'NieR:Automata'の終盤、2Bが9Sを庇いながら機能停止するシーンは胸に刺さります。戦闘で損傷した身体で必死に這いずり、彼を守ろうとする姿は「昂り」の極致です。背景音楽の『Weight of the World』が感情を増幅させ、プレイヤーに「守れなかった無力感」と「それでも立ち向かう意志」を同時に突きつけます。
このシーンが特別なのは、キャラクターの感情がゲームシステムと連動している点。操作不能状態でスティックを振り続ける物理的な「昂り」が、プレイヤーの感情と同期します。ヨコオタロウ監督らしい、インタラクティブな物語表現の傑作です。
『The Last of Us Part II』の冒頭シーンは、感情的なダメージを直撃する。エリーとジョエルの関係が壊れていく過程で、プレイヤーはただ見守るしかない。あの無力感は他のゲームでは味わえない。
特にジョエルの運命が明らかになる場面では、怒りと悲しみが入り混じる。エリーの復讐劇が始まるが、そもそも誰が悪いのか答えが出ない。複雑な感情を引き出すストーリーテリングは、ゲームという媒体でしか成し得ない芸術だ。