『シンドラーのリスト』の史実を掘り下げるなら、トーマス・キーンリーの原作ノンフィクション『Schindler's Ark』が最も信頼できる一次資料と言える。
この本はオスカー・シンドラーという複雑な人物像を、生存者たちの証言と膨大な資料調査から再構成している。特に興味深いのは、シンドラーが当初は単なる利益追求の商人だった点で、戦時中の彼の変容過程が克明に描かれる。
史実とフィクションの境界については、映画化に際してスピルバーグがドキュメンタリー手法を採用したことが逆に混乱を招いた面もある。実際にはリスト作成の経緯や人数など、細部にわたって現在も研究者間で議論が続いている。
ホロコースト記録資料センターのアーカイブや、生存者であるポラ・デビッキの回顧録『I Survived Because of Him』なども補足資料として価値が高い。