氷上の動きを見た瞬間、心がざわつくような描写が多いのが『ユーリ!!! on ICE』の魅力だと思う。僕はかつてジャンプ練習で何千回も踏切を繰り返した経験があるから、アニメの技の瞬発力と美しさにはリアル感と誇張が混じっているのがわかる。
まず、4回転ジャンプやトリプルアクセルの成功率の描写は現実より楽に見えることが多い。実際には足首・膝・胴体の連携、空中姿勢の修正、そして着氷後の膝の吸収――これらを同時に安定させるには膨大な反復練習が必須だ。たとえば『ユーリ!!! on ICE』で見られるような連続クワドや長いコンビネーションは、ネイティブのトップ選手でもプログラム中に安定して入れるのは難しい。
それでも創作的な演出で技術の見映えを強調する点は現実のスケートの精神を伝えている。僕は『羽生結弦』の演技映像と見比べることが多いけれど、映像表現で感情や流れを強めることは競技の魅力を伝えるうえで有効だと感じている。だから難易度自体は高いが、描写の即時回復や成功率の高さは現実より甘めだと思う。