All Chapters of 裏庭が裏ダンジョンでした: Chapter 81 - Chapter 88

88 Chapters

決闘するなよ、俺以外のヤツと 4

「それでだ、闘技場は大きくわけて3種類の試合がある。1つは木刀を使って魔法の使用は禁止の、通称『子供の喧嘩』って言われてる試合形式だ」 全員がアシノの話を聞きながら歩く、ルーは知っているらしく少し退屈そうだったが。「次が武器の使用が認められているが、魔法は禁止の試合。これは剣士の試合だな。そして、武器も魔法も何でもアリの試合だ」「つくづく思うけどさー、闘技場って魔術師に不利よねー」「魔法のみの試合や団体戦もあるが、この辺じゃあまりメジャーじゃないからな」 なるほどと全員が理解したと同時に闘技場へ着いた。アシノが入場料を払って皆で観客席に座る。「ちょうど試合が始まる頃だな。午前中だから木刀の試合だ」 木刀の試合はあまり人気が無いらしく、観客席はまばらだった。 ファンファーレが鳴ると北と南の門が開き、防具を身にまとい、木刀を手にした男がそれぞれ入ってきた。 闘技場の中央の審判の近くまで歩き、木刀を構える。 すると審判が天に上げた手を振り下ろした。これが試合開始の合図だ。 大声で叫んで男が突っ込むと相手は斜めに木刀を構えて受け止めようとするが、叩きつけるように降ろされた木刀に体が持っていかれてよろめく。 そのスキを逃さずに…… 行くものだと思ったが、2人は距離を取ってにらみ合いになる。その後もカツンカツンと迫力のない攻防を繰り広げていく。「あの、何ていうか……」 苦笑いをしてユモトは言った。「まー、宿場町の小さい闘技場で、しかも木刀の試合っつったらこんなもんだな」 あくびをしてアシノは言う。「ひょうよ、これふぁひょひんひゃのふぁふぁふぁいよ!」 ルーの姿が見えないと思っていたら売店で買ったケバブを頬張っていた。「汚えから食いながら喋んな!!」「んっ、ちゃんと皆の分も買ってきたわよ」「あ、ありがとうございます」 ユモトは受け取り礼を言った。ムツヤ達もそれと同じ様に受け取る。「んー、これ美味しいでずね!!」「でしょー?」「確かに、食べたことのない味ですが美味しいです」 皆、試合のことはそっちのけでケバブに夢中になっていた。「って、飯食いに来たんじゃないんだぞ!」「あれー? ケバブ食べながら言っても全然説得力無いんですけど?」 ルーに指摘されアシノは少し赤面する。「いや、お前が買ってくるのが悪い!」「何よその言い方
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偽装ランデブー大作戦 1

 ムツヤの闘技場での戦いが終わり、夜が明けて朝になる。 ユモトはこの世の終わりみたいな顔をしてガタガタ震えているが、ルーはニコニコ笑顔だった。「ダイジョーブダイジョーブ。私達もずっと後を付けて見てるから!」「ルーさん楽しんでません?」 ユモトがムスッとして言うとルーは視線をそらす。「ソンナコトナイヨー」 あ、絶対楽しんでるなと皆が思った。 ユモトが待ち合わせの場所に向かうとタノベの姿があったが、隠れて眺めているルー達はその姿を見て驚愕した。「え、何あの格好……」 珍しくルーが引いている。タノベはダメージ加工が施されたボロボロのズボンに白のインナーと青いジャケットを羽織っていた。「何あれ、何なの? 何か戦いでもあったの? 何であんなボロボロなの!?」「あー、アレは王都で流行ってる、わざとズボンをボロボロに加工した奴だ」 アシノが言うとルーは信じられないといった声を出す。「何でそんなのが流行ってるの!? 意味わからないんですけど!!」「えー? カッコよくないですか?」 ムツヤが言うとモモが「えっ」と言って振り返る。「あれはだな。男はカッコいいと思って履くらしいが、女受けは物凄く悪い不思議な服だ」「あれが…… カッコいいのですか?」「私にも良さは分からんが」 モモは絶対ムツヤには履かせないと誓っていた。その横でルーは腕を組んで何かを考え出した。「んー、でもユモトちゃんは男だし、ある意味正解? いやでもデートでアレは清潔感が…… あーもう頭がこんがらがってきた!!」 ユモトはタノベの元へ小走りで行く。「すいません、待たせちゃいましたか?」「いえ、俺も今来たばっかりの所です」 タノベは笑顔で答える。実は1時間以上前から待っていたことは誰も知らない。「えっと、その、今日はよろしくおねがいしますね!」 ユモトがはにかんで言うとタノベはドキッとしながら返事をする。「いえ、こちらこそ」「真面目か! 二人共真面目か!!」 ルーは隠れながらツッコミを入れていた。「と、とりあえず、その、お茶でも飲みながらお話をしませんか?」「そ、そうですね、良いですね!」 ギクシャクしている男2人を見てルーはモヤモヤしている。アシノは興味無さそうに腕を組んで見ていた。 タノベとユモトは身長差があり、歩幅も違う。今はタノベの歩みにユモトが無
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偽装ランデブー大作戦 2

 ユモトとタノベは店に入る前に言っていた通りモンブランケーキと紅茶を注文していた。「あ、あの、わ、私達も何か注文をしましょうか?」「そうですね、モモさんはモンブランが良いんでしたっけ?」「そ、そうですね!」 店の雰囲気と目の前にムツヤが座っていることにモモはソワソワと落ち着かずにいる。「それじゃあ俺も一緒で良いかな」 テーブルに置かれた連絡石に触れると店員がやってきた。ムツヤはモンブランケーキと紅茶を注文する。「そういえばモモさんと2人きりで食事をするのって久しぶりですね」「そうですね!」 モモは短い言葉でしか受け答えが出来なくなっていた。「初めて一緒に冒険者ギルドで食べたペペカグ美味しかったなー」 そんな事まで覚えているんだと何だかモモは嬉しくなった。「そうでしたね、何だかつい最近のような、ずっと昔の事のような、不思議な感覚です」「いろんな事がありましたからねー」 と、ここでモモは気付く。自分達のやるべきことはタノベの監視であり、おしゃれな喫茶店でムツヤ殿とお茶をすることではないと。「っと、ムツヤ殿、ユモトがどうなっているか見ておかなくては」「あーそうでしたね」 2人はユモトのテーブルに聞き耳を立てた。楽しそうなお喋りが聞こえる。「僕、こんなおしゃれな喫茶店に来たの初めてかもしれません」「そうですか、ならば来てよかったです」「はい、ありがとうございます!」 そう言ってユモトは笑顔を見せる。眩しくてタノベは直視できずに視線をそらしてしまった。「何かいい雰囲気ですね」 モモは見て言った。その光景は、店内にいる誰もが男2人でお茶を飲んでいるだなんて見抜けないだろう。「あ、えっと、そ、外、晴れてよかったですね」 タノベは2人きりになった緊張からかガタガタと震えている。バイブレーションタノベだ。「そうですね、気持ちの良い天気です」 視線を外に向けながら柔らかくユモトは微笑む。その時ちょうどユモト達2人の席に紅茶とケーキが届く。「うわぁー、美味しそう!」 目をキラキラと輝かせて言う。タノベはそんなユモトを眺めていた。「それじゃ頂きましょうか」「はい、いただきます!」 ユモトは紅茶を1口飲んでからモンブランケーキを食べる。口の中に広がる甘みと栗の風味で幸せな気分になった。「このケーキ、とても美味しいです!」「
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因縁 1

 ムツヤ達一行は宿場街を出て次なる街へと向かう。キエーウに対抗するため、探知盤の石をスーナの街を中心にして時計回りに埋めていく為だ。「あの街はさっさと出るつもりだったが、思わぬ足止めを食らったな」「すみません、僕のせいで……」 アシノが言うとユモトは身を縮こませて申し訳無さそうにした。「いや、だいたいはムツヤのせいだ」「すみません……」 今度はムツヤがペコペコ謝っていた。しかしアシノは口ではそう言っているが実際の所あまり怒ってはいない。 みんな心身共に疲労が溜まっていたので、しっかりとした宿で休む事は必要なことだった。「次はクロースという村だ」 アシノが言うとモモは浮かない顔をした。ルーはそれに気付いて言葉をかける。「クロースはエルフが多い村だけど、あそこのエルフは他の種族にも友好的だから心配しなくても大丈夫よ! 多分」「いえ、大丈夫です」 モモは短く返事をした。ムツヤは何のことか分からなかったので首を傾げている。「オークとエルフは昔から何かと因縁があるんだ」「そうなんですか」 ムツヤはアシノに説明をされてもいまいちピンと来ない。「まぁ、何百年も前の話だ。つってもエルフは長命だから生きている間に争いを経験した奴もいるかもしれんが」「もう平等宣言がされてから100年も経つのよ? 大丈夫よ」 この時、ムツヤ達はまた大きな争いに巻き込まれることを知らずにいた。 半日ほど歩いてムツヤ達はエルフの多い村であるクロースに着いた。入り口のエルフの衛兵に呼び止められて身分証を見せる。 モモは自分の番になった時少し緊張したが、特に嫌な顔もされずに村へ通された。 それよりむしろアシノの身分を知って衛兵は驚いていた。「俺、エルフの人って初めで見だがもしれません」 ムツヤが少し興奮気味に言うとアシノは説明をしてやる。「あぁ、エルフはあまり生まれ故郷を離れることはしないからな」 ムツヤはお得意の千里眼を使ってそこら中のエルフを眺めていた。そして疑問を持つ。「エルフの人って耳が長い人ばかりだと思っていたんですけど、そうじゃない人もいるんですね」「エルフは耳が長いものだってイメージがあるけど、意外と人間と同じ様な耳と長い耳が半々ぐらいなのよ」 ムツヤは「へぇー」と言って歩き続ける。宿屋を見つけてそこへ立ち寄った。「いらっしゃいませー」
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因縁 2

 トッピングはトマトやトウモロコシ等見覚えのある野菜たちだったが、珍しい葉っぱが下に盛られているサラダが前菜として出てきた。「それじゃあ、いただきまーす」 ルーが言うと共にそれぞれ食事前の祈りを行った。 口に入れて噛むと野菜たちの甘みが広がり、少し酸味のあるドレッシングとよく合った味だ。 そして、珍しい葉っぱは薄いのにシャキシャキとした歯ごたえがあり、食べ心地が良い。「んー、おいしー!! なんて葉っぱか知らないけど!」「本当、おいしいですね」 ユモトも食べて驚いていた。ルーは共に運ばれてきた赤ワインに手をのばす。「うーん、ワインもやっぱり美味しい!」 他の皆も真似してワイングラスを手に取る。深みとコクがあるのに飲みやすく、変な癖が無い。フルーティなワインだった。「エルフって長命だから、ワイン造りを極めた人の年代物のワインがお手頃価格で飲めるのよ」「なるほど、エルフのワインが有名なわけですね」 モモは感心して言った。こればかりは他の種族には中々真似できないだろう。 そんな中次々と料理が運ばれてくる。「お待たせいたしました、本日のスープでございます」 琥珀色に輝くスープには、さいの目状に切られた野菜と肉が入っている。「スゲー!! どんなスープなんですか?」「本日は山で取れた鹿やイノシシの骨を香味野菜と共に煮込み、それで作ったブイヨンを使用したスープでございます」 一口飲むと旨味が口の中に広がる。飲めば飲むほどお腹が空くようなスープだった。 ムツヤ達が前菜を堪能してしばらくするとメインディッシュ達が運ばれてくる。「お待たせいたしました、鴨肉のソテーと森のキノコのパスタでございます」 大皿にいい香りのする料理が運ばれてくる。ユモトはなれた手付きでパスタを皆に取り分けた。「鴨肉おいしー! やっぱりこの味は野生じゃないと出せないわね!」 噛むほどに味が滲み出る鴨肉と酸味と甘みのあるソースが口の中で幸せのハーモニーを奏でる。「このキノコ、歯ごたえが独特で美味しいですね」 ユモトは森のキノコのパスタが気に入ったらしい。キノコの香りがパスタにも移り、食べるとその香りが鼻から抜けていく。 ムツヤ達はワインと料理を堪能していた。そして腹も膨れた頃にデザートが来る。「こちら森の果実のシロップ漬けでございます」 透明なシロップの中に色
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召喚術師と枯れ葉の少女

 5体いる水の精霊がエルフへ襲いかかるが、矢で射抜かれパシャパシャと水へ帰る。 その間を縫ってヨーリィが飛びかかり、ナイフで弓の弦をピンと切り裂く。それはしなって細長い棒へと変わり、武器としての役目を終えた。「モモ、2人に任せて逃げるぞ」 アシノが小声でモモへ伝える。「ですがっ!!」「武器もない私達が居ても出来ることは何もない。外へ出て武器かムツヤを探すぞ」 2人の仲間を見捨てるようで心苦しかったが、モモはアシノの後を付いて窓から外へ出た。 その後ろでは短剣でエルフの男がヨーリィに斬りかかっていた。先を丸めた木の杭を手に投げつけ当てると、痛さで思わずエルフは短剣を落とした。「やるわね、ヨーリィちゃん。私の出番は無いかしら?」 時間を掛け、より強力な水の精霊をルーは召喚した。そして風呂場のお湯を吸い込みあげて発射させる。 水鉄砲を喰らい、エルフ達は怯んでいた。態勢を崩して倒れる者もいる。 先頭に居たエルフの娘カノイも両手を前に出して水から身を守っていた。 ヨーリィは致命傷を与えるためにカノイの元へと走る。それを察したルーが言う。「ヨーリィちゃん、駄目!!!」 ナイフは首元でピタリと止まった。そしてヨーリィは後ろを振り返る。「今のうちに逃げるわよ!!」 ヨーリィは質問をするでもなくコクリとただ頷いてルーと共に窓から外へ脱出した。 モモとアシノは体にタオルを巻きつけて宿の外を走った。素足のため地面の石が痛いが、そんな事を気にしている場合ではない。 隣の男湯へと向かうとムツヤとユモトが居た。アシノはガラスをドンドンと叩く。近くで体を洗っていた宿泊客がそれに気づいた。「ち、痴女だー!!!!」「違うわ!!!」 叫びに気付いてムツヤとユモトは振り返る。「え、アシノさん!? も、モモさん!?」「早く開けてくれ、エルフ達の様子がおかしいんだ!!」 ユモトは急いで駆け寄り窓を開ける。それと同時に男湯の入り口に見覚えのある人間がやってきた。「あらぁん、やだわん、男湯なのに女がいるじゃない」 以前ムツヤ達を襲撃したオカマであり、キエーウの一員ウトナだ。「お、オカマだー!!!!」「うるさいわね、ちょっと眠ってなさいあんた!」 ウトナは杖から催眠魔法を放ち、宿泊客を眠らせた。「またお前たちの仕業か」 しかし、おかしいとアシノは思っ
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カバン奪還作戦 1

「待てルー!! カバンがアイツ等の手に渡ったらどうなるか分かってんのか!?」 アシノに咎められたルーだったが、ナイフを突きつけられているエルフを見て他の方法を考えてみても代案が無い。「ムツヤ、走ってアイツを倒せないか?」「やだわぁん、ひそひそ話なんて。ちょっとでも変な動きをしてみなさい。この子は死ぬわ」 ムツヤ達はキエーウの連中を睨みながら立ち尽くすことしか出来なかった。「ほら、カバンをこっちに投げなさい」 ムツヤは苦い顔をしながらバッグを肩から下ろして放り投げた。キエーウのメンバーがそれを拾って立ち去っていく。「カバンは渡したわよ。開放しなさい!!」「駄目よ、もうちょっと遠くに逃げるまで待っていて貰うわ」 すぐに追いかけてカバンを取り戻せたらという甘い考えは打ち砕かれた。「ただ待っているってのも暇ね、お喋りでもしましょうか?」 ウトナはそう言ってムツヤを見る。「お前なんかと話すことはない!!」「あらぁん、釣れないわぁん。でもね、聞いてくれるだけで良いのよ?」 そして勝手に話し始めた。「エルフは長命だから無駄に知識をもっているわ。そして自分達が1番賢い種族だと思い他の種族を見下すの。それはさっきわかったでしょう?」「それを言ったらあなた達こそ何なの? 人間が1番だと、おごり高ぶって、そんな変な仮面まで付けて」 ウトナの言葉にルーは言い返した。「他種族が居るからこんな争いが起こるのよ? 人間が選んだ者以外きれいサッパリ殺しちゃえば、今こんな争いも起きてないわ」「お前らはつくづく1か0かでしかモノを考えられないんだな。人間同士でも争いも戦争も起こるし、他種族とも分かり合うことができる」 今度はアシノが言い返すが、ウトナは鼻で笑った。「まぁいいわ、あなた達とお喋りしても無駄みたいね。それじゃこの子は返してあげる」 宿屋の夫妻が安堵した次の瞬間だった。ウトナは短剣をカノイの背中に突き立て、一気に押し込んだ。
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カバン奪還作戦 2

「今の私達では裏の道具持ちと戦うのは危険だ。ムツヤとの合流、カバンの奪還が最優先だ」「そうねー、1人1人で戦っても負けるのが目に見えてるし」 モモがぼんやりとしている事に気付いてアシノが言う。「モモ、お前が居なければ私達は死んでいたかもしれない。感謝する」 それからアシノは頭を軽く下げて続けた。「それと嫌な役目を任せてしまってすまない。気持ちはわかるが、今はムツヤと合流する事だけを考えてくれ」 モモはパンっと自分の顔を叩いてから返事をした。「はい、急ぎましょう」 アシノは死んだキエーウの男に片手で素早く祈りをした。モモもそれに習い、皆は先を急いだ。 恐らくエルフの村から一直線に、一番遠くにある反応がカバンだろう。それを倍以上のスピードで追いかけている点がムツヤのはずだ。 ムツヤは今、魔剣ムゲンジゴクのレプリカしか持っていない。 しかし、サズァンから貰ったネックレスと裏の連絡石のおかげで反応が分かる。「ギルス、ムツヤと繋いでくれ!」「分かった、ちょっと待ってろ」 走りながらアシノはギルスに連絡を入れた。しばらくしてムツヤの声が聞こえてくる。「アシノさんでずか!? 今カバンを持ってる奴を追いかけているんですが、他に道具を持っていった奴もいて!」「ムツヤ、お前はカバンを取り戻すことだけ考えて走れ!」「わがりまじだ!」 ムツヤとの連絡が終わり、石を仕舞おうとした時にちょっと待ってくれとギルスの声がした。「おい、何人か引き返してきているぞ!」「僕たちを、倒しに来たんですかね……」 ユモトの予想は当たっているかわからない。しかし反応が向かう先を見て答えが分かってしまった。「っ!! そうか、エルフ亜人だから!!」 ルーの言う通りだ。裏の道具の反応がエルフの村へと近付いて行っている。「道具の試し打ちにはもってこいって所か、私達も引き返すぞ!」 アシノの号令
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