ハプスブルク家の独特な顔貌、特に顎の突出や下唇の厚みについては、長年歴史家や遺伝学者の興味を引いてきました。最近の研究では、近親婚の影響による遺伝的多様性の減少が特徴的形成に関与した可能性が指摘されています。
2019年に『Annals of Human Biology』に掲載された研究チームの分析によると、複代にわたる血族結婚が特定の遺伝子変異を固定化させたことが確認されました。特に顎の形状に関連する遺伝子に注目が集まり、肖像画と現代の遺伝子診断技術を組み合わせた調査が行われています。ただし、これらはあくまで統計的相関であって、直接的な因果関係を証明するにはさらなる研究が必要です。
面白いのは、この特徴が『ハプスブルク唇』として知られる一方で、必ずしも全ての家系成員に均等に現れたわけではない点。歴史資料を紐解くと、同じ血統でも表現型にばらつきがあったことが窺えます。