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第3章・第6話:「死にたい」の裏側で、「汚されたくない」と叫んだ本音

مؤلف: 銀狐
last update تاريخ النشر: 2026-06-16 06:07:31

 山を下りると、空気の匂いが変わった。

 塩の匂い。  

 湿った潮風。  

 遠くから聞こえてくる、波のぶつかる音。

 原付はいつの間にか、海沿いの県道に出ていた。  

 道路の脇に、ガードレールの向こうの黒い海が、ところどころ顔を覗かせている。

 街灯が等間隔に立っていて、その明かりの下を通るたび、  

 彼の髪がオレンジ色に、またすぐ暗い色に戻っていく。

 原付のエンジン音だけが、一定のリズムで鳴っていた。  

 他には、何も聞こえない。

 背中から伝わる体温は、さっきと変わらない。  

 夜風にあてられているはずなのに、全然冷めない。

 私は、無意識に指に力を込めていた。  

 黒いジャケットの布を、爪が食い込むほど握りしめている。

 もし、この手を離したら。  

 また、あのトンネルの前みたいな場所に戻ってしまう気が
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  • しおさいの街で、人狼と天使は恋をした   第1章・第2話:絶体絶命の夜、その救世主はビルの屋上から

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  • しおさいの街で、人狼と天使は恋をした   第1章・第1話:甘い言葉と冷たい路地

     夜の街って、こんなに明るかったっけ。 駅前のロータリーを抜けるとき、私はぼんやりそう思った。ネオンがぎらぎらして、カラオケと居酒屋とパチンコ屋の看板が、空に向かって喧嘩みたいに明滅している。「……うるさい」 思わず口からこぼれた声は、自分でも驚くくらい掠れていた。 トートバッグの紐が、汗ばんだ手からずり落ちそうになる。中身は、昨日の夜に慌てて詰め込んだもの——スマホ、財布、替えのTシャツ一枚、くたびれたタオル。それだけ。 家出、なんて大層なものじゃないのかもしれない。逃げた、が正しい。 だって、あの家にいたら、次は死ぬかもしれないって、本気で思ったから。 ***「テメェ、誰

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