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Author: 美桜
last update publish date: 2026-04-09 11:37:03

「笑!ちょっと来なさい!」

その時、階下から自分を呼ぶ父の声がした。

それはとても怒っているような口調だったが笑には心当たりがなく、逆に「こんな時になんなの!?」と腹を立てながら部屋を出たのだった。

バタンッー

少し強めにドアを閉め、いかにも不機嫌な様子で階段を降りてくる娘を見て、望月耀は苛立ちを新たにした。

なんだ、この態度は!

彼は、息子の福が家を出て以来、この家にはピリピリとした空気が始終漂っていると思った。

居心地が悪く、ちっとも安らがない。そんなだから、他所に癒やしを求めてしまうのだっ。

そう思った。

実際は彼が愛人に会社の金を貢ぎ、その穴埋めに息子の金を使い、それを知った息子が家を出て行き、しかも親子関係まで清算されたせいなのだが、彼はそれをまったく気にしていなかった。

ま、そのうち帰ってくるさ。

そんな風に楽観視していたのだ。

妻は愛人の存在に激怒していたが、

「ただの遊びだ。離婚するつもりはない」

そう言ったら大人しくなった。

目下の彼の心配事は、福の株が手元になくなった以上、その配当金はもう自分の懐には入ってこない。では、会社に空けた穴を埋めるものはどこから持ってく
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    「!?」振り向くと、しゃがみ込んだ芽衣のすぐ側に、陸が倒れ伏していた。その奥には、銃を構えた護衛の男。地面に横ざまに倒れた陸の頭部の周りには、赤黒い血痕らしきものが見えた。「これは……」呆然と呟く手塚に、拘束の僅かに緩んだウサギが「あ~あ」と言った。もともと宗方陸はもう始末するつもりだった。だが、こんな風に…?手塚が怜士の様子を窺うと、彼は黙って撃った護衛を見つめていた。やがて、彼は諦めたようにはぁ…とため息をつくと、手塚を振り返り、クイッと顎で泥に塗れたウサギを連れて行くよう指示したのだった。*芽衣は頬の痛みに泣いたが、陸が准を呼べと言った時、胸がとても痛かった。なんで?なんで准ちゃん、呼ぶの?芽衣のせい?芽衣が、陸くん怒らせたの?なんで?…うう…っわかんないよっ……。彼女の口から准の名前がこぼれる度に、陸は彼女を拘束する腕の力が増した。「お前ら、早くしろよ!真田准だよ!お前らのご主人様だろうが!」嘲笑するような表情でそう怒鳴る陸は、腕の中の芽衣の顔色がどんどん悪くなっていっていることに、気がつかなかった。耳につくのは、グスグスという鼻水混じりの鬱陶しい泣き声だけ。なかでも殺したいほど憎らしい男の名前が彼女の口から出ると、それを耳にするだけで胸の中に憤怒の炎が燃えた。「うぇ…っ…准ちゃ…」「うるさい!」とうとう我慢ができなくて怒鳴りつけると、細い身体がビクッと強張った。「うぅ……ごめんねぇ…」「……は…?」一瞬、何を言われたのか分からなかった。謝った…?俺に…?そう思った時、自然と手の力が緩み、芽衣の頬にあてたナイフの刃が離れた。瞬間ー。

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  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   3

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  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   2

    それからの年月、芽衣は他の子と比べると成長がゆっくりだったが、順調に育っていった。もちろんその過程で免疫力の低さからくる感染症や、言葉の遅さからくるコミュニケーションの取りづらさなど、いろいろと乗り越えなければならないことは多かった。筋力も弱く、歩行訓練にも通った。言葉の方は、3歳になった頃から医師の勧めで言語訓練に通っている。成長の度合いが何もかも遅いことに、祖父母にあたる聖一や英恵はいい顔をしなかったが、尚や聖人は寝返りもハイハイも、つかまり立ちも、初めての一歩も、全て見逃すことなくビデオに収められる、と前向きに考えていた。そして彼女は、少しずつ成長していくほどにその可愛らしい笑顔

  • Your'e My Only Shinin' Star〜あなたに逢いたい〜   1

    「おめでとう!」周りから拍手とおめでとうの声に迎えられて、真田准は驚いて玄関先で目をパチパチとさせていた。目の前には父親である真田怜士と、自分にピアノを教え続けてくれているピアニストの浅野美月、それから叔父の真田聖人と、その妻で美月の親友でもある如月尚。彼女は人気作家でもあった。それから一番下の叔父の英明。そして真田家に仕える執事や使用人たち。皆が自分の大学合格を祝ってくれていた。残念ながら、進学先に不満を持っていた祖父母はここにはいないようだが、構わない。自分は今、目の前にいる人たちの祝福だけで十分だった。「准、よく頑張ったな」「はい。ありがとうございます」父親からの褒め言葉

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