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禁忌

Author: エチカ
last update publish date: 2026-06-13 20:51:53

 公爵達が別荘を去って一週間後、ミレーとオルタナも王都へ戻る。

 戻る前にはミレーに頼んで別荘裏の森へ入る時間を貰い、薬草を摘んで荷袋に入れた。

 調薬する時間はなかったけれど、王都へ行けばウケイがいる。

 何かの役に立つかもしれない、と出来る限り使えそうな物を摘んで来た。

 戻る道中も馬車の中で貴族達の名前と派閥を頭に入れる講義が続き、言葉遣いの練習も追加され、アリアンロッド街道の道中にある宿を転々としながら王都へ戻る。

 発情していないとは言え、ミレーは婚約中の女性でしかもαだ。

 部屋を別にして欲しかったが、そう言うわけにはいかないらしかった。

「大丈夫よ、オルタナ。ラチア様からこれを貰っているから」

 そう言ってミレーは香水瓶の様なものを取り出した。

「何ですか? ソレ……」

「Ωの匂いが分からなくなる香水らしいわ」

「分からなくなる……?」

「ラチア様の周りってαばっかりで不思議だと思った事ない?」

「あります」

「あれって、これがあるから可能なんだってさ」

「なるほど……」

 そう言ってオルタナは香水瓶の蓋を開け、くん、と匂いを嗅いでみる。

「……⁉ これ、種芥子使っ……
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  • 魔女ドーラの孫(仮)   アウルム地方 Ⅳ

     ミレー中尉に至ってはヴィンス・サリバン公爵閣下の番がどうお得なのかを延々と語って来る始末。 結局、番の話は有耶無耶になったが、この日を境にノエルやミレーとも普通に会話出来るようになった。 庭の方から子供の笑い声が聞こえて、オルタナは不思議に思い二階の私室の窓から顔を出す。 広く美しい庭園のガゼボで、ミレーと少女が笑い合っている。 少女は下級貴族の様な質素な装いで、傍には見た事のない中年の髪のない下男らしき男が侍っているが、少女の髪は鴉の濡羽の様な美しい黒髪だ。 あんな黒髪を持つ少女が下級貴族

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