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2話

Author: 東雲桃矢
last update publish date: 2026-06-02 21:09:24

「この男は誰なんですか? バイト先の先輩ってことはないですか?」

「それはないわ。梨花が働いてるのはファミレスだし、そんな派手な髪じゃ働けないと思うんだけど……」

 藍子の言う通り、派手な金髪はファミレスで働くのに相応しくない。面接するまでもなく帰されるだろう。

「最近バイト頑張ってると思ったら、こんな格好しだして……。時々帰りが遅くなるからおかしいと思ってこっそりつけてみたら、この男にお金渡してキスしてたの。それと、何か貰ってて……」

 話しているうちに藍子は徐々に俯いてしまう。

 危険ドラッグのバイヤーかもしれない。

 ここまで話を聞いて、千夏はそう思った。きっと藍子も同じことを考えているのだろう。

「梨花ちゃんは、男から何を貰ったんですか?」

「分からない……。いくら問い詰めても見せてくれないし、カバンの中を見ても怪しいものは入ってなくて……。麻薬かもって思って警察に行ったんだけど、証拠がないからって相手にしてもらえなかったわ……」

 藍子はため息をつくと、アイス珈琲をひと口飲んで口を湿らせる。

「やっぱり、この写真じゃ動いてくれないですよね……」

「えぇ……、動画を撮ったつもりだったけど、写真だったの……」

 そう言って藍子はスマホに視線を落とす。何の事情も知らない人がこの写真を見たところで、少女が悪い男に騙されているとしか思わないだろう。不良男に入れこんた少女を助けるほど、警察もそこまでお人好しではない。

「あの、私の仕事は……」

「弁護士の仕事じゃないのは百も承知よ。でも、他に頼れる人がいないの……」

 藍子は千夏の言葉を遮り、彼女の手を握りながら必死に訴える。お人好しの千夏がこんな叔母を放っておけるわけもなく、気がつけば首を縦に振っていた。

「分かりました、私が何とかします」

「ありがとう……! お礼は絶対にするから」

「そんな、お礼なんていいですよ。それより、知ってる限りのことを話してください」

 今にも泣きそうな藍子の肩をさすって落ち着かせると、彼女から話を聞いた。

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    「こんにちは、本条先生、末安さん。お話って、なんですか?」 ふたりの真正面に立つ将馬は、微笑を浮かべながら聞く。少し前なら好青年だと思っただろうが、成也の話を聞いたからか、胡散臭く見える。 ワイシャツにネイビーのベストといかにも優等生らしい私服だが、ワイシャツの袖が長く、指先が少し出ている程度だ。「とりあえず、座ってください」 将馬は不思議そうにふたりを見ながらも、成也の隣に座る。助手である成也が仕切り、自分の隣に座っているに違和感を覚えるのだろう。「実は、本田正孝くんを殺害した犯人が分かったんです」「殺害って……やっぱり正孝は殺されたんですね……!」 千夏の言葉に、将馬は悔し

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