Accueil / BL / BL小説短編集 / 例のアレ15

Partager

例のアレ15

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2026-03-13 06:58:14

狼狽える宮本の額に目がけて、橋本は笑いながらちゅっとキスを落とした。

「陽さん、無理してない?」

「くどいぞお前。俺がいいって言ってるんだから、思いっきりヤりやがれ!」

顔のすぐ傍で喚いたせいか、橋本の怒鳴り声が鼓膜まで響いた。

「ひ~っ、これから手を出させていただきます!」

しなくてもいい宣言をしつつ、橋本が着ているシャツのボタンを外していった。

「雅輝はやっぱりドМだよな」

かけられた声に、ボタンを外している手が止まった。

これからソファでおこなわれる行為を考えただけで、嬉しさのあまりに手が震えるせいで、外すだけでも一苦労していたところだった。

「そのことについては否定しませんけど、俺ってば何か醸してます?」

「俺に怒られてビビった声を出したくせに、顔は思いっきり笑ってるっていう、おかしなことになってるぞ」

「それはだって、ねえ。これから普段しないようなコトをいたすんですし、陽さんがどれだけ感じてくれるかを考えたら、ニヤニヤが止まりません」

何とかボタンを外し終えて、橋本の素肌に触れる。

「おいおい。張り切りすぎるあまりに、痛いコトだけはすんなよ。インプと違って、俺は
Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application
Chapitre verrouillé

Dernier chapitre

  • BL小説短編集   貴方の心に棲むもの プロローグ

     誰もいない夜のコンサートホールは、まるで呼吸をやめたように静まり返っている。 照明の落ちた客席は闇に沈みこみ、舞台の上にぽつんと置かれたグランドピアノだけがスポットライトに浮かびあがる。その黒い艶面はまるで深海の暗さを湛え、ホールの空気すら飲み込んでしまいそうだ。 俺は最後の鍵盤に指を置いたまま、そっと息をついた。弦の余韻が消え、代わりに自分の心臓の鼓動が静けさを叩く。 調律は順調で音の狂いもない。だが、なぜだろう。どこか物足りなさが残る。いいようのない、なにかが欠けている気がする。そう、それは音の奥にある、“体温”のようなものが。(このグランドピアノは、想像以上に曲者だな――) 持っていたハンマーを指先で弄びながら、考えに耽っていると。「……完璧だね」 背後から響いた艶のある低い声に、心臓が跳ねた。反射的に振り返ると、舞台袖にひとりの男が立っている。 白いシャツに黒のパンツ。ありふれた格好のはずなのに、その姿はまるで絵画のように非現実的で、輪郭がほんの少しだけ現実から浮いているように見えた。 ピアニストらしい長くしなやかな指が舞台の闇を切り裂くように動き、緩やかな仕草で髪をかき上げる。その一瞬、スポットライトが彼の瞳に反射し、琥珀のような光が揺れた。 九条司――。 俺が言葉を発するより早く、彼はピアノの前に歩み寄り、軽やかに腰を下ろす。そして、唐突に音を奏ではじめた。 聞いたことのない旋律が、ホールを包み込む。一音一音が心の奥をそっと叩くように、彼の指先から紡がれる調べは鋭くも柔らかく、確かな感情を孕んでいる。 それは熱くも冷たくもない、だが確かに痛みの記憶を呼び起こすような響きに、息をすることさえ忘れた。俺の意識は、ただ彼の指先とその音に囚われる。 演奏が終わると九条さんは鍵盤から手を離さず、ゆっくりと俺の方へ顔を傾けた。「なるほど……この音は、君が整えたんだね」 その声は、耳の奥に直接触れるように甘く響いた。なぜか頬が熱くなるのを感じ、俺は慌てて視線を落とす。「君、名前は?」「芹沢……芹沢陽です」「芹沢くんか。いい調律師だ。でもこのピアノにはまだ、君の“なにか”が足りない気がする。どうしてだろうね?」 その言葉は、俺の心の隙間を正確に突いたものだった。九条さんの瞳はどこか虚ろで、同時に底知れぬ深さを湛える。 触れて

  • BL小説短編集   番外編 数年後のクリスマス

    数年後のクリスマス。街は相変わらず浮き足立っていて、どこもかしこも赤と金で溢れていた。「寒いですね」 「そうだな。でも――悪くない」 そう答えながら、俺は左手に伝わる温度を確かめる。指輪が、きちんとそこにある。 あの頃は、外で写真を撮ることすら少し勇気が要った。今はもう、ためらう理由がない。「ねえ、友則さん」 「ん?」 「今年も撮ります?」 拓海が、いつものように少し遠慮がちに聞く。でもその目は、もう不安を探していない。「当たり前だろ」 俺は即答して、スマホを取り出した。 撮る場所は、去年と同じ街路樹の下。でも今年は昼間だ。たくさん人もいる。光も多い。「……いいんですか?」 「いいも何も」 拓海の肩を引き寄せる。昔みたいに慎重な距離は取らない。「俺が選んだ人なんだから」 一瞬、拓海が息を止めたのがわかった。それから、ゆっくりと笑う。「……ずるいです、そういう言い方」 「事実だろ」 シャッター音が鳴る。 画面の中には、はっきりとした二人が写っていた。隠してない。迷ってない。並ぶことを選び続けてきた顔だった。「……これ、どこに保存します?」 「決まってる」 俺は迷わず言った。「〈家族〉」 拓海が目を見開く。それからゆっくりと、噛みしめるみたいに頷いた。「……はい」 その返事が、胸の奥に深く落ちる。 昔は、誰にも見せられない写真だった。次は、いつかのために取っておく写真だった。 そして今は――何気ない日常として、当たり前にそこに置ける一枚。 俺は思う。年下を選んだんじゃない。楽な道を選んだわけでもない。ただ、拓海と一緒に歳を重ねる未来を、何度も選び直してきただけだ。「友則さん、来年のクリスマスは?」 「来年も、その次も――」 そう言って、指輪のある手を握る。「写真が増えるだけだよ」 拓海は少し照れて、でもはっきり笑った。「……一生分、ですね」 ああ、そういうことだ。★メリークリスマス!&よいお年を!

  • BL小説短編集   番外編 次のクリスマス――写真を撮る場所が変わる瞬間

     社会人一年目は、想像以上に仕事が慌ただしかった。覚えることも、気を張る時間も多くて、気づけばクリスマスイブはもう目前だった。だけど二年目は違う。昨年よりも、ちょっとだけ余裕があった。「拓海くんお疲れ。無理してない?」 待ち合わせ場所で声をかけられて、振り向くと友則さんが立っていた。去年と同じコートなのに、なぜか今年は違って見える。それはたぶん、僕の立ち位置が少し変わったからだ。「大丈夫です。今日は楽しみにしてたから」 「……よかった。今年は俺がエスコートするよ」 そう言って、少し照れたように笑う。 連れて来られたのは、街を見下ろす小さな展望スペースだった。観光地というほど派手じゃないけれど、夜景がきれいで人も少ない。「ここ、会社の人に教えてもらったんですか?」 「いや……前から知ってた。ただ、君と来るのは初めて」 風が冷たくて、自然と肩が触れ合う。こうして並んでいると、去年のクリスマスを思い出す。友則さんをレストランに連れて行くのが精一杯だった。 夜景をぼんやり眺めていたら、友則さんがポケットからスマホを取り出す。「拓海くん」 「はい?」 一瞬、迷うような間。「……写真、撮ってもいい?」 胸が、きゅっと鳴った。「ここで、ですか?」 「うん。外だけど……嫌ならやめる」 去年なら、即答で「ホテルに戻ってからにしよう」と言っていたはずだ。でも今は違う。 僕は少し考えてから、正直に言った。「……嬉しいです。ここで撮っても」 その瞬間、友則さんの表情がはっきりと柔らいだ。「ありがとう」 並んで立ち、夜景を背にする。距離は近いけれど、くっつきすぎない。大人同士の、慎重な間合いだ。「はい、撮るよ」 カメラを向けられて、少し緊張する。でも――。「……拓海くん、こっち」 そう言って、友則さんが自然に肩を抱いた。そしてシャッター音。たった一枚だけの写真撮影。 画面を覗くと、そこには去年より少し落ち着いた僕と、どこか誇らしそうな友則さんが並んでいた。「……これ、職場ではまだ無理ですね」 「うん。でも」 友則さんは、画面を消さずに言った。「隠すための写真じゃなくなった気がする」 その言葉が、胸に静かに染み込む。「いつか堂々と並べる前の……途中の一枚って感じだな」 「途中、ですか」 「そう。ちゃんと“今”を生きてる証

  • BL小説短編集   番外編 職場に見せられないツーショット写真問題(友則視点)

    昼休み、スマホを開いたのはただの癖だった。通知は一件。『昨日の写真、これ好きです😊』 仕事中の拓海くんからだった。指でタップして、表示された画面を見た瞬間――息が止まりかける。 夜景を背景に並んで写る二人。彼は少し緊張した顔で、でも確かに俺の隣にいる。距離は近くない。肩も触れていない。それでも――。(……これは駄目だ) 反射的に、そう判断していた。写真そのものが問題なわけじゃない。むしろ、宝物みたいな一枚だ。 でも、ほかの誰かに“見られたら終わる”。 年齢差・立場・職場という空間。どれか一つでも噛み合えば、簡単に歪んだ噂になる。「花沢さん、それ誰ですか?」 隣の席から声が飛んできて、心臓が跳ねる。反射的にスマホを伏せた。「……え?」 「今の写真。なんか大事そうな顔してましたよ」 悪意はない。本当にただの雑談。「家族だよ」 咄嗟に嘘をついた。口に出した瞬間、胸の奥がちくりと痛む。「へえ。弟さんとか?」 「……まあ、そんなところ」 それ以上は聞かれなかった。助かったと思うより先に、別の感情が込み上げる。(……俺、嘘ついたな) 拓海くんの顔が頭の中に浮かぶ。写真を「好きです」なんて、迷いなく送ってくる人に対して、俺は失礼なことを言ったと思う。 そのせいで仕事に戻っても、集中できなかった。 もし、この写真が誰かの目に入ったら――彼はどう見られる? 年上に遊ばれているとか。隠されているとか。都合のいい存在だ、とか。(……そんなふうに、絶対させない) 昼休みの終わり、スマホを手に取る。『写真、すごく好きだよ。でも、これは俺だけのにしておきたい』 少し間を置いて、もう一文。『職場じゃ、見られないから』 送信して、深く息を吐いた。 数秒後、拓海くんから返信がきた。『はい。大丈夫です😊 友則さんが大事にしてくれるなら、それで』 胸の奥が、じんと熱くなる。(……なんで彼は、こんなに真っ直ぐなんだ) 守るべきものが、はっきりした瞬間だった。 スマホを胸ポケットにしまい、椅子に深く腰を預ける。 職場では、“ただの花沢友則”。でも誰にも見せられない場所に、確かに恋人との写真がある。それだけで、午後を乗り切るには十分だった。 仕事帰りの夜、〈はなれ亭〉の暖簾をくぐる。油と出汁の匂いが、一気に身体をほどいてくれた。

  • BL小説短編集   番外編 張り切りすぎた社会人一年目のクリスマス

    十二月二十四日。ネクタイを締め直す手が、いつもより落ち着かない。 〈はなれ亭〉を継ぐ前に、社会人の経験をしておきなさい――そう母さんに言われて、一般企業に就職した。(……社会人になって、最初のクリスマスだ) 去年は、友則さんに連れていってもらった。ホテルの静かな部屋、夜景、ワイン。“大人のクリスマス”を、ただ受け取る側だった。 でも今年は違う。(今年は……僕が――) コートのポケットの中で、予約確認の紙と小さな箱が擦れる。背伸びして選んだレストラン。給料明細とにらめっこしながら、何日も悩んで決めたプレゼント。 張り切りすぎだって、自分でも分かってる。それでも社会人一年目で、恋人として迎える初めてのクリスマスだ。「……よし」 小さく気合を入れて、駅へ向かう。 待ち合わせ場所に現れた友則さんは、相変わらず落ち着いていた。その余裕が少し眩しい。「拓海くん、お疲れさま」 「友則さんも」 それだけで、胸の力がふっと抜ける。「今日は、僕がエスコートします」 「……珍しいな」 少し驚いたように笑う、その表情がずるい。「社会人一年目の意地です」 「ふふ……じゃあ、楽しみにしてる」 レストランでは、緊張しすぎてメニューを噛みそうになった。でも友則さんは急かさない。ただ、ゆっくり話を聞いてくれる。「仕事はどう?」 「正直……大変です。でも」 「でも?」 「帰る場所があると思うと、頑張れます」 言ってから、恥ずかしくなって視線を落とす。グラスを置く音がして、静かな声が返ってきた。「……俺もだよ」 告げられた友則さんの言葉で、胸の奥にじんわりと熱が広がる。 食事のあと、イルミネーションが点灯する夜の街を並んで歩く。「友則さん、これ」 思いきって小さな箱を、友則さんの前に差し出す。「クリスマスプレゼントです!」 「……ありがとう」 開ける前に、ふと視線が重なった。「無理、してない?」 「してません……ちょっとだけ頑張りました」 箱の中を見て、友則さんが一瞬息を呑む。「ネクタイピン……拓海くんらしい」 「そうですか?」 「うん。実用的で、でもちゃんと気持ちがこもってる」 その言葉が、何よりの報酬だった。「じゃあ、今度は俺」 友則さんから差し出された小さな袋を、両手で受け取った。「え、僕も?」 「当たり前だ

  • BL小説短編集   番外編 お礼SS ほんの少しの不安と優しさに包まれて

    土曜の夕方。いつものように、拓海くんの母さんが営む下町の食堂を手伝っていた。 ガラス戸を開けるたび、外の商店街の匂いが入り込む。油と出汁の混ざった匂い。家庭料理の湯気。ここにいると、不思議と自分が“ただの大人の男”に戻れる気がした。「友則さん、注文票これお願いね」 「あ、はい」 「息子だけじゃなく、私も世話になっちゃって悪いわねぇ」 からかうような声に微笑み返す。拓海くんのお母さんは、どこか人の心を見透かしたような優しさを持っている。 ……それなのに。 ドン、と店の戸が乱暴に開いた。「たーくみぃ! 来てあげたよ!」 甲高い声が店の空気を揺らす。視線を向けた瞬間、胸の奥にざらついた感覚が走った。 見るからに若い女の子。派手めの化粧と大きなバッグ。ひと目で、拓海くんと“同じ年代の世界”の子だと分かる。「私、就職決まったんだよ? 前に言ったでしょ、お祝いぐらいしてよ~」 馴れ馴れしく笑う声に、胸の底がずきりと痛んだ。(彼はこんな子と、同じ時間を過ごしていたんだ) 無意識に皿を持つ手が止まる。「そんな約束、僕はしてない」 拓海くんの声は、あくまで淡々としていた。だが彼女は勝手に続ける。「一年も付き合ってたのに、薄情じゃない?」 “付き合っていた”。その言葉が、想像していた以上に重かった。 僕は皿洗いの手を動かしながら、無意識に二人の声を追ってしまう。「拓海に別れた理由、言ってなかったよね?」 「……今さら何?」 「拓海ってば、男女どっちともいけるタイプだったからさ。私、二股されてたの実際ショックだったんだけど」 息が止まった。(……男女どっちも?) 胸の奥のどこかが、一気にざわめく。 拓海くんが、同年代の“男”と親しくなる姿を、ありありと想像してしまう。 簡単に距離を詰められる相手。俺にはない若さと軽さ。そして彼の持つ無邪気さ。 それらが胸の奥でひどい音を立てた。(やっぱり……俺なんかじゃ太刀打ちできない) 拓海くんの母さんが横に来て、皿を受け取りながらぽつりと言った。「友則さん、気にすることないわよ」 それは、心の内を自然に見抜くような声だった。「……いえ、別に俺は──」 「拓海は男の子と付き合ったことなんて、一度もないから。女の子の勘違いよ」 世界が一瞬、静かになった。「だってほら、あの子、見

  • BL小説短編集   ラヴ・メッセージ

    ※これは橋本が江藤と宮本弟に逢った日の夜におこなった、出張先にいる雅輝と熱いメッセージを交わした内容です 『雅輝、ただいま。今、大丈夫か?』「陽さんおかえりなさい。あとは寝るだけなんで大丈夫です。今日もお仕事お疲れさまでした」『お疲れ!さっきシャワー浴びて、ノンアルコールビールを飲んでるとこ。お前こそ、長距離の運転疲れていないか?』「そこまで長距離じゃないから平気。俺はオレンジジュースで乾杯」『カンパイ!あのさ今日の午前中、ハイヤーを走らせていたら、江藤ちんと雅輝の弟に偶然会った』「マジで!よく見つけられたね」『スーツ着てるし、平日の午前中なんて絶対に仕事中だろ。それなのにデー

    last updateDernière mise à jour : 2026-03-30
  • BL小説短編集   ふたりきりのクリスマスナイト

    ※これは一緒に暮らして、初めて迎えたクリスマスのお話になります。「うへぇ、うんざりするくらいに疲れた。だけど家に帰ったら大好きな陽さんがいるんだって考えるだけで、そんな疲れが吹き飛んじゃうんだから不思議」 デコトラのハンドルを握りしめながら、自然とクリスマスソングを歌ってしまう宮本。その歌が上手なのか下手なのかは、皆様の想像におまかせします。 マンション近くの駐車場にトラックを停めて、助手席に置いてあった荷物を手に、急ぎ足で帰宅する。 甘いものが苦手な橋本を考えて、イチゴのショートケーキ1個とクリスマスプレゼントを持ってる宮本は、まんまサンタの気分だった。「ただいま~! ってあれ?

    last updateDernière mise à jour : 2026-04-05
  • BL小説短編集   バレンタインラプソディ・イン・ドライヴ

    ※ここからお話を現代に戻します(^_-)-☆  隣から聞こえてくる宮本の寝息を橋本は愛おしく思いながら、閉じていた瞳をゆっくり開き、壁にかかっている時計に視線を飛ばした。「ぐっすり寝たと思ったのに、まだ6時前じゃねぇか。睡眠時間4時間で目覚めたくなかった……」 シルク素材でできたパジャマの袖を意味なくにぎにぎしながら、小さな声で呟いた。 宮本とお揃いのパジャマは色違いで、つい最近購入したばかりのものだった。ちなみに橋本はグレーで、宮本は濃紺。今まで揃いのものを買ったことがなかったのもあり、最初の内は身に着けるたびに、ふたりで照れてしまった。 ちなみにこのパジャマを購入した経緯は、朝

    last updateDernière mise à jour : 2026-04-05
  • BL小説短編集   例のアレ12

    「や…め…っんん、ここじゃだっ、駄目だ。狭ぃ」「きっと大丈夫ですよ。上半身は俺が押さえ込めばいいだけですし、陽さんの片足を背もたれに引っかければ、狭さも上手いことカバーできますって」 笑いながら告げると、それまで大人しかった橋本が腕の中で暴れはじめる。「やらしすぎる。そんな恰好させられる、俺の身にもなってみろ。恥ずかしいに決まってるだろ。絶対に嫌だ!」 視線を鋭くしているのに頬を少しだけ染めるという、表現しがたい可愛い顔で抵抗されるだけで、宮本の闘志に火がついた。力任せに橋本の躰をソファの上に押し倒して、素早く跨る。「ちょっ、いつも動きが緩慢なのに、こういうときに限ってお前は!」

    last updateDernière mise à jour : 2026-04-05
Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status