『3月のライオン』で描かれる将棋の世界は、一見孤独な職業のように見えて、実は様々な『群れ』が存在します。棋士会や研究会、ファンクラブなど、主人公の桐山零はそうした集団に属しながらも、どこか距離を置いています。
m 特に印象深いのは、ゼロが奨励会時代に感じた疎外感です。年齢や実力が異なるメンバーの中で、自分だけが浮いているという感覚は、学校や職場で味わったことがある人も多いでしょう。
m でもこの作品の素晴らしいところは、群れから離れることが正解でも不正解でもないと示している点。川本家の人々との交流を通じて、零は自然な形で『居場所』を見つけていきます。
最近聴いた中で強く印象に残っているのは、'The Left Hand of Darkness'のオーディオブック版です。ジェンダーやアイデンティティについてのテーマが、どこか引っ掛かるような感覚を生み出します。ナレーションの微妙なニュアンスが、登場人物たちの葛藤をよりリアルに感じさせてくれるんです。
特に主人公が異星文化に触れるシーンでは、聴き手もまた違和感を共有しているような不思議な体験ができます。SF作品ならではの設定ですが、人間同士の理解の難しさという普遍的なテーマが、胸にじんとくる形で描かれています。この作品は、単なるエンターテインメントを超えた深みがあると感じました。