Masukエルザは、アルセント帝国のサファード公爵家の一人娘。この一族は時の神の 加護を受けており、時を止める能力を持っていた。そして皇太子レイヴァンの婚約者。 しかし異世界から聖女レイナが現れ自分をイジメる悪女に仕立て上げられてしまう。レイヴァンは、アカデミーでは冷たくするも、身体の関係を続けていた。 しかし、邸宅では気遣う優しさも見せるため、矛盾な態度に悩まされる。 そんな中で妊娠してしまう。だが、レイヴァンはアカデミーの卒業パーティーでレイナをパートナーにし、聖女殺人容疑の濡れ衣の罪で婚約破棄を告げられてしまい!? 窮地に追いやられるエルザ。 そんな時に彼女は不思議な夢を見る。そして、それに渦巻く真実とは?
Lihat lebih banyakアルセント帝国は、魔法国の中でも大きく騎士や魔導師の育成や商人の買付けなどが盛んなところだ。自然も豊かだと言われている。
アルセント皇族は、もっとも膨大なマナを持っており、権力と実力はトップクラス。それに続くのが貴族なのだが、この国の守護神であり、我がサファード公爵家は別格だった。サファード一族は、時の神・クロノスの加護を受けている。
その力は、時を止めるほど強力。代々サファード一族の血を引く女性が受け継がれてきた。
そのため皇族としても、その力を欲しがり血を受け継いだ女性との婚姻を申し込んできた。しかしサファード一族は、その力を手にした皇族の影響力を恐れ断り続けてきた。
皇族も公爵家であり、別格の能力と権力を持っているため強引に出れない。
しかし、何年かぶりにサファード一族に女の子が産まれたことで話し合われ、両者とも納得の上で婚約が決まった。
その女の子であり、サファード公爵家の一人娘が私、エルザ・サファード。
婚約者であり、次期皇帝陛下と噂される皇太子・レイヴァン・アルセントとの出会いだった。
エルザがレイヴァンにお会いしたのは5歳の頃。父親に皇宮に連れて来られた時。初めて見るレイヴァンは、とても美しい少年だった。
皇族しか現れないという美しい白銀の髪。グレーの瞳。透き通るような白い肌。
まるで天使が舞い降りてきたのかと思うほどに輝いて見えた。
その姿を目にした時、何故か気持ちが高ぶり、どうしようもなく涙が溢れてきたのは、今でもエルザはハッキリと覚えている。
しかし、その天使みたいな美少年に出会うことで、自分の人生が大きく左右されるなんて、この時は夢にも思わなかった……。
エルザ達は、あれから数十年の月日が過ぎ『魔導育成アカデミー』の高等科に進学する。このアカデミーは魔法、剣術、教養などが学べる。
婚約者として恥じないように日々教養と技術、そして社交界としてのマナーを頑張って学んできたはずだった。しかし、ある聖女が編入してからその関係は変わってしまった。いや……レイヴァンの気持ちが分からなくなった。
皇族としてエルザとの婚約を進めてきたレイヴァンだったが、最近アカデミーで生活をする時は、聖女のレイナと一緒に居ることが増えていた。
レイナはある時、突然姿を現した転生者。人を癒したり、治癒ができる特別な能力を持っているため聖皇庁が聖女として引き取られた。
美しい黒い髪のストレートロングヘアに少し垂れた大きな目。色白で華奢な身体。守ってあげたくなるような可愛さを持った絶世の美女。
その能力は、人々を癒し魅了するには十分だった。そのため、多くの民や貴族達は、彼女を崇拝するように。それは皇族も例外ではなかった。
エルザは金髪碧眼だが少し目つきが鋭く、背も168センチぐらいある長身のため、彼女とは正反対。性格もレイナみたいに明るく天真爛漫ではない。
しかし問題なのが、何故かレイナはエルザを悪者扱いする。
先日も「エルザ様が私を突き飛ばして池に落とした」とレイヴァンに泣きついてきた。エルザには身に覚えもないことだったが。
しかしレイナは、確かに制服まで濡れていた。そのせいかレイヴァンは、エルザに酷く責め立てた。
そして……3年生の現在では。
「エルザ」
エルザは声のする方を振り向くとバチンッと、廊下に大きく響くような音でレイヴァンに平手打ちをされた。
エルザは、驚いてそのまま尻餅をついてしまう。
ど、どうして……?
驚くエルザに対してレイヴァンは、鋭い目つきで睨みつけてきた。
「貴様。私の婚約者として恥ずかしくないのか?」
「な、何のことでしょうか……?」
「とぼけるな。貴様がレイナにしたことだ。よくもレイナを階段から突き落とそうとしたな!?」
「そうか……なら一つ聞いていいか? 本当の世界の私はどうなっているんだ? エルザは、その事を知っているのか?」「……いいや、誰にも話してはいない。元の世界でも父上は生き返っている。他の次元から来た、もう1人の貴様がな」「……そうか。エルザが悲しませなかったのなら、なんでもいいよ。私はこの世界で私として生きて行こう。もちろんエルザには内密するつもりだ」 エルザには心配や不安にさせたくない。結果として自分が生き返ったのなら、事実は墓まで持って行こう。彼女が笑っていられるように。 その言葉にクリスは静かに笑う。2人だけの秘密になった。 そしてレイヴァンは順調に回復して、エルザが目覚めるのを待つ。 目覚めてからもレイヴァンとクリスの即位式があったり、エルザとの結婚式があったりと大忙しだった。でも無事にエルザを妻として迎える事ができて良かったと思う。 この世界のエルザも美しく、聡明でレイヴァンが彼女に恋に落ちるのは一瞬だった。絶対に幸せにしようと心に誓う。 挙式も無事に終わり二ヶ月後。エルザのお腹も5ヶ月になった頃。 家族だけでサファード公爵家が所有する山でピクニックを出かける。まさか、そこでクリスティーナがマナを使い時間を早め、早産にさせるとは夢にも思わなかったが。 陣痛に苦しむエルザに、どうしたらいいか分からず戸惑うレイヴァンだった。メアリー夫人が助言をしてくれたお陰で、取り上げることに成功する。 初めての経験で狼狽えたりしたが、無事にレイヴァン自身で取り上げる事ができたのは一生の思い出になるだろう。 そして同じぐらい印象深かったのは、レイヴァン達の前世だろう。まさか、自分が先祖である皇帝の生まれ変わりだったとは。 クリスもエルザの先祖・メアリー夫人とその当時、憑依していたサファード公爵との間に産まれた公子だった。 エルザもメアリー夫人の魂を半分にした存在で、特別な女性だと後で知る。 つまりは、偶然ようで奇跡的に集まったメンバーだったのだ。 レイヴァンの先祖であるリアム前皇帝もメアリー夫人に片思いしており、生まれ変わりである自分がエルザに恋をするのは必然的だったのだろう。まさに運命。 他にも、もう1つ運命が。クリスは前世で妻で、女騎士であったリーゼロッテが、カルバーナ侯爵家の令嬢として生まれ変わったのだ。これもまた運命と言えよう。 た
レイヴァンとエルザ。息子になったクリス。少しずつ家族としての時間を作り、本当の意味の決戦に備えた。息子とは喧嘩ばかりだが。 そして決戦は、クリスが一歳過ぎた頃。マナが溜まった事や彼女自身が決心が固くなったのがきっかけだった。場所は皇宮のお披露目パーティーで。 しかし、それは思ったよりも深刻の事態になった。レイナを断罪するまでは、予定通りだった。マナで大きくなったクリスがレイナがやった罪を一つずつ暴いていく。 新人侍女のハンナを使い、サファード公爵家の『虹色のダイヤ』のペンダント盗ませ、暗殺の罪を着せようとしたこと。レイヴァンを始め、多くの男性や周りを『魅了』で操り洗脳していたこと。そして聖皇庁と手を組んだこと。 全て暴露されてもレイナは謝罪どころか強気だった。『増幅』させる魔法石を持っていたからだ。だがクリスにはそれは効かなかった。 そして結局『時を操る』能力でレイナの本来過ぎてしまった年に戻し、元の居た世界に帰らせる事に成功する。最後は見るからにも形がないほど年寄りになっていたが。 あんなに美しいと言われていた彼女も元の世界で年寄りとして生きて行くのだろう。 容姿に絶対的な自信があったレイナには、この現実に耐えられないだろうか。それが神が下した罰。レイナ自身にはピッタリだったに違いない。 そして最後は聖皇だけとなった。元々の元凶だ。 しかし聖皇は『増幅』させる魔法石を手に取ると我々を攻撃しようとしてきた。正気の沙汰ではない。しかし運悪くクリスのマナが切れてしまう。 元の幼い赤ん坊に戻ってしまった息子を必死に庇おうとするエルザ。 「危ない!?」 そう思ったら自然と飛び出してエルザとクリスを守ろうとする。攻撃がレイヴァンの背中に当たる。激痛はするが、怖さとかは無かった。 むしろ、これで良かったのだと思った。自分は酷い罪を犯した。 大切な彼女を傷つけて婚約破棄を告げてしまった。それは、絶対に許される事ではない。いや……自分自身がどうしても許せなかった。 だから、罰を受けるならこれでいい。大切な彼女を本当の意味で守れたんだ。それだけでも自分自身が救われるだろう。倒れた後はエルザが泣いて叫んでいた。(泣かないで……私は君の笑顔が好きなのだから) 冷たくなっていく身体。意識も朦朧になっていく。これが死ぬってことらしい。(あぁ、結局夢で終
(どうしてなんだ?) と、思っていると、何処からかクスクスと笑い声が聞こえてくる。 そこに現れたのはエルザによく似た女性。年上で品のある綺麗な人だった。女性は驚いているレイヴァン達に近寄り、話しかけてきた。「フフッ……クリス様が父親が変わるかもしれないからと、クリスティーナ様に情報を教えなかったので父親として認識していないのでしょう。時期に認識すると思いますわ」(はっ? あいつは、自分の父親の事を教えてないだと!?)その言葉にショックを受けるレイヴァン。「親だと……認識させていない? あの野郎は」 ボソッと怒りを露わにしていると、女性はそれを見てクスクスとさらに笑っていた。「あの……あなた様は?」「あ、申し遅れました。私はメアリー・サファード公爵夫人でございます。メアリー夫人とお呼び下さい。未来の皇帝陛下と皇妃様にご挨拶を申し上げます」 ドレスの裾を上げて綺麗なお辞儀をしてくる。エルザに似ているせいかレイヴァンの心臓はドキドキと高鳴った。それに、不思議と懐かしく感じる。(しかしメアリー・サファード公爵夫人だと!? だとしたらエルザのご先祖で、初代の時の神からご加護を貰った人物ではないか) レイヴァンは驚いてしまう。エルザも。 するとクリスティーナは嬉しそうに「ばあば」と呼んでいた。メアリー夫人はニコッと微笑むとクリスティーナを抱き上げた。「急にお呼び出ししてごめんなさい。クリスティーナ様ったら、少し目を離した隙に居なくなってしまって。でも、お会い出来て嬉しかったですわ」「あの……メアリー夫人って、サファード一族の最初のご加護を受けた方ですよね? そして私のご先祖様」「えぇ……そうよ。私がクロノス様から神のご加護を頂いたの。『時を操る』能力を。そして代々その力が受け継がれてきたわ。でも、最初は男女関係なく、血を受け継がれていれば能力は誰でも扱えたのよ」 衝撃の事実を聞かされる。まさかサファード一族のご先祖で、時の神・クロノスのご加護を最初に受け継いだ夫人だったとは。「それは誠なのか?」「はい、誠でございます。現に私がサファード公爵夫人として嫁ぎ、息子と娘を産みましたが二人共もその能力を受け継ぎましたわ」 男性でも、その能力は受け継ぐとは知らなかった。しかし、よく考えたら息子のクリスも能力を受け継いでいる。息子は門番だから
こんな山奥の何もないところに送り込まれたんだ。婚約破棄の事もあるが、せめて彼女が喜びそうなモノを贈りたかった。大事な時期だし。 もちろん、それに関してはクリスに小言を言われる。まだ危険な状態の時に無暗に優しくするな。注文の際に気づかれたら、どうするのだと。 デザイナーに注文する際にはレイナにも別のデザインで、ドレスを作るように頼んである。これでカモフラージュはできるはずだ。「口止めをしておいたから大丈夫だ。それに今は妊娠で不安な時期なんだから、できるだけ気を遣ってあげないと。ストレスで流産したら、どうするんだ?」『私はそこまでやわではない』「いや、やわとかの問題じゃなくて……」 結局、何を言っても文句を言ってもくるので、無視して自分のできる範囲で気遣うことに。もちろんレイナ達に気づかれないように特に注意を払いながら。 そして7ヶ月頃が過ぎた頃。今日出産するとクリス本人から知らせがきた。 レイヴァンは、とにかく彼女が居る別邸に急いだ。やっとだ。やっと本当の事が打ち明けられる。今まで苦労して隠してきた事が実る。 彼女がそれに対して許してくれるか分からないが、それでも精一杯謝罪しよう。 なによりも、早く行って彼女のそばについていてあげたいとレイヴァンは思った。 魔法石を使い、邸宅に着くと急いで中に入って行く。そして、やっと声だけではなく、本体のクリスに会うことに。 本来なら待ち望んだ息子の誕生に喜ぶ事なのだが、何故だが見た瞬間は憎らしさが、先に出てしまった。だって、目が会った瞬間に鼻で笑われたからだ。「……やっと産まれたか。クリス。遅いぞ」 だから憎らしさを込めて思わず、そう言ってしまった。 その後はクリスの毒舌が出て喧嘩になりかけたが、エルザに事情を説明する。 エルザは戸惑っていたが理解力が速いのか、すぐに納得してくれた。そして、改めての謝罪はサファード公爵家の当主と夫人・エルザの両親が来た時にすることに。 理解をしてくれても、許してくれないと思っていた。悪夢のように嫌われても仕方がない。でもエルザは自分を許してくれた。 憎まれ口を叩く息子を注意し、ハッキリと「レイヴァン様。私はあなたを許します」と、言ってくれたのだ。 その瞬間、救われたと思った。やっと……あの長い苦しみから解放される。 そう思ったら自然と涙が溢れてきた。
レイヴァンことは、気にすることなく、素早く着崩れした制服とズボンを直した。「私は、もう行く。次の授業までには来い」 それだけ言うと、そのまま研究室から出て行ってしまった。 エルザも何とか起き上がるが、乱れた制服と髪型。汗もかいており、あそこも垂れたままだ。「急がないと……」 エルザは、テーブルから起き上がると崩れた制服を直し、ハンカチで拭いた。 そして、そのままお手洗いに向かうと後処理をする。 しかし肝心な下着がダメになってしまった。汚れてベタベタ。 この時のために予備の下着を用意しているのだが、今日の日に限って忘れてしまった。仕方ない……恥ずかしいが穿かないでおこう。 エ
「だ、ダメです……あ、あん……まだ授業が……んあっ」 何とか抜いてもらおうとするが、レイヴァンはやめない。むしろさらに激しく動かしてきたのだ。そのたびに水音がして愛液が下着を濡らした。 頭が真っ白になり、涙が溢れてきた。するとエルザの体が輝き出した。「そんなに感じていたらおしおきにならないだろう。それよりもエルザ。そろそろマナを使って時間を止めろ」「……んんっ……あぁ」 その瞬間だった。周りの壁やテーブルなどが石のように変わり固くなる。 エルザは、レイヴァンの指示に従い世界の時間を止めた。これこそサファード一族の本来の力。 レイヴァンは、エルザをお姫様抱っこしてくると、長方形のテ
(突き落とす……? 何のことだろう?) 何故、エルザが彼女を階段から突き落とさないとならないのだろうか?「それは……どういう意味ですか?」 エルザは、意味が分からずに、聞き返そうとしたらレイナが覆い被さるようにレイヴァンに後ろから抱きついてきた。しかも泣きながら。「おやめください、レイヴァン様。私が悪いのです。婚約者が居ると分かっているのに、レイヴァン様と親しげにしているから、きっと嫉妬してあんなことを。咄嗟に手すりに掴まったから怪我もありませんでしたし」「しかし、もし手すりに掴まっていなかったら」 レイヴァンの言葉に涙をこぼすレイナ。「その時は……死んでいたかもしれませんわね」
アルセント帝国は、魔法国の中でも大きく騎士や魔導師の育成や商人の買付けなどが盛んなところだ。自然も豊かだと言われている。 アルセント皇族は、もっとも膨大なマナを持っており、権力と実力はトップクラス。それに続くのが貴族なのだが、この国の守護神であり、我がサファード公爵家は別格だった。サファード一族は、時の神・クロノスの加護を受けている。 その力は、時を止めるほど強力。代々サファード一族の血を引く女性が受け継がれてきた。 そのため皇族としても、その力を欲しがり血を受け継いだ女性との婚姻を申し込んできた。しかしサファード一族は、その力を手にした皇族の影響力を恐れ断り続けてきた。 皇族も公爵