もう一冊挙げるとすれば、『The Hottentot Venus: The Life of Saartjie Baartman』は学術的なアプローチで彼女の生涯を追っている。著者は当時の新聞記事や公文書を徹底的に調査し、彼女が直面した残酷な現実を詳細に描き出している。読み進めるうちに、単なる歴史的事実ではなく、一人の人間としてのサラ・バートマンに感情移入せずにはいられなくなる。
BBCのドキュメンタリー『Human Zoo: The Story of the Hottentot Venus』も貴重な記録だ。歴史学者や文化人類学者の解説を通じ、当時のヨーロッパ社会がどのようにアフリカ人を「異物」として見ていたかが分かる。サラの遺骨がようやく祖国に戻った2002年までの経緯は、現代にも続く人権問題を想起させる。