LOGIN食事を終えた俺は、一人掛けのソファーに座り、寛いでいた。涼は俺のすぐ傍の畳に寝転んでいる。「畳って落ち着くね。俺ん家のアパートに和室はないから」「それをいうなら、俺のマンションにもないな」「司さんのマンションは、桁違いに豪華だからね」「でも、あの家に独りは寂しい時もある」そういいながら、俺は煙草を一本咥え、火をつけた。「俺も頂戴」「だめ」「なんで?」「身体に悪い」「司さんは吸ってるじゃん」「やめられなくなるから」「ふーん」すると、涼は起き上がり、俺と向き合った。そして俺が煙を吐いた時、涼は俺の唇にキスをした。「まずっ」「ははっ、だから言っただろ」俺は灰皿で煙草の火を消した。「こっち来る?」「うん、行く」涼は俺の膝の上に座った。俺は涼を後ろから抱き締めた。「司さん、くすぐったいよ」「ん?」「わざとでしょ」「うん」ずっとこのままで居られたら。そう思うくらいに、今、俺は満たされている。「ねぇ、司さん、家に帰ったら何したい?」「ゆっくり寝る」「なにそれ」涼が笑った。俺は思い切って涼に聞いてみることにした。「あのさ、前にも話したけど、俺のマンションに来ないか?」「ほんとにいいの?」「もちろん」俺が体調を崩す前、同棲の話はした。だが、俺の体調が落ち着くまではと思い、それから話さずにいた。「俺も司さんと一緒に住みたい。残りの休みのやること決まったね」「そうだな」「でも、俺、荷物少ないから、引っ越しすぐに終わりそう」「早く終わったら、引越し祝いしようか」「蕎麦食べるの?」「それもいいな。早めに涼のご両親にも挨拶にいかないと」「うちはいいよ」「さすがにそれは……」「分かった、なら今言う」「今!?」「そんなに驚かなくても大丈夫だよ」涼は机に置いてあるスマートフォンを手に取り、電話を掛けた。もちろん、その相手は……「もしもし、母さん。俺だけど、うん、元気だよ。今日は話したいことがあってさ。前に話しただろ?司さんのこと。一緒に住むことにしたから。うん、その報告。近いうちに、司さんと会いに行くね。ありがとう。母さんも、体調気をつけて。またね」涼は電話を切った。「これで大丈夫」「いいのか?」「うん。母さんには司さんとのこと話しててさ」「俺の休暇中に、ご挨拶に伺おうか」「そうだね。って、司さ
俺と涼は再び露天風呂に浸かっていた。「明日には帰らないとね」「そうだな」「あっという間だなぁ」涼が外を眺めながら呟いた。「また旅行しよう。二人で」「行く!次はどこがいいかな?司さんの行きたいところは?」「涼しいところ」「司さん、暑いの苦手?」「苦手」「海とか、プールは?」「却下」俺はきっぱりと答えた。「えー、司さんと夏らしいことしたいのに」涼の言葉で俺はふと、旅館の入口で見たポスターを思い出した。「花火」「ん?」「今夜、この近くで花火大会があるらしい」「ほんと!?」「ああ」「行く!行きたい!」涼は嬉しそうな顔で俺を見た。「分かったよ。行こうか」「やった!」涼は自分の気持ちに素直に生きている。そこが俺には羨ましくもあり、愛おしくもある。「司さん、のぼせた?」涼は心配そうに俺の顔を覗き込んだ。「大丈夫だよ」俺は涼に微笑み、額にそっとキスをした。「司さん/ずるい……//」「ははっ、先出るから」「え、キスして逃げる気?」「さぁな」涼と過ごす穏やかな時間は、俺にとって何にも代えがたいものだ。俺たちは、昼食の時間まで部屋でまったり過ごすことにした。「昼食は、部屋に運んでもらうか?」「うん、それがいい!」「分かった」早速、俺はその旨を受付に伝えるべく、部屋から電話を掛けた。「はい、その時間で。はい、よろしくお願い 致します」すると、涼が俺を見つめていた。「どうした?」「司さんは格好いいなと思って」「いつもと変わらないだろ?」「だから、何時も格好いいんだよ」涼は上目遣いで俺を見た。「こんなに格好よくて、優しい人が、俺の恋人だなんて未だに信じられないよ」やばい、可愛すぎる。ベッドでは俺を攻めまくるくせに、普段はこんなにも可愛い涼に俺は溺れっぱなしだ。「涼、俺に襲われたいの?」「襲えないくせに?」すると、涼は俺の首に腕を回した。「司さんは格好いいけど、あなたを抱くのは俺だから」涼は下唇を舌でペロッと舐めた。先程の可愛い涼は何処へ……「今夜も楽しみだね」涼は悪戯な笑みを浮かべた。コンコンコン……その時、部屋のドアをノックする音が聞こえた。俺は立ち上がり、ゆっくりとドアを開けた。「失礼致します。お食事をお持ちしました」「ありがとうございます」「お部屋までお運びしてもよろ
部屋に入ると、俺は涼を壁際に追い込みキスをした。「んん……/司さん、どうしたの?」「ぐっすり寝たら、したくなった」「まだ朝だよ?」「関係ない」俺はズボン越しに涼のモノを撫でた。「だめ、だよ……」涼の目付きが変わった。その目をみると身体の奥がぞくぞくする。俺はそっと涼の首筋に吸い付いた。「はぁ……あんまり煽らないでって昨日も言ったのに」「涼もやりたくなった?」「うん」俺達はお互いの服を脱がせながら、ベッドまできた。「涼、風呂は?」「あとでいい」涼は俺を見下ろすと、人差し指で上半身をなぞった。今、堪らなく涼が欲しい。「司さん、立ってるね。ここ」涼は俺の左の乳首を甘噛みした。「んん……//」俺の口から抑えきれず声が漏れた。追い討ちをかけるように、涼は乳首を親指と人差し指で強くつねった。「痛っ、それやだ//」「嫌なの?」「ん/」「じゃあ、やめる?」「やだ……//」「司さん、やだばっかり」「だって、涼が……//」「俺が何?」涼は俺の目を見て言った。俺は恥ずかしさのあまり目を逸らした。「こっち見て」「恥ずかしい//」「ねぇ、顔見せて?」俺は優しい涼の声に思わず顔を上げた。「やっと見てくれた」俺は涼の妖艶な表情に目を奪われた。早く涼に抱かれたい。俺の身体は疼き出した。「涼……//」「ん?」俺は涼を見つめた。「司さん、言わないと分からないよ?」焦らされる。それが余計に俺を興奮させた。何と言えば涼は俺に触れてくれるのだろうか?「触って……欲しい//」「可愛い、司さん」涼は俺の唇にキスをした。俺は更にキスを求め、涼の首に腕を回した。「好きだよ、司さん。これからも、俺だけを見ててね」「うん」俺は頷いた。「我慢できないの?」「ん/」「こっち来て?」涼は俺を自分の上に座らせた。「自分でやってみて。見ててあげるから」今日の涼は意地悪だ。だけど俺はいつも以上に興奮していた。自分の性癖に笑ってしまう。俺は自ら入り口を解し、腰を沈めた。「んああっ//んん……///」俺の口から声が漏れた。そんな俺を涼は瞬きもせずに見つめていた。「見ないで……//」「見て欲しいんでしょ?」「違う/」すると、涼は起き上がった。そして至近距離で俺を見つめた。「ふふっ、司さん、可愛いね」「可愛くない、んんっ
力尽きた俺は布団に倒れ込んだ。そんな俺を涼が優しく抱き締めた。「幸せ」「涼って、俺の髪撫でるの好きだよな」「うん、好き」「それ気持ちいい」「ならもっと撫でようか?」すると、涼は俺の髪をくしゃくしゃっとした。「おい、それは力強すぎ」「注文が多いなぁ」他愛ない会話をしながら、俺たちは笑い合った。涼の腕の中で、彼の体温を感じた。こんなにも幸せなことはない。俺は涼を見つめた。「ん?」「愛してる」「……ずるい/」「ははっ、顔赤いぞ」「司さんのせいだからね//」涼は俺の唇に何度もキスをした。「ちょっ、キスしすぎだ/」「仕返しだよ」俺も負けじと涼の首筋に吸い付いた。「んん……///」 「付いた」「司さんが痕付けるなんて珍しい//」「だめだったか?」「ううん、嬉しい」「それならもっと付けようかな」「ねぇってば、今日は寝よ」「分かったよ。仕方ないな」「司さんが寝ないならもう一回するけど?」「それは遠慮しておきます……」「遠慮しなくていいのに。司さん、こっち来て?」「ん」「俺も愛してる」涼は俺を優しく抱きしめ、額にそっとキスをした。____________「おーい、司さん起きて。朝だよ」「……まだ眠い」俺は布団を被った。「司さーん。隠れてないで出てきて。朝ごはん食べに行くよ」「……寒い」「もう!寝ぼけてないで。起きて」涼は俺から布団を剥いだ。「さむっ、無理。眠い」「司さんは朝が弱いよね。そういう所も可愛いけどさ」「俺は可愛くない。それより、布団返して」「嫌だ。また寝るでしょ?」「うん」「うん、じゃないよ」涼は俺の両手を引っ張り、布団に座らせた。「おはよ、司さん。寝癖ついてる」「直して」「いいよ。ついでに、顔も洗いに行こう。目が覚めるよ」「嫌だ、動きたくない」「ふふっ、久しぶりの駄々っ子だね。でも、可愛いから許すけど」涼は俺の頬にキスをすると、優しく微笑んだ。「司さん、朝ごはん食べに行こ」「ん……」俺は眠気眼を擦りながら、立ち上がった。「お腹空いてないの?」「空いた」「って言いながら、寝てるよ」「ん……起きてる」「でも、目開いてないよ?」「瞼が重いだけ」「それを寝てるって言うんだよ」「もう少しだけ。あと一分、いや、三分」俺は涼に抱きついた。涼の匂いと体温が心
「はぁ……気持ちいい」露天風呂のお湯加減は最高だった。疲れた身体を癒してくれる。貸切なので、気兼ねなく露天風呂を満喫できる。贅沢な時間だ。「涼、もっとこっち来たら?」「う、うん//」いつもなら涼の方から抱きついてくるのに今日は珍しい。俺の呼び掛けに涼は少しづつ距離をつめた。そして、手が届く距離に涼が来たところで、俺は彼の腕を掴んで、自分の方へと引き寄せた。「いつもと逆だな」「今だけね/」「そうなのか?」俺は涼の顔を覗き込んだ。すると、涼は俺の唇にそっとキスをした。「今日の司さんは格好良すぎてずるい」俺は思わず涼を強く抱き締めた。胸の奥から熱いものが込み上げてくる。「司さん?」「……しよ」俺はいつぶりかの言葉を呟いた。「いいの?司さん、体調は?」涼は振り返り、俺に尋ねた。「大丈夫」 「良かった。元気になって」「うん」 俺は涼の肩にそっと口付けした。「司さん、出ようか」「そうだな」涼は立ち上がり、俺に手を差し出した。「足元、滑りやすいから」「ありがとう」俺は涼の手を取った。涼は俺のことを格好いいと言ったが、彼の方こそ格好いい。そして、俺はそんな涼に心底惚れている。部屋に戻ると、俺は浴衣に着替えた。このあと、脱がされることは想定内だが、湯冷めをしたら元も子もない。「司さん、ここ座って」涼は俺を椅子に座らせると、ドライヤーで髪を乾かし始めた。休暇中はほぼ毎日、涼が俺の髪を乾かしてくれている。「髪、サラサラだね。白髪もないし」「おい、俺はまだ若い」「ははっ、そうだね~、まだ若いね~」「涼、俺をからかってる?」「だって、司さんが可愛いから」そういいながら、涼は俺に微笑んだ。この顔を見せられたら俺はなんでも許してしまう。「よし、乾いた」「ありがとう」すると涼は座ってる俺にキスをした。「司さんに、触れるのはいつぶりだろ?」「そんなにしてなかったか?」「うん。俺たちには珍しいくらいしてない」「その節は、心配かけて本当にごめんな」「ううん、司さんが元気ならいい」涼は座っている俺の手を取り、ベッドへと寝かした。「そんなに優しくしなくても俺は平気だぞ」「司さんが良くても俺が優しくしたいの」その言葉通り、涼は俺の頬に優しく触れた。そして、俺の目を見つめこう告げた。「愛してるよ、司さん。
「おはよ、涼。朝だぞ」「司さん、おはよう」「眠い?」「うん。でも起きないと」涼はゆっくりと起き上がり、伸びをした。「今日は楽しみだね」「そうだな」「たくさんゆっくりしようね」「ああ」「司さん、好き」「ん///」「照れてる、可愛い」「おい、からかうな/」「だって、本当の事だから。朝から愛を伝えてただけだよ」涼は楽しそうに笑った。一方、俺は涼のペースに振り回されっぱなしだ。たまには年上の威厳を示したいと思うのだが、涼の方が一枚上手で悔しい。「俺も好き」「ん?なに?」「だから俺も涼が好きだ/満足したなら、シャワー浴びてきて」「はーい」俺の告白を聞いた涼は、満足した様子で足取りも軽やかにバスルームへ向かった。____________「司さん、こっち」「ああ」「これ切符ね」「ありがとう」「ホームはあっちだから」「涼は電車に詳しいな」「俺、電車通学だから」俺は何年ぶりに電車に乗るだろう。ここ数年、移動は車に頼りっぱなしだ。「俺も学生の頃は、電車で通ってたわ」「司さんの学生時代ってどんな感じだったの?」「うーん……電車では読書してることが多かったな」「モテたでしょ?」「まぁ、否定はしない」「分かってても妬くわ」涼はわざとらしく言った。「涼だって、大学でモテるだろ?」「だとしても、司さん以外興味ないから」完璧な答えだ。真のモテ男は涼のことをいうのだろう。「司さん、電車来るって!急ごう!」涼は俺の手を握るとホームまで駆け出した。まるで学生に戻った気分だ。 たまにはそれもわるくない。「席空いててよかったね」「そうだな」俺と涼は並んで座った。今の時刻は午前10時。通勤通学ラッシュが落ち着いた頃なのだろう。俺が辺りを見回していると、涼が俺に問いかけた。「前から聞きたかったのだけど、司さんはスイートルームばっかり泊まるの?」「いや、ここぞって時に泊まる」「ふーん。なるほど」「なんだ?」「俺の時も?」涼は俺の耳元で囁いた。「おい///」「司さん、電車では静かにしないと」この確信犯め。俺は涼の顔を睨んだ。だが、そんなことは気にもとめない様子で、涼は俺に微笑みかけた。「楽しい旅行にしようね」「そうだな」「あとね、司さん。次の駅で降りるよ」「もう着くのか」「話してたらあっという間だった
涼と恋人関係になってから3日が過ぎた。しかし、涼からの連絡は一切ない。俺は、今日も圭のバーでひとり寂しく酒を煽っていた。「司、飲みすぎ」 「少しくらいいいだろ?明日休みだし」「そんな飲み方、司らしくないわ」そういうと、圭は俺からグラスを取り上げた。「おい、返せよ」「嫌よ。今の司に出すお酒はない」「なら帰る」「ね、司。友人として言わせてもらう。頭冷やしなさいよ」「分かったよ」俺はテーブルに1万円札を置くと、足早に店をあとにした。足がフラフラする。 頭もクラクラする。 真っ直ぐ歩けない。「あ、すみません」俺は通行人にぶつかった。「お兄さん、格好いいね。ひとり?」な
司さんと過ごした夜から1週間が過ぎた頃、俺はバーに顔を出した。そこには、圭ちゃんと談笑する司さんが居た。司さんにまた会えた。やはり俺と司さんはこうなる運命なのだろう。俺は目を閉じ、深呼吸をしてから店に足を踏み入れた。「いらっしゃい。涼くんじゃない。久しぶり」「こんばんは。来ちゃいました。司さんもお久しぶりです」俺はさりげなく司さんの隣に座った。相変わらず、綺麗な顔をしている。その司さんが快楽に溺れていた姿を思い出すと、身体中がゾクゾクした。早く司さんに触れたい。俺の欲望は疼いた。俺はそっと司さんに足を絡めた。誰にも見られない死角で触れ合うのは、それだけで気分が高揚した。司さんの頬が
俺が司さんを知ったのは大学の友人の話がきっかけだった。その友人は司さんに遊ばれたと俺に泣きついてきた。俺は、友人が泣くほど本気になった人に興味がわいた。そして、俺は教えてもらったゲイバーへ頻繁に通うようになった。ゲイバーに通い始めて、数ヶ月がたった頃、俺は初めて司さんと会った。第一印象は、〝綺麗なひと〟だった。吸い寄せられるような瞳、サラサラの黒髪、長い指、司さんの全てに俺は目が離せなかった。その日から俺は、司さん目当てでバーに通うようになった。その甲斐あって、バーのママの圭ちゃんとも親しくなった。圭ちゃんは、司さんの高校の同級生らしい。司さんも圭ちゃんの前では、本音を話しているように見
「どうぞ」俺は部屋のドアを開け、涼を招き入れた。「すごいっ、スイートルームってこうなんだ!」「このホテルは夜景が一望できるんだよ」 「夜景を見ながらするのもいいですね」そう来たか。想像したら身体が火照ってしまった。でもまだその時ではない。「涼、先にシャワー浴びておいで?」「だから、俺、そんなこと気にしないって言ったでしょ?」涼はニヤッと笑うと、俺をソファーに座らせた。「焦らしプレイですか?」「いや、そんなつもりは……」「なら早くズボン脱げよ」俺を見下ろす涼の視線が堪らない。俺は言われた通り、ベルトを外しズボンを脱いだ。「ははっ、パンツ越しでも分かるくらい大きくな







