文化人類学の観点から見ると、旅は『社会的認知の柔軟性』を育むことが分かっています。異なる文化圏を移動するたびに、脳は無意識のうちに価値観の比較作業を行い、これが共感能力の発達につながるのです。『Journal of Cross-Cultural Psychology』に掲載されたメタ分析では、3ヶ国以上を訪れた経験を持つ人は、問題解決時の多角的思考スコアが有意に高い傾向を示しました。
感謝の気持ちが人間の心理や行動に与える影響について、実際に多くの研究が行われていますね。
例えば2010年に『Journal of Personality and Social Psychology』に掲載された研究では、被験者に感謝の日記をつけてもらったところ、3週間後には幸福感が向上し、身体的な痛みも軽減されたという結果が出ました。神経科学的なアプローチでは、感謝を感じている時に脳の報酬系が活性化することがfMRIの研究で確認されています。
個人的に興味深いのは、感謝の気持ちが他人に対する共感能力を高めるという側面です。『The Science of Gratitude』という包括的なレポートでは、職場で感謝を表現し合う習慣があるチームは生産性が15%向上するというデータも紹介されていました。