言葉の出所を確かめる作業は、いつだって小さな宝探しのように感じる。
僕が初めてこのフレーズの出典を調べたとき、行き着いたのはフリードリヒ・ニーチェだった。正確には彼の著作『Beyond Good and Evil』にある一節で、原文はドイツ語で書かれている。英訳や日本語訳で表現が少しずつ変わるため、引用が独り歩きして誤解されることが多いが、本意は「対峙する対象に己が影響される危険」を警告するものだ。
学術的には1886年刊行のこの書が一次資料として扱われる。だから「誰が最初か」と問われれば、私の調べではニーチェが最初に書き残したと言える。訳し方や文脈でニュアンスが変わることも面白いところだと思う。