『フランダースの犬』の原作は、イギリスの作家ウィーダが1872年に発表した『A Dog of Flanders』です。日本語訳版は複数の出版社から出ていて、新潮文庫や岩波少年文庫などで手に入ります。古書店を巡ると、懐かしい装丁の版本が見つかることも。
最近では電子書籍版も充実していて、Kindleや楽天Koboなど主要プラットフォームで購入可能。図書館の蔵書検索システムを使えば、近隣の図書館で借りられるかすぐ確認できますよ。読み比べると翻訳者ごとの文体の違いも楽しめて、特にネロとパトラッシュの関係描写は訳によってニュアンスが変わります。
フランダース地方の風土や文化を背景にしたこの物語の原題'A Dog of Flanders'は、単に犬の物語以上の深みを持っています。
ネロとパトラッシュの絆を描きながら、19世紀ベルギーの厳しい階級社会や貧困問題を浮き彫りにしています。タイトルが示す通り、犬は単なるペットではなく、主人公と運命を共にする存在。当時の読者にとっては、動物を題材にした革新的な文学作品としても受け止められたでしょう。
原題を直訳すると「フランダースの犬」ですが、この簡潔な表現には、土地と生き物の深い結びつきが込められています。ルーベンスの絵画への言及など、芸術への憧れも物語の重要な要素となっており、タイトルはそうした多層的なテーマを暗示しているのです。
フランダースの犬の原作を初めて読んだとき、主人公の少年ネロの年齢について特に気に留めていなかったのですが、改めて調べてみると重要な要素だと気付きました。原作の『A Dog of Flanders』では、ネロは物語の冒頭で11歳として描かれています。
この年齢設定は彼の境遇をより切なく感じさせるんですよね。まだ子どもながらに祖父の面倒を見、廃屋同然の家を守り、絵を描く夢を抱き続ける。15歳で終わる当時のベルギーの義務教育制度とも関わりがあり、彼が学校に通えなくなる展開にも深みを与えています。大人の責任を背負わされる子どもの悲しみが、年齢設定によって倍増していると感じます。