All Chapters of 私との休暇に、秘書を優先する夫なんか捨ててやる: Chapter 11 - Chapter 12

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第11話

「あなたを恨んでなんかないよ」だが、湊に期待させるわけにはいかない。私は淡々と言った。「でも、もう愛してもいない。正直に言うね。今のあなたは私にとって過去の人でしかないの。あなたがどれほど苦しんで、悲しんで、後悔して、私を愛そうが、もう私には関係ない。だからね、湊。もう連絡してこないで」しかし、湊は諦めきれず、激しく首を振った。「そんなこと信じない。そんな薄情なこと、お前がするはずがない」彼が未練たっぷりに食い下がるのは目に見えていた。私は深入りせず、淡々と言い放つ。「もう付き合っている人がいるの。だから、あなたが信じようが信じまいが、もう私の前に現れないで。今の恋人に誤解されたくないから」すると、湊はまるで落雷でも受けたかのように、その場に呆然と立ち尽くした。彼は引き攣った笑みを浮かべ、唇を震わせる。「嘘だ。冗談だよな?8年も一緒にいた俺たちが、そんな簡単に終わるわけないだろ?俺は信じないぞ。瑠衣、強がってるだけだよな?俺を悲しませたいだけって知ってるから。分かったよ、認める。俺は本当につらい。後悔もしている。ここずっと、何をしても上の空で仕事も手につかないんだ。お前の代わりなんてどこにもいない。お願いだ、戻ってきてくれないか?どうか許してほしい」湊はうわずった声でまくし立てる。「思い出してくれよ。結婚を決めた時、一生かけて守る、一生愛しぬくって誓い合ったじゃないか?それに、お前旅行が好きだったよな?旅行のプランだって練ってあるんだ。ほら、これからの1か月、お前とずっと一緒にいるよ。お前が許してくれるまで、どこへだって付き合うから」そう言いながら、湊は慌ててスマホを取り出し、スケジュール表を見せてきた。彼の言う通り、1か月分の旅行の予定が埋まっていた。日付や目的地、そこで食べるものや見所まで、丁寧にまとめられている。湊は細かいことが嫌いで、旅の準備などはいつも私の役目だったから、それには少し驚いた。彼なりに必死なのだろう。だが、遅すぎる。私が何かを言おうとすると、不意に男性の声が聞こえてきた。「瑠衣、映画を観に行こうって約束してたのに、まだこんなところで立ち話してるの?」白シャツに黒のパンツ姿の明るい雰囲気の男性が私に近づいてきて、笑いながらそっと肩を抱き寄せる。彼はあの宿のスタッ
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第12話

隆はまるで湊に見せつけるように私の手を強く握りしめると、満面の笑みを浮かべた。湊の顔から血の気が失われていく。「ふざけるな!」彼は隆を指さし、半狂乱になって叫んだ。「瑠衣と離婚することになったのは、お前が何か吹き込んだからだろ?卑怯者!俺と正々堂々勝負しろ!」隆は笑いながら、二人で繋いだ手を掲げる。「もうそれは過去の話ですよね?それに、僕たちは既に付き合ってるから、勝負する意味なんてないと思いますが。それに、瑠衣と会って一度きりの僕にすら勝てないなら、8年連れ添ったあなたには、もはや勝機なんてないんじゃないですか?」湊は言葉を詰まらせた。ただ、その場に立ち尽くしている。8年という歳月がゴミのように捨てられる、その絶望を湊もようやく思い知ったのだろう。湊が何かを言い返そうとしたその時、彼のポケットでスマホが鳴った。秘書からの電話だったらしい。湊は電話に出ると、相手の言葉も聞かずに言った。「来月には会社を移転させる」そう言って、湊は挑戦的な視線を私に向けた。移転先の住所を湊が言おうとした途端、電話の向こうの秘書がパニック状態で叫ぶ。「移転なんてしてる場合じゃないです!社長、早く戻ってきてください!こっちは、大変なことになってるんですから!」そう言われた湊はその電話を切ると、悔しげな表情を浮かべながらも、その場から立ち去っていった。後で聞いた話によると、睦月が湊の会社から巨額の資金を持ち逃げし、会社のキャッシュフローが完全にストップしてしまったのだという。睦月は、誰もが知る湊のお気に入りであり、全幅の信頼を置かれていたので、彼女が会社の金に手をつけても、誰も疑わなかったらしい。でも、資金を凍結するチャンスもあったにはあったのだ。睦月が銀行で送金手続きをした際、一度だけ審査に引っかかっていた。その時点で通知が来ていたのだが、その時期、湊は丸1か月も会社に顔を出していなかった。その前にも、チャンスはあった。それは、睦月が適当なことを言って、湊に真っ白な紙にサインをさせていた。そして、彼女はそのサインを悪用し、委任状を偽造していたのだった。そんなことがあり、審査に引っかかっていたお金は、1日後にいとも簡単に睦月の口座に振り込まれたのだ。今の会社はもう形だけだった。借金の催促に苦情の山。さらには、取引
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