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第4話

Author: アナ・スミス
ビアンカのペントハウスへ向かう車の中で、ロレンツォは突然、胸の奥に鋭い痛みを覚えた。

一瞬で消えた痛みだった。

けれど、妙な胸騒ぎだけが残る。

何か大切なものが、自分の手の届かないところへすり抜けていくような感覚。それがどうしても拭えなかった。

何度も頭に浮かぶのは、オークション会場で最後に見たソフィアの顔だった。

あまりにも落ち着いていて、どこか遠い顔だった。

昔の彼女は、あんな目で自分を見たりしなかった。

何がおかしいのか、うまく言葉にはできない。ただ、あの表情が妙に引っかかって離れない。

ビアンカのマンションへ着いても、その違和感は消えなかった。

当然、ビアンカはまだ機嫌を損ねていた。

普段なら、そういうところも可愛いと思えたかもしれない。

気が強くて、自分を曲げないところ。真っ直ぐ感情をぶつけてくるところ。

最初に惹かれたのも、そういうところだったから。

でも今夜は、ただ疲れる。

ロレンツォは何も言わず、ベルベットのケースを彼女へ差し出した。

その瞬間、ビアンカの顔がぱっと明るくなる。

「やっぱり、ちゃんとくれるんじゃない」

嬉しそうにケースを
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  • モレッティの名は燃え落ちた   第5話

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