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第1話(10)

Auteur: 北川とも
last update Date de publication: 2025-10-15 18:00:37

「んんっ、うっ、くうぅっ……ん」

 意識しないまま、内奥を押し開くようにして挿入される道具を締め付ける。異常な状況での異常な行為によって、次第に和彦の理性も危うくなっていた。このまま何もわからなくなれば楽かもしれないという、本能の逃避なのかもしれない。体が積極的に快感を貪りだしている。

「ううっ、うっ、うっ、ううっ――」

 捩じ込まれた道具が内奥深くで大胆に動き、さんざん掻き回されたあと、引き抜かれる。次に挿入されたのは指で、和彦は自分ではどうすることもできずに締め付けていた。

 指と道具で交互に内奥を犯されながら、欲望の高まりを忠実に表している熱く反り返ったものを扱かれ、胸の突起も執拗に弄られる。

 和彦は息を喘がせながら、何人の人間に体に触れられているのだろうかと頭の片隅で数えていた。ラテックスの手袋越しでは、同じ人間の手だと判断するのは不可能で、混乱してしまう。それに、さらに思考力を奪う事態になっていた。

「嫌、だ……。もう、やめろ……」

 弱々しく訴えたときにはもう遅く、両足を大きく開かされ、内奥を道具で突かれながら、和彦は半ば強引に高みへと押し上げられていた。ローションですでに濡れている下腹部に、自分が放った絶頂の証が飛び散る。

 今この瞬間なら、殺されても抵抗しないかもしれない――。

 ふっとそんなことを考えたとき、突然、目隠しが取り去られた。

 絶頂の余韻でぐったりとした和彦は、すぐには何が起こったのか呑み込めなかった。ただ、自分を見下ろしている男たちの姿を緩慢に見回してから、開いた両足の間にいる男に目を止める。

 あごにうっすらと残る細い傷跡が印象的な、精悍な顔立ちをした三十代半ばの男で、ワイシャツ姿だ。そのワイシャツの袖を捲り上げ、手にはラテックス手袋をしているのを見て、和彦は納得した。自分の内奥を指と道具で犯していたのは、この男なのだ。

 次の瞬間、和彦はおそろしいものを見て目を見開く。男の隣に、もう一人男が立っており、手にはビデオカメラを持っていた。何を撮っていたか、考えるまでもない。道具はまだ、和彦の内奥深くに収まったままで、淫らにうねり続けている。それを内奥は懸命に締め付けており、その様子を男たちに晒しているのだ。

 ずっと和彦の両足を背後から抱え上げ続けていた男の顔も、振り返って確認してから、改めて自分が置かれた状況に混乱する。

「――どっちなのかと思っていたが、尻にそんなおもちゃを突っ込まれてよがりまくっている姿を見ていると、入れられるほうが専門らしいな」

 腹にズンと響くようなバリトンが、声に似つかわしくない卑猥な言葉を紡ぐ。和彦の死角に立っていたらしく、重々しい足音がして、ようやく和彦はバリトンの声の主を見ることができた。それは一方で、和彦の痴態も見られるということでもある。

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