映像作品で触れるならまずこれを挙げたい。映画に描かれた溥儀という人物像の広がりが、歴史への入り口としてとても優れているからだ。
個人的には'The Last Emperor'の映像言語が好きで、皇宮の細部や時代の転換を劇的に描く手腕に惹かれた。史実のすべてを忠実に再現しているわけではないが、感情の起伏や国際的背景を視覚的に理解するには最高の導入になる。演出は過剰な部分もあるが、その分歴史の“事件”と“人間”が同時に立ち上がる。
導入として映画を観た後、史実や一次資料に戻ると発見が多い。映像が与える感覚とテキストが持つ細かな事実を往復することで、溥儀をめぐる理解が深まると私は感じている。