じる事が出来ていなかった光明の疑いを晴らしたのもこの男。秀斗「みつもん・・・、ガチだ。」光明「俺の事をそうやって呼ぶのは・・・、やっぱりかんちゃんだったか。結愛から話は聞いていたが本当に会えるとはな。」秀斗「それはそうと、そこにいる莉子さんが結愛の母親だ。俺の母ちゃんのお姉さんだから間違いねぇ、それに俺がガキだった頃に一緒に暮らしていたからな。」 元の世界にいた頃から信頼している幼馴染の言葉を素直に聞き入れた光明、
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Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」286-286 「結愛」と「海斗」- 母の挨拶を聞いて上を向いて笑いながら涙を流していた結愛には気になっている事があった、と言うより不自然に思っている事があった。結愛「母ちゃん、急に頼んだってのにさっきはありがとうな。」莉子「何を言ってんだい、母ちゃんだって一応は「貝塚」なんだから当然の事じゃないか。」 大企業の社長という事など全くもって関係無いという雰囲気、ただそこにいたのは仲睦まじいだけの母と娘。結愛「なぁ母ちゃん、1つ聞いて良いかな。」 今更切り出すのかよ、冒頭で聞く空気だっただろうが。結愛「うっせぇ、あんたは黙ってろ。」莉子「結愛、今のは何だい?」結愛「気にしなくても良いよ、ちょこちょこ首ツッコんで来る「だけ」の存在だから。」 おい!!「だけ」とは何だ「だけ」とは!!俺次第でお前の人生なんて・・・!!結愛「今は良いだろうがよ、空気読めって!!親子水入らずの会話を邪魔すんじゃねぇ!!」 はいはい分かりました、はよ気になっている事を聞けや。結愛「それは良いとして母ちゃん、さっき聞こうとしていた事なんだけどさ。」莉子「改めてどうしたってんだい、不自然な子だね。」 そうだぞ、親子同士なのによそよそしいじゃんかよ。結愛「あのな、まともに母ちゃんと話すこと自体が初めてなんだから仕方ないだろうがよ。」莉子「そうだよ、話が進まないから早くしとくれ。」 あらお母さんまで、大変申し訳ございません。莉子「それで、どうしたんだい?」結愛「母ちゃんはどうしてすぐに俺の事を自分の娘だって分かってくれたのかなって。」莉子「そんな事かい、1つしか無いじゃないか。」 母は簡単そうに答えているが大手一流財閥の社長である娘は全く見当がついていなかった様だ、一先ず莉子はさらりと答えない事にした。莉子「そうだねぇ・・・、義弘(あいつ)には1つだけ出来なかった事があったんだよ。」 罪を犯したのは間違いでは無かったが、巨大財閥と学園の両方を経営していた死刑囚に出来なかった事などあったのだろうか。結愛「奴に・・・、出来なかった事?」莉子「そうさ、あの性格が故に出来なかった事があったんだ。」結愛「奴の性格の悪さは痛い程経験しているけど、金の為ならどんな事でもやりかねないアイツに出来なかった事だって?」莉子「そう、それはね・・・。」 そう言うと母はゆっくり
Last Updated: 2026-07-20
Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」285-285 雰囲気で決まった人事- まさか嫁の親子喧嘩終結(したと判断しても良いんだよな?)にまさか最近入ったばかりの新入社員が活躍していたとは寸分たりとも思っていなかった光明、しかも知らない内にその英雄を食べてしまいそうになっていたとはと思うと申し訳なさで心がいっぱいになってしまってもいたと言う。光明「レイトさんもお疲れ様です、まさか君が王・・・、いやデカルトさんに連絡してくれていたとはね。それなのに俺達はその優秀な社員の人生を終わらせようとしていただなんて恥ずかしくて仕方が無いよ。」 何気ない従業員達の行動に対してちゃんと指導を行っていなかった自分に責任があると反省していた副社長、これに関してはレイトの自業自得だと言うのに社員を守ろうとする気持ちが相も変わらず強い奴だな。レイト「お気になさらないで下さい、ただ私が恥ずかしがり屋なだけだったんです。この性格をいつか直さないといけないなとずっと思っていたんですが方法が見つからなくて。」 後頭部を掻きながら頬を赤くする新入社員(マイコニド)、しかし過去にそう言う経験があるので人の性格はなかなか変わらない(直せない)ものだと俺個人は思っていた。光明「大丈夫ですよ、ご自身の特徴や良点を活かして活躍してくれたんですからずっと変わらないでいた方が良いと俺自身は思いますけどね。そうだ・・・!!ネルパオン強制収容所での活躍を結愛にも知らせてレイトさんをチーフに昇格させましょう、これからはリーダーとして他の方々を引っ張って行って下さい。」レイト「そんな・・・、私大した事してないですぅ~・・・。」 より一層顔を赤らめるレイトの頭上から胞子の様な物が若干飛んでいた様に思えた光明、まさかマイコニド全員が恥ずかしがり屋な性格で顔がある程度以上に赤くなったら『人化』していた状態でも頭上から胞子を出してしまうのだろうかと疑問を抱いてしまった様だ。しかし流石に本人にこれに関してを質問する訳にいかない、それに英雄にも宴を楽しんで欲しいと思った光明は新入社員改め(まだ正式には決まっていないが)貝塚警備のチーフにグラスを手渡してビールを注いだ。するとまだ呑んでいる訳でも無いのにレイトは再び顔を赤くしていた、まさかな・・・。レイト「そんな・・・、副社長にお酌して頂けるなんてこのビールはお家に持ち帰って宝物にしますぅ~・・・。」光明「何
Last Updated: 2026-07-19