耳に残るメロディーの元を調べてみると、最も広く知られている説はアメリカのキャンプソングである'The Other Day I Met a Bear'がモチーフになっているというものだ。歌の旋律やフレーズの流れを比べると、特にサビ周辺の上がり下がりが酷似していて、戦後にアメリカの音楽が日本に入ってきた過程で変奏され、今の『森のくまさん』になったと考えるのが妥当に思える。僕は子どもたちと一緒に歌いながら、その類似点に気づいて驚いたことがある。
歴史的には、メロディ自体が著作権の切れた民謡的な素材から取られ、和訳・改編された可能性が高い。旋律のシンプルさがあるため、日本語の歌詞に合うようにリズムが微調整されており、それが“郷土的”に感じられる要因になっていると思う。確実な出典を示す古い楽譜や録音を探すのも面白い作業だった。
結局のところ、原曲と言えるのは完全に同一の一曲ではなく、アメリカのキャンプソング系の流れを受け継いだ旋律が和風にアレンジされたものだと考えている。こういう背景を知ると、歌うときの味わいがまた少し変わる気がする。