画面越しに彼女の物語を何度も見返してきた経験から話すと、公式に示されたティアナの出自はかなりはっきりしています。まず舞台はニューオーリンズで、幼少期から働き者であること、母親の影響で料理に親しんだこと、そして自分のレストランを持ちたいというはっきりした夢を抱いていることが映画内で描かれます。これが彼女の行動原理の核になっているのは間違いありません。
映画本編、つまり'The Princess and the Frog'では父親と母親の存在や家族の事情、地域社会との関係などの断片が提示されます。父親の夢や母親から受け継いだ料理の技術、夜働きながら貯金する様子など、育ちや価値観が具体的に示される一方で、幼少期以前の詳細な家系図や先祖の物語といった深い系譜は語られていません。
結論めいた言い方をすれば、公式は“どこから来たか(ニューオーリンズ、家族、労働者としての出自)”をきちんと示しつつ、細部の補完は意図的に開けてあります。だからこそ創作側やファンの間で様々な解釈や拡張が生まれ続けているのだと私は感じています。