映画『タクシードライバー』の有名なシーンを思い出すと、ロバート・デ・ニロが鏡に向かって『You talkin' to me?』と言うあの瞬間が浮かびます。
『俺を見ろ』というニュアンスを英語で表現するなら、文脈によってかなり変わるでしょう。威圧的な感じなら『Look at me.』で十分通じますが、もっと挑発的なら『You looking at me?』とか。ヒップホップの歌詞なんかだと『Check me out』とも言いますね。
大切なのは、言葉そのものよりどれだけ感情を込められるか。同じフレーズでも、言い方次第で全く印象が変わります。
口調の強さによって意味がガラリと変わるセリフだ。僕はまず直訳としては"I've been watching your struggles all along."や"I've seen what you've been going through."あたりが自然だと思う。
もっと柔らかくしたい場面では"I've noticed how hard you've been working."や"I know you've had a rough time."と訳すと、相手の努力や苦労を肯定するニュアンスが出る。一方で威圧的に聞かせたいなら"I've been keeping an eye on all your hardships"や"I've seen everything you've suffered"といった訳が相応しい。語尾の「ぞ」や主語のおおざっぱさ(お前)は英語だと語調や代名詞選びで表す必要がある。
実際のニュアンスは文脈次第だ。たとえば仲間同士で使えば慰めや労いの意味が強くなるが、敵対的な人物が言えば監視や軽蔑を含む。『ジョジョの奇妙な冒険』的な場面だと雄々しさや皮肉が前面に出ることが多い。翻訳では話者の関係性と声色を意識して、直訳だけでなく意訳を混ぜるのがコツだと感じている。