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第4話 ​

Author: キュートキャット​
由美を相手にするのも馬鹿らしくてブロックしようとしたが、うっかり送られてきた写真を開いてしまった。

驚いたことに、彼らが撮影していたのはウェディングフォトだ。

視界が暗くなった。つまり、貴也が結婚しようとしている相手は、由美だというのか。

ふと思い出した。結婚式が間近に迫っているのに、私と貴也のウェディングフォトはまだ目処が立っていなかった。

以前から彼に相談していたが、彼はいつも仕事が忙しいと言って、撮影に行く時間を渋っていた。

けれど実際には、その忙しいはずの時間を使って、由美を連れ出し、気晴らしをさせていた。

そこへ母から、式の準備の進み具合を確認する電話がかかってきた。

「せりな、いいかい。隅々までしっかり確認するのよ。手落ちがあって皆川家に恥をかかせるようなことがあってはならないわ。

何か手伝いが必要なら言ってちょうだい。一人で抱え込まないでね。うちは落ちぶれたとはいえ、誰かに馬鹿にされていい家柄ではないのだから」

母の声を聞きながら、由美の隣で高級タキシードに身を包み、満面の笑みを浮かべる貴也の姿が頭に浮かんだ。私は淡々と告げた。

「お母さん、私、この結婚はやめるわ」

母はまた私が貴也と喧嘩でもしたのだと思い、なだめるように言った。

「せりな、貴也さんはいい人よ。少しは彼の気持ちを考えてあげたらどう?もうすぐ夫婦になるっていうのに、不機嫌な顔をして式に臨むつもりなの?」

――気持ちを考えてあげる?

この数年、私がどれほど彼の気持ちを考えてきただろうか。彼は何度も由美の機嫌を取るために、私のプロジェクトを奪い、さらに何度も由美と二人きりで旅行に出かけた。

私がもっと彼の気持ちを考え、思いやりを持っていれば、いつか彼は変わると信じていた。けれど、結果はどうだ。彼はますます図に乗り、あろうことか由美とウェディングフォトまで撮った。

今度こそ、自分の気持ちを優先する。

私が黙り込んでいると、母は適当に諭して電話を切った。

しばらくして、功一がやって来て、以前注文したウェディングドレスとタキシードが届いたと告げた。貴也は一足先に店へ向かっており、私にもすぐ来るようにと言っているらしい。

私は少し驚いた。貴也は式の当日まで戻らないだろうと思っていた。普段、出張に行くと二週間は帰ってこないからだ。

まさか、彼はこの結婚式を大切にしているのだろうか。

けれど本当に大切にしているのなら、なぜ少しも協力せず、すべてを私に丸投げしたのか。

自嘲気味にその考えを振り払うと、ガレージから車を出してドレスショップへと向かった。

店の入り口に着くとすぐに、由美と貴也の言い争う声が聞こえてきた。

由美が貴也を問い詰めている。

「どうして洲本と結婚しなきゃいけないの?あの言葉だけの婚約に何年も縛られて、一生を彼女に捧げるつもりなの?

貴也が好きなのは私でしょう?私と一緒にいる時の貴也は、あんなに幸せそうなのに!

貴也が苦しむ姿なんて見たくない。どうしても彼女と結婚すると言うのなら、私は目の前で死んでやるわ」

貴也はそれを聞き、一瞬言葉を失った。

彼がまだ迷っているのを見て、由美は狂ったようにナイフを掴んで、自分の手首に当てた。

それを見た貴也は顔色を変え、慌ててナイフを奪い取ると、自分の服を脱いで彼女の手首を強く押さえた。

由美は貴也を突き放し、激昂して叫んだ。

「止めないで!死なせてよ!そうすれば、貴也が日々苦しむのを見なくて済むから」

彼女がまた無茶をするのを恐れた貴也は、必死に頷いた。それを見た由美は、一転して嬉し泣きを始めた。

貴也が手当てのために病院へ連れて行こうとすると、由美はそれを遮って言った。

「式の当日に、みんなの前で宣言して。本当の花嫁は私だって。洲本は貴也に執着してる狂った女だって。彼女に思い知らせてやりたいの」

貴也は、彼女の手首から溢れ出る血が止まらないのを見て、焦りながら何度も頷いた。

その光景を見届け、私は静かに店を後にした。指にはめていた指輪を外し、道端のゴミ箱に投げ捨てた。

それは、かつて付き合い始めた頃に貴也から贈られたものだった。

……

家に着くとすぐに、台所からレシピを読み上げる音声が聞こえてきた。

リビングはひどい有様で、食材があちこちに散乱している。

台所で手際悪く立ち往生している男の背中が見えた。貴也は、由美のために栄養のあるスープを作ろうと、一晩中研究していたらしい。

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