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151 Chapters

復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 02

 「初めまして。わたくし、こういう者です」 アッシュグレーのかつらを装着し、深いグリーンのコンタクトを着けた金さんがふたりに名刺を差し出した。見るからに別人である。声色も若干変えている。変装の名人だなぁ。 ”なんでも売買屋” 営業 千時 銀也(せんじぎんや) という偽名の名刺だ。場所はGPSで既に知られているため、店の名前だけは同じにしておいた。「この度はせっかくのプレゼントにご購入いただいた品に不備があり、大変申し訳ございません。至急取り替えさせていただきます」 金さんは新しい時計を持ってきて、前のものと交換してくれた。 義父はしきりに礼を言い、麻雀サークルへ出かけて行った。ふふ、これはしっかりリサーチ済。義母がひとりになるこの時を狙っていた!!「あの…失礼ですが、水谷佐千恵(みずたにさちえ)さんではありませんか?」 外商マンに扮した金さんが言った。どこからどうみても小売りの人だ。黒いスーツに眼鏡、爽やかに見えるが時折鋭い行商人の顔をする。 水谷佐千恵とは、単なる偽名。彼の親戚の叔母に似ているという設定を利用し、義母の懐に入り込む作戦だ。「いえ、違います」 さすがの義母も他人がいるから私をいびってこない。「そうですか…奥様があまりにお綺麗で、叔母に似ていたのでつい声をかけてしまいました。不愉快でしたよね、すみません」 綺麗というワードにしっかり反応する義母。実の息子を溺愛するキモイおばさんは、恐らく他の人から褒められることはないのだろう。しっかり過剰に反応している。 「不愉快なんてとんでもない。その…叔母さんに私が似ているというのですか?」「はい。美しいお顔立ちなどがそっくりです。子供のころから可愛がってもらっていました。僕の母は忙しく、彼女が母親代わりだったのです。実は彼女はもう亡くなっていて…まさかとは思ったのですが」「そうだったのですね」「これもなにかの縁です。商品にまた不具合が出てはい
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復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 03

「無料で差し上げますので、ぜひ味や効き目のご感想をいただけると幸いです」 栄養ドリンクを受け取った義母は、なんの疑いもなくそれを口内に流し込んだ。「あら、意外に美味しいわね」「ほんとうですか? ビタミン成分を多く配合し、飲みやすさを重視したもので――」 金さんがうんちくを語っていると、義母の体がぐらりと傾いた。「よっと」 金さんがナイスキャッチで彼女の体を支えた。頬をつついてみるが、まったくの無反応。「よし、寝た」「即効性抜群ですね」「なんせ”眠り姫”って名前のドリンクだからな」 目覚めじゃなくて寝かせる方なのね。「さあ、仕掛けるぞ」「ラジャ」 眠らせた義母をソファーに横たえ、私たちは盗聴器を仕掛けにかかった。監視カメラ、盗聴器、ありとあらゆるものを仕込んだ。もちろん、彼女には見つからないように巧妙に。機材はぜんぶ金さんが用意してくれた。 代金やレンタル代は請求されなかったので、一安心だ。「ひととおり終わったな」「はい。ありがとうございます!」「よし、起こして帰るか」 金さんは鞄から別の粉を取り出し、義母の鼻に向かってサラサラとそれを振りかけた。「ふぁ…ふぁくしょん!!」 今のってもしかして胡椒…?「くしゃん、くしゃん!」 くしゃみを連発している。それにしても醜い顔だ。 「大丈夫でしょうか? アレルギーでもおありですか?」 しれっと聞く金さんに拍手。「おかしいわね。別になにもアレルギーはないのだけれど…」「そういった心配がないなら安心しました。それより、すっかりお邪魔してしまいました。あなたのような美しい方とのおしゃべりの時間は、大変楽しくあっという間に過ぎてしまいます。また次も楽しいひと時をお願いします」 甘く囁くように言う金さんの言葉に有頂天に
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復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 04

 はりきってご馳走を作り、戦友を待つ。しかし彼女たちが現れる前に丹治さんが帰ってきた。早!「おかえり。早かったね」「芽衣の大事な友達が来るんだから当然だろう」 いつもは嫌な顔するくせに。多分リオリオだけだったら文句言ってるんだろうね。「ありがとう丹治さん」 とにかく持ち上げておけばあなたは満足なんでしょ。 そのうち天誅が訪れるのは決定事項。せいぜい今のうちにこの世の空気を楽しんでおきなさい。「なあ、聖子さんって何歳くらいの女性なんだ?」「多分アラサーくらいだと思うけど、そういえば詳しい年齢って聞いたことないなぁ」「そうか」 他にもいろいろ質問された。どこに住んでいるか、好きなタイプ、好みのデザートなど。 まとめて本人に聞いてと言っておいた。私の時と態度が全然違うことに腹が立つ。「聖子さんはまだ来ないのか」「約束の時間になってないよ」「もう10分くらい経っただろう」「まだだって」 こんな不毛なやり取りを繰り返していると、ようやく約束の時間となり、インタフォンが鳴らされた。 私よりも素早くインターフォンにかじりつくように対応する丹治さん。 誰のお客様だと思っているのかしら。滑稽で笑える。「こんばんは」――ホクト(セイコ)とリオナが現れた!「すみません、お邪魔してしまって」「いえいえっ。狭いとこですがどうぞどうぞ」 張り切ってスリッパを並べている。いつも高圧的なあの人が、なにあの姿。笑いしかないよ。 それから丹治さんは、やれ飲めやれ食べろと聖子さんを占領して上機嫌だった。ふたりきりにする作戦で私はリオリオと一緒にわざとお酒を切らせ、買いに家を出た。 近くの公園のベンチを占領し、リオリオと一緒に監視カメラの動画を自分のスマートフォンで見る。さぁてどんな感じかな……?『聖子さんってほんとお綺麗ですね』 おー、や
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復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 05

 『今度、僕とふたりだけで会ってください。やましいことはしませんから。ぜったいに』『ほんとうですか? でも、芽衣さんに申しわけないわ…』『いいんですよあんなやつ。すぐにでも離婚しますから! 待っていてください』『信じてもいいのですね?』『もちろん!』『でしたら、芽衣さんには慰謝料払ってくださいね。ひどいことをするのですから。こう見えてもうちの祖母が地主で、いくつも不動産を持っているんです。だから先に芽衣さんへの慰謝料を丹治さんが立て替えてくれたら、うまくいきます。私と結婚すれば、すぐお金はお返しできるので』 妖艶に丹治さんの胸元に指先をつぅーっと這わせる聖子さん。わー、色っぽい。『わかりました。約束しましょう!』『貯金はいくらくらいあるのですか? 聞けば丹治さんが全て預かっているとか』『夫婦共有財産として、彼女から預かった分は300万円、僕の資産としては800万円ほどあります』 そんなに貯め込んでいたんだ……!『じゃあ、すぐに芽衣さんにひとまず300万は返して。夫婦の財産は400万円ほどは芽衣さんに渡って、慰謝料はマックスの300万円ね。マンションはどちらの名義?』『僕です』『賃貸?』『そうです。子供ができたらマイホームを買おうと、貯金を頑張っていました』 必要最低限しかくれなかったし、貯金頑張っていた割には額少ないよ。自分で使い込んでいたね、これは。『お金の流れ、見せてくれる?』『はい、もちろんです』 もう彼女のいいなりだ。聖子さんのことを微塵も疑っていない。バカなの?  丹治さんは聖子さんに通帳を見せた。『このお金の流れは?』『生活費で都度あいつに渡しています。金銭管理がずさんだから僕が預かっていました』 ずさんどころか、私の節約術見せてやりたいよ(怒)。『そうなの。ひどいのね、芽衣さんって。信じられないわ』『でしょ
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復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 07

 たった1、2時間喋っただけで、なにが運命よ。そんな運命、作り物に決まってるでしょ。 恋愛ゲームでも、会って1時間で攻略できるヒロインなんかいないっての!「ほんとに悪いと思ってる。だからこれ」 すっと彼から差し出された。「預かっていた芽衣の通帳だ。マイホームのために貯金しようと思って置いておいたものだ。返すよ」「これは私が独身時代から一生懸命貯めたものだよ。丹治さんが預かってくれるって言うから預けただけで…」「わかってる。聖子にも言われた」 聖子呼び~(笑) 距離縮めたつもりでいるんでしょうね。ああもうおかしくて笑い出しそうなんですが! これ以上私を笑わせないで~!「そんな短時間で好きになったり運命を感じるものなの!? 信じられないよっ…私との結婚生活はなんだったのぉっ」 大げさに泣いた。丹治さんを信じていたのに、愛していたのに、を連呼しながら。「ごめんよ芽衣…許してくれ」 なぜか丹治さんも泣いていた。なんでアンタが泣くのよまじでキモいなぁ。「聖子と運命を感じて愛してしまったんだ。彼女も芽衣に申しわけないって言っていて……」「そんなにまでふたりの愛は固いの?」「そうだ」 きっぱり言い切る丹治さん。ただただキモイ。「わかった……ううっ、辛いけれど…離婚に応じます……」「ほんとうか!?」「でも、ひとりでやっていけるか不安で…今までは丹治さんが私をきちんと養ってくれていたから生活が成り立っていたけれど…先立つものもないし……」「大丈夫。こちら側の不貞なんだ。夫婦の財産として貯金の半分は芽衣に渡すし、きちんと慰謝料は払う。だから無駄遣いしなければ当面はやっていけるはずだ」「わかった…いくらくらい支払ってくれるの?」「僕の貯金が8
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復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 06

  「こんなこと言ったら悪いけど、メイリンの旦那さん……アホ?」「うん、アホだね」 ここは公園のベンチ。リオリオと夫の様子を見ているのだ。画面の向こうで鼻を伸ばしている夫のことを見て、ふたりで選評した。「さあ、これで夫の方は聖子さんにまっしぐらだから、あとは円満離婚して、聖子さんに地獄へ堕としてもらえばいいよね」「そうだね。リオリオも協力してくれてありがとう」「私なにもしてない」「存在が癒し♡」 リオリオは可愛いし、いてくれるだけで癒されるから、ヒール効果があると思う。「とにかくメイリンに酷いことしたんだから、このアホ旦那は地獄行きだね。さあ、そろそろ戻ろうか」 コンビニでお酒を適当に買って家に戻った。暫く談笑したのち、彼女たちは揃って帰っていった。片づけをしていると、神妙な顔で「話がある」と夫に言われた。これ、離婚話かな?  ソファーに座るように言われたので、そのとおりにした。彼は神妙な面持ちで私を見つめている。こんな顔をした夫を見るのは久々だ。「突然で悪い。芽衣…離婚して欲しいんだ」「り……こん……?」 うっそ、やだ、ほんとに言ったよこの人!!  笑いを堪えるのに必死でぷるぷる震えてしまった。すると勘違いした夫はさらに優しい口調で私に言ってきた。「突然で驚くのは当然だよな。ごめん…傷つけるようなことを言ってほんとにごめん。君を嫌いになったわけじゃないんだ」 じゃあなんだよ、と言いたくなるのをぐっと我慢した。これからの未来を想像すると嬉し涙があふれる。もうこの夫に関わるのも嫌だし、義母なんてもっとまっぴらごめん!「どうしてなの?」 満場一致で離婚となれば、慰謝料もらえないからそれは困ると思い、”私は別れたくないが仕方なく身を引くわオヨヨ”作戦でいくことにする。  「至らないところがあったのなら直すわ。私は丹治さんと別れたくない」 うそだけど!  ほんとは死ぬほど別れたいでーす!「そうだよな……急にごめん」
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復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 02

 「こっちは急な離婚に応じさせられて、でも、慰謝料ちゃんともらったから、あっけなく終わったよ」『ひとりで頑張ったんだな。お疲れさん』 金さんのねぎらいの言葉が嬉しい。胸にしみる。「ありがとう金さん。義母のことよろしくお願いします。あ、もう義母じゃないや」『ババアでいいんじゃないか?』「ふふっ。そうね」『聖子はどういう予定で動いているんだ?』「今日、すぐにでも自宅に来るみたいよ」『なにか策がありそうだな…よし、濡れ場実行するか。俺がババアを誘導するから任せておけ。とりあえず聖子に連絡する』「ありがとう。頼りにしています」『また芽衣さんにも連絡するから』「はい」 仲間の存在のありがたさ!「あ、金さん。実は自宅へ引っ越ししたいのですが、なにかいいサービスはありますか?」『俺が立ち会おう。引っ越し代コミ10万でどうだ?』「いいんですか? ぜひお願いしたいです!」『代金は芽衣さんの預け金から引かせてもらう。さっさとこっち(義母)を片づけてそっちへ向かうよ。不用品は俺に譲ってくれ。格安の条件だ。悪くないだろう?』「はい、それでお願いします!」『契約成立。じゃ、また後で』 金さんが来てくれるんだ。心強いな。義母宅でどんなやり取りが行われるのかな。あとで聞いてみよう。 私は自宅に戻り、要るものと要らないものにぜんぶ振り分けた。正直身ひとつでもいいくらいだ。当面の着替えと身の回りのものだけでいい。あとは処分しよう。 15時を回った頃、金さんがやってきた。業者を引き連れてきてくれたので、不用品の一切をそちらに投げた。「芽衣さんの荷物はこれだけか?」「食器とかなにも要らないし、また買うわ」「その時はぜひ”なんでも屋”で頼むよ」「うん。そのつもり。仲間価格にしてね? ぼったくりは嫌よ」「わかってる」 金さんが笑った。まあ、大丈夫でしょう。「旦那の部屋見せて欲しい」「こっちよ」 フィギュアなどを品定めし、金さんは電話をかけている。「あ、すみません、わたくし買取出張の者ですが、上原様にお取次ぎをお願いします」 あれ。電話、丹治さんにかけているのかな。『はい』 私にも聞こえるように金さんはスピーカーにしてくれた。やっぱり丹治さんが対応している。なんで…?「突然のお電話失礼いたします。わたくし、なんでも買い取りの出張の者でござ
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復讐クエスト4 / LV4 勇者メイ 07

 たった1、2時間喋っただけで、なにが運命よ。そんな運命、作り物に決まってるでしょ。 恋愛ゲームでも、会って1時間で攻略できるヒロインなんかいないっての!「ほんとに悪いと思ってる。だからこれ」 すっと彼から差し出された。「預かっていた芽衣の通帳だ。マイホームのために貯金しようと思って置いておいたものだ。返すよ」「これは私が独身時代から一生懸命貯めたものだよ。丹治さんが預かってくれるって言うから預けただけで…」「わかってる。聖子にも言われた」 聖子呼び~(笑) 距離縮めたつもりでいるんでしょうね。ああもうおかしくて笑い出しそうなんですが! これ以上私を笑わせないで~!「そんな短時間で好きになったり運命を感じるものなの!? 信じられないよっ…私との結婚生活はなんだったのぉっ」 大げさに泣いた。丹治さんを信じていたのに、愛していたのに、を連呼しながら。「ごめんよ芽衣…許してくれ」 なぜか丹治さんも泣いていた。なんでアンタが泣くのよまじでキモいなぁ。「聖子と運命を感じて愛してしまったんだ。彼女も芽衣に申しわけないって言っていて…」「そんなにまでふたりの愛は固いの?」「そうだ」 きっぱり言い切る丹治さん。ただただキモイ。「わかった…ううっ、辛いけれど…離婚に応じます…」「ほんとうか!?」「でも、ひとりでやっていけるか不安で…今までは丹治さんが私をきちんと養ってくれていたから生活が成り立っていたけれど…先立つものもないし…」「大丈夫。こちら側の不貞なんだ。夫婦の財産として貯金の半分は芽衣に渡すし、きちんと慰謝料は払う。だから無駄遣いしなければ当面はやっていけるはずだ」「わかった…いくらくらい支払ってくれるの?」「僕の貯金が800万ある。聖子はまず半分の400万円は芽衣に渡して、残折半した
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復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 01

 翌日。丹治さんは早速仕事を半休し、午前中に役所に行って戻ってきた。「気が変わらないうちに書いて欲しい」「そんな…昨日の今日でまだ整理もついていないのに」「でも、早い方がいいだろ」 私もそう思う!「だったら先に慰謝料払ってよ。無一文で追い出されたら私…この先生きていけない。恨んで聖子さんを刺しちゃうかも…」「なんだとっ!」「じゃあ離婚しない。私、ほんとは納得してないもん!」 声を荒げたのでこちらも対抗した。「そうだわ。私が離婚しなければいいのよね!」「それは困るッ! もう聖子を迎えに入れる約束をしたんだ!!」「は? いつ?」「今日」「今日ぉ!? そんなっ…私はどうしたらいいのよ!!」「頼む芽衣! 僕のことを愛しているなら身を引いて別れてくれ!」「そんな…」ウソ泣きをした。「もう、どうにもならないの?」「すまん…」「じゃあせめて慰謝料払ってよ! そうでなきゃやってられないよ! ほんとうは離婚したくないって弁護士のとこ行きたいくらいだから!!」 うわーん、と盛大に泣いてやった。ごめんと謝られながらヤツも涙し、その流れで宥められて一緒に銀行に行き、その場で私の通帳に振り込んでくれた。「これでいいか?」「よくないけど…仕方ないよね。もう、どうにもならないの?」「僕の幸せのために離婚を決意してくれたんだろ? 芽衣は好きに生きたらいいよ。もう止めないから。今までありがとう」 なにこいつ。ほんと自分のことしか考えてない。「わかった…。じゃあ、せめて一緒に届けを出しに行こう。この目で見届けたい」 やっぱやめまーすとか言われた困るもんね。だから私は丹治さんについて行って離婚届けを役所で提出するとこまでしっかり見届けた。 ――メイはモンスター・タンジと離婚した!
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復讐クエスト4 / LV5 勇者メイ 02

 夜。私は元・義理実家の近所にあるファミレスで待機していた。実は今から金さんが元義母攻略、聖子さんが結婚の挨拶を兼ねて元義理実家へ訪れるという算段。 義父は近所の方の家に麻雀をしに行っているので、ちょうどいない。それは聖子さんが手を回してくれた。聖子さんや金さんのネットワークはいったいどうなっているのだろうか。 スマートフォンで自宅の様子をうかがう。まずは金さんが元義母攻略。『奥様。僕はあなたに運命を感じてしまいました』 甘く囁く金さんに彼女はメロメロ! 目が♡になっていますよ。『でも…僕はあなたにふさわしくありません。あなたには愛する伴侶がいらっしゃる』 夫と別れてあなたと一緒になるわ、と目を輝かせている。まー、気持ち悪いこと。『奥様…』 まるで寸劇。これからの結末を知っているからこそ、めちゃくちゃ笑える。 そこへ聖子さんたちがやってきた。よーし。私も移動っと。 最後の仕上げをするために、ファミレスを出て家に向かう。『お邪魔します』『あらあらなんと綺麗なお嬢さん…』『初めまして。わたくし、阿久尾聖子と申します。この度は丹治さんとお付き合いさせていただくことになりまして。どうぞよろしくお願いいたします』『最高のいい女だろ? 芽衣とは大違いだ。すぐ再婚して幸せな結婚生活を送るつもりだ』『まあまあいいんじゃないの? 聖子さん、前の嫁はぜんぜんダメな女だったけれど、あなたは大丈夫そうね。丹治のこと頼みましたよ』『はい、お任せください』 ここまで動画を見て、スマートフォンを切った。 4人でいるところに私が登場! ピンポーンとインターフォンを鳴らし、持参したお酒を掲げて入場した。「こんばんは」 さあ、最終決戦よ!! ――モンスター・タンジが現れた!――モンスター・ギボが現れた! 私の中で最終決戦のかっこいい曲が流れる。まずは様子見。
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