LOGINダリアと呼ばれる前の私は、新宿のそこそこ人気のSMクラブでそこそこ有名だった。女王様もM嬢も難なくこなすと言って。
ところがある日、客の扱い方を間違えた同僚が逆上した客に襲われ、止めに入った私は——不運にも刺されてそのまま死んでしまったのだ。
ハッと目を覚ますと私はどこかの見知らぬ汚いベッドで寝ていたのだが、隣には裸の屈強な男が眠っている。
「だ、誰?」
私、まだ仕事中だった? 刺されたと思ったのは気のせい? そんな事を考えながらゆっくりと身体を起こすと、ベッドから出ようとした私の髪を今まで隣で眠っていた男が乱暴に掴んだ。
「おい! お前、どこ行くんだよ!? 俺が買ったのは二晩だぞ!」
男はそう言って私を乱暴にベッドに連れ戻し、犯し始めた。私は仕事柄こんな対応にも慣れている。
結局私はその後も男にあらゆる体位で犯され続けたが、いくら犯しても犯しても果てない私の性欲にとうとう男の方が先に音を上げた。
「こ、こんな女初めてだぜ……その歳で末恐ろしい……あんた、何でこんな所に居るんだ……」
それだけ言って男は良い顔をして親指を立てると、そのままベッドの上で意識を失ってしまう。
とりあえず私はベッドの下に落ちていた服をかき集め一刻も早くこの場を去ろうとしたのだが、その時にちらりと部屋にあった全身鏡に映った自分を見て愕然とした——。
「だ、誰よこれ!?」
黒髪、黒目の純日本人の顔立ちだった私のはずなのに、何故か鏡には栗色の髪の明らかに西洋人が映っている。
おまけにそこそこ美少女だ。そう、美少女。
恐らく20代前半ぐらいだろうか。どちらにしても余裕で10歳以上は若返っている。
それから私は記憶を失くした振りをして自分の素性を調べる事にした。
まずは名前。それはすぐに分かった。建物を出るなり同じぐらいの歳の子が私の事を「ダリア」と呼んだからだ。
彼女の名前はマリア。茶髪の可愛い子だ。そしてこの子に私の素性を詳しく聞いた。
まず始めに年齢ははっきりとは分からない。生まれたのは歓楽街で誰が母親で誰が父親かも分からない、いわゆる孤児だ。
その後私はこの歓楽街で育てられ、数年前から客を取っているらしい。そもそもここはどこだ。私は自分が着ているドレスを摘んで首を傾げた。明らかに令和ではない。というか、日本ではない。もしかしてタイムトラベルでもしたか? とは思ったが、それにしては言葉が通じるのが不自然だ。
だから私はマリアにこの世界の事も聞いてみた。すると、想像もしていなかった言葉が返ってくる。
結論から言うと、ここは地球ではない。というか、もしかしたら太陽系ですら無いかもしれない。聞いた事の無い星の名前と、聞いた事も無い国の小さな村。それが私の今いる場所だ。
「とりあえず私の仕事は男と寝ること?」
単刀直入に言った私に、マリアはコクリと頷き、その後少し考えるような仕草をする。
「どうしたの?」
「あ、ううん。今までは、そうだった。でも明日からは……」
そこまで言ってマリアは何故か目に涙をためて私に抱きついてくる。
「ど、どうしたの?」
「ごめんね、ダリア。私の代わりにこんな事になるなんて……」
「こんな事って?」
「……本当に何も覚えてないのね。あなた、私の代わりに明日から冷酷王の軍の慰み者に決まったのよ……」
「は?」
「だから! あなたは明日からあの有名な冷酷王の軍の慰み者として戦場に行くことになったの!」
事情が飲み込めない私にマリアがとうとう声を張り上げた。そのあまりの大声に通りに居た人たちが何事かと振り返るが、それが私達だと分かると汚らわしい者を見るかのような顔をして通り過ぎていく。
どうやらこの世界では私達のような仕事をする人間は虫けら以下のようだ。
けれど前世の私はこの仕事に誇りを持っていた。明日から慰み者? それがどうした。こちとら一度刺されて死んだ身だ。こうなったらこの世界でとことん生き抜いてやる。
私はまださめざめと泣いているマリアの肩をがっちりと掴んだ。
「そんなに泣かないで、マリア。私、頑張ってくるわ」
「で、でも……」
その言葉にマリアはまた表情を曇らせた。
「もしかしてまだ何かあるの?」
「れ、冷酷王の軍はそれはもう気性が荒い事で有名で、慰み者になった人は今まで誰一人生きて帰ってきた事がないのよ……」
怯えた顔でそんな事を言うマリアを見て私はにっこり微笑んだ。
「大丈夫。私は草の根を齧ってでも生き延びてみせるから。いつか、また会えるといいわね」
それだけ言って私はマリアに詳しい話を聞いて教えられた自宅へと戻ったのだった。
しばらく痙攣する互いの身体を感じていたが、ふと外を見ると日が傾き始めていた。「オズ」「なんだ」「外、暗くなってきてる」「なに!?」 オズワルドは慌てて私の中から熱い塊を引き抜いて勢いよく起き上がり、私を抱えてそのまま部屋に添えつけられている水浴び場へ向かった。そして急いでお互い身体を洗い、宿を飛び出す。 速歩きで馬車に向かっていると、不意にオズワルドが笑い声を漏らした。「なに?」「いや、こんな事は初めてだと思ってな」「そうなの?」「ああ。戦地から帰る時の休憩に誰かを連れ込んだ事などない。宿ではいつも本を読んで過ごしていたんだ」「一人で?」「ああ、一人で。それが今日はどうだ。まさかお前を抱いていて時間に遅れそうになるだなんて思いもしなかった。やはりお前は危険だな」「私を誘ったのはあなたでしょ! でも気持ちよかった。これで帰りもしっかり眠れそう」「あんな事しなくても眠れるだろう? お前は」「眠れるけど、精神的に悪い夢見そうよ、あの馬車」 慰み者達だけの馬車はマウント合戦が酷い。そこに無理やり私を巻き込んで来ようとするのだ。それをオズワルドに伝えると、オズワルドは何かに納得したように頷いた。「俺の馬車に乗るか? 俺は一人だから何の遠慮もいらないぞ」「いいの? いく! でさ、もし良かったら——」「馬車が汚れるからしないぞ」「……まだ何にも言ってないのに」 先に断られてしまってしょんぼりしていると、そんな私の頭をぽんぽんとオズワルドが撫でてくる。「お前の考えそうな事はもう大体分かる」「流石王様だね」「それは全然関係ないだろ」 それから私は乗ってきた馬車には戻らず、そのままオズワルドの馬車に乗り込んだ。 オズワルドの馬車は豪華なのかと思いきや、思いの外簡素だ。「あんまり広くないんだね」「俺一人だからな。
右手で内ももを優しく撫でるとそれも刺激になったようで、唐突にオズワルドが私の口の中から熱い塊を引き抜いて盛大に吐精する。ふと視線を上げると、オズワルドは恍惚とした表情を浮かべていた。 私は壁に手をつき足を広げてお尻を突き出すと、振り返ってオズワルドを見て甘えるように言う。「思いっきり突いて」 私の中からは既に愛液が太ももを伝って流れ落ちていて、準備万端だ。 それを聞いてオズワルドは一歩私に近寄ってきたかと思うと、私の腰を持ってズンっと一番奥まで突いてくる。「ああんっ!」「これで喜ぶんだからな……変な女だよ、お前は」 オズワルドの呟くような声が何故かとても嬉しげで、妙に印象に残った。 そう言えばオズワルドは言っていた。大抵の女子はオズワルドのこの一突きで気を失ってしまうのだと。 けれど私はすっかり開発済みだ。これぐらいではまだまだ足りない。オズワルドの凶悪で凶暴な熱い塊は、まるで杭か何かのように固くて長くて太いが。 凶暴な熱い塊は私の中の中を知り尽くしているかのように入口をゆっくりと擦り、また最奥まで一気に貫いてくる。一番奥に先端が当たり振動が最奥に響く度に私は背中を仰け反らせた。 オズワルドはそんな私の反応に気づいたのか、お腹辺りを優しく円を描くように撫でると、そのまま胸を後ろから激しく揉んでくる。「あっ、やん!」 オズワルドはやがて胸の先端を指で弾きそのまま右手で敏感な場所を弄りだす。「ああっ! イッちゃう! ねぇ、イッちゃう!」 三点を一気に責められた私は、勢いよく潮を噴いてしまった。壁にサラサラした液体がかかるが、それでもオズワルドの腰は先程からやけにゆっくりとした動きだ。「あ、んっ、ねぇ、早く、動いて」「駄目だ。お前は先に三回ぐらいはイカせておかないと、また自分で弄り始めるからな」 意地悪なオズワルドの声に私の胸がときめいたのは言うまでもない。 イッたばかりの敏感な場所を責められ、オズワルドのゆっくりなストロークが私の敏感な
「有名なんだね、このお店」 というか、皆があの兵士に同じことを聞いたのかもしれない。「そのようだな」 オズワルドが列に並ぼうとすると、前に並んでいた兵士たちがギョッとした顔をして順番を譲ってくれる。それをオズワルドは律儀に断っていたが、それはそれで兵士たちが萎縮してしまって何だか不憫だ。「いいじゃん! 皆が先に行かせてくれるって言ってるんだし。それに王様と同じところでご飯食べるって、なかなか地獄でしょ?」 私の言葉に並んでいた兵士達がそっと視線を伏せた。そんな兵士たちを見てオズワルドは相変わらず無表情で頷くと、大人しく順番を抜かしまくる。 ようやく店に入ると今度は店主が萎縮していて、何だかどこへ行ってもオズワルドはこんな反応をされるのかと思うと可哀想でならない。 それから個室に案内された私達はようやく一息ついて出された水を飲んだ。「はぁ~お腹すいた!」「ああ。悪かったな、気を使わせて」「ん? ああ、いいっていいって! こういうのも仕事のうちだったからね」「そうなのか?」「うん、同伴って言って、出勤前にお客さんとご飯食べたりしてから一緒にお店に行くの。ま、それはSM嬢やる前のキャバクラでの事なんだけど」「よく分からんが、一体どういう事なんだ? 仕事を変えたのか?」「そう。早い話が、最初に勤めてた所じゃ思う存分ヤれないから本番ありのお店に転職したってだけの話だよ」「……なるほど。お前らしいな」 呆れ果てたような顔をするオズワルドだが、そのおかげで勃ったのだからそれはむしろ、良くやったと褒めてもらいたい。 しばらくして念願のもつ煮込みがやってきた。それはそれは美味しくて思わず私がうっとりと目を細めていると、正面でオズワルドも満足げな顔をして肉を頬張っている。「美味しいね!」「ああ。初めて食べたが、なかなかいけるな」「初めてなの?」「前にも言ったが、俺はこんな所であまり食事はしない。高官の中にはお忍びでこういう
※ 俺は皆が馬車に乗り込んだのを確認して1人で小型の馬車に乗り込んだ。 警護の為にグレイが斜向かいに座っているが、グレイはさっきから真剣な顔をして今回の戦況をまとめている。 俺は足を組んで窓枠に肘をついて窓の外にどこまでも広がるのどかな風景を眺めていた。「王」 どれぐらい時間が経ったのだろうか。景色を眺める俺にグレイが話しかけてきたので視線だけをグレイに移す。「なんだ?」「今回の休憩に使う街ですが、変更などはありませんか?」「ああ、いつも通り——いや、待て。お前が前に言っていたもつ煮込みが美味い街はどこだ?」 俺の言葉にグレイは一瞬首を傾げたかと思うと、すぐに何かに気づいたように手をポンと打つ。「砂漠の手前の街です」「そうか。では今回の休憩はそこに変更だ」「え!?」 俺の言葉にグレイは驚いたように目を丸くした。グレイは知っているのだ。俺は滅多な事では予定を変えないということを。「何か問題があるか? どのみち砂漠は夜にしか超えられない」「い、いえ、問題はありません。ただその、珍しいなと……そんなにもつ煮込みが気になっていたのですか?」「ダリアがな」 短く答えた俺はまた視線を窓の外に移した。グレイはそれ以降黙り込み、二度と口を開くことは無かった。 やがてもつ煮込みの街についた頃にはすっかり日は高くなっていた。昼食にもつ煮込みは少々重い気もするが、まぁいい。こんな機会でもなければもつ煮込みなど食べる事もない。 俺は馬車から下りると辺りを見渡して慰み者の馬車が街に入ってきたのを見つけた。しばらくして中からぞろぞろと慰み者達が降りてきてすぐさま散っていくが、その中にダリアの姿はない。 また何かあったのかと思い慰み者達の馬車に向かい中を覗くと、いつかのようにダリアは馬車の壁に凭れて眠りこけている。 俺は馬車に乗り込むとダリアの正面に座って少しの間ダリアの寝顔を見つめていた。
翌日、王都へ向かう慰み者達の馬車に乗り込んだ私は、肌に突き刺さるアウェー感に打ちひしがれていた。 そりゃそうだ。ずっとオズワルドの相手をしていたのだ。こんな塩対応をされても仕方ない。 その時、正面からこんな声が聞こえてきた。「え! じゃあ、あなたも王の側室候補に?」「ええ、そうなの。あなたもなの?」「そうなの! お手つきになったって事で打診があったのよ」「同じね。私もそう。それにまだ月のものも来ていないし、もしかしたら……」 そう言って顔を赤らめたのは、私よりも少し年上の美人なお姉さんだ。大してそれを聞いて眉をひくりと動かしたのは、私と同じ年ぐらいの少女である。 二人は互いに腹の探り合いでもしているのか、雰囲気が怖い。やっぱり側室候補は断って良かった。 そんな二人が突然、黙って外を見ていた私に声をかけてきた。「あなたはどうなの? ずっと王の天幕に入り浸っていたみたいだけど」「そうよ。この中で誰よりも王と一緒に居たんでしょ? 一体どんな手を使ったのか知らないけど、清楚そうな見かけによらないわね」 小馬鹿にしたような顔をして笑う二人に周りはドン引きだ。「私はそんなとこ行かないよ」 下手な事は言わないほうが良さそうだ。私はそう判断してそれだけ答えてまた馬車の外を眺める。 そんな私の答えを聞いてあからさまに二人は喜んだ。「あら、そうなの? 残念。せっかく友人が出来ると思ったのに」「本当ね。慰み者から王の側室だなんて、物凄い出世なのに! お誘いを断ったの?」「誘われてなんて無いよ。私は報奨金とお仕事紹介してもらえたらそれで十分だから」 これは本当の事だ。オズワルドは私を側室係にねじ込もうとしたようが、それを聞く前に私は断った。むしろオズワルドも本気で誘うつもりなど無かったはずだ。私の性欲モンスターっぷりを嫌と言うほど知っているのだから。「そうなの? それはきっと飽きてしまったのね。可哀想」「この仕事をしてたらよ
「どうしてそんな所があるのに渋ったの?」「それは知り合いばかりが利用するからだが」「それが嫌なの?」「嫌だろ。宰相や騎士団長、その他の高官も利用するんだぞ? 嫌じゃないか?」「それはつまり、知り合いと穴兄弟になるのが嫌って事?」「というよりも、比べられるのが嫌だな。お前に」「私に?」「ああ、お前に。本当ならお前を空いてる側室候補にねじ込みたいが——」「それは嫌だよ。だって、どうせ順番だとか言って今みたいに毎晩抱いてもらえないでしょ?」「……そう言うと思った。それにそんな事になったらお前は暇を見つけては衛兵だろうが高官だろうがお構いなしに迫りそうだしな」「それはそう」「すぐに認めるのか」「それにさっきも言ったけど、愛の無いのは嫌だよ。側室になるって事は、子どもが出来たらそのまま正妻になるって事なんでしょ?」「そうだな」「それが嫌。愛してくれない人と結婚なんてしたら浮気するに決まってるもん」 前世の私の両親のように。その言葉を私はどうにか飲み込んだ。愛の無い家の為だけに結婚した両親は、無口で無表情で無感情だった。そして結局W不倫をして離婚したのだ。ああはなりたくない。 私の表情が曇ったのが分かったのか、ふとオズワルドが私を抱きしめてきた。「一応言っておくと、俺は妻が決まったら浮気はしない。妻しか抱かない。二度と」「そうなの?」「ああ。相手がどんな奴であれ、それは不義理だからな。そもそも法律違反だ。だから出来れば身体の相性と俺の性欲について来られるような奴が良い。それこそ、死ぬまでずっと抱かせてくれるような奴が」「いるといいね、そんな人」 何だかオズワルドが不憫になってそんな事を言うと、オズワルドは大きなため息を落としてさらに私を強く抱きしめてくる。「全くだ。仕方がないから当分はお前で我慢しよう」「我慢ってなに!? 失礼じゃない?」「失礼







