All Chapters of 黒天使たちの飛行戦記: Chapter 21 - Chapter 30

30 Chapters

第一部エピローグ

1947年11月 各務ヶ原飛行場「これが川崎航空機工業が開発した超音速実験機桜花や。これは大型爆撃機に吊るされて高度6000から投下されて飛ばす代物や。理論上はマッハ1.1までは出るそうやけど今まで挑戦してきた連中は音の壁を越えられずに皆バラバラになったんや。ユキあんたがどうなるかわからんがウチとしては死なせたくはないね」「そうかもしれません。ですが誰かがそれをやらないとね。何事にも最初はありますよ」「そうやな。それじゃあ行こうか」 そんな感じで私は与圧服に着替えて与圧面を被り酸素供給箱を持って機に乗り込んだわね。日本が立ち遅れていた大型機の分野でレシプロエンジンでは勝てないと悟った軍はいち早くジェットを採用した。この大型機もジェットペラエンジンとターボファンジェットエンジン搭載の混合機として生まれた「連山」に乗り込み機体は離陸し高度6000にあがり私は与圧服の状態を確認しそして桜花に乗り込む。 いつものように緊急用射出座席の導通状態を確認、計器、舵の状況を確認。そして補助動力装置を動かして主エンジンを動かすための圧搾空気を作る。そして、圧搾空気により主エンジンのタービンを回して始動可能回転域に達したことを確認後私は燃料噴射ポンプスイッチをオンにして主エンジン点火を確認し、補助動力装置の稼働を止める。一連の行動をすべて問題なく終えた私は神谷さんに全て良しとの手信号を送る。それを確認した神谷さんが風防を閉めて、爆弾倉から機内に戻った。そして無線機のレシーバーから声が聞こえる。「いつでも降下はいけるで。準備が出来たら言ってくれや」「はい。いつでも大丈夫です。カウント行きます。5.4.3.2.1。降下」 私がそう言うと機体を吊り下げていたフックが外され高度6000から落下するもすぐさまエンジンを吹かして飛行させる。目指すはマッハを突破することだね「現在速度マッハ0.89。これより音速突破試験を開始する」 そして私はスロットルレバーを常用最大位置に合わせ補助ブースターロケットを作動させる。その上再燃加速装置のボタンをおしてスロットルをさらに押し込むことでエンジンは最大出力を発揮していた。「現在0.96、9.7。振動発生。舵はまだに動くマッハ0.99。さらに振動がひどくなってきた」 その直後伊勢湾上空に爆発音とも言える音がした。で、神谷さんが私をひっ
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番外編 その1小隊長の結婚式風景

1947年 12月10日 とある結婚式場にて・・・ここに一人の花嫁が結婚式を挙げるべく控え室にいた。「隊長も随分と美しい姿になりましたね。なんというか馬子にも衣装というやつかしら」「なんやて~。まあ、事実やからしゃあないな。でもなウチはこう見えても元々はいいところの嬢ちゃんやったんやで。ユキにはまだ話してなかったけどな」「それは初耳です。そういえば幾度も死線をくぐり抜けてきた間柄でしたがお互いの身の上は話してませんでしたね」と、会話をしていると第一種礼服に身を包んだ女性が控え室に入ってきた。「貴方もりっぱな花嫁になって私も嬉しいですよ」「そんな。水瀬大佐に晩酌人になってもらって感謝しております。うちの両親もいればよかったんですが・・・」「ですね。おもえば、貴方とも随分と長い関係でしたね」「そうやな。水瀬隊長に誘われてなかったら今こうしているかどうかですもんね」「ですが。それは貴方の努力の結果ですよ」「そうやな。まあ、いい機会やからウチがどうしてこんな稼業をするようになったか言うたるわ」そして彼女は語り始めた。ウチは神谷晴子 18歳 大阪出身の女学生や。いや。だったというべきかな。卒業間際に実家の事業で下手打って家が没落してしもうたからなぁ。で、どうにか青桜女学院というところをなんとか卒業したウチはこれからの身の振り方を考えていたんや。「むー。見事に無一文か。このさい芸者か娼婦になったろうかいっそのこと」その時ウチのオヤジの知り合いだった水瀬という女性が言ってきたんや。「あなた。女学校を卒業したのよね」「そうなる。で、無一文に近いからカフェの女給になったろうかと算段していたんやが」「そう。だったら軍に入らないかな。海軍では女性従者募集があるし陸さんでも似たようなのがあるよ。軍隊ならば男も選り取りみどりの上に衣食住にも困らないからどうかしら」とまあ、そんな甘言というか誘いにホイホイと乗ったのよね~。まあ、入隊試験にはとりあえず学科も実技もどうにか合格し、何とかなったというか色々とあってね。ほんらいなら輜重段列の部隊か通信系と思ったんやけどどこをどう間違えたのか航空兵の過程に配属されてそこで航空機の力学、気象学、構造や電信、航法などをすべてを教わったんや。で、基礎訓練が済んだウチはそのまま中華事変で機材輸送の任務についたんや。
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番外編 その2 水瀬司令官の休日

1948年 2月 水瀬司令自宅にて「今日は久々の休日ですか。ならば子供達のあいてをといいたいけれど子供たちは皆家をでちゃったのでしたね」私は水瀬暁子。大日本帝国陸軍いえ、今は航空軍大佐でしたね。家族はいるにはいたのですが夫に死に別れ、息子も独立しちゃいましたからね。そんな感じでガランとした自宅の掃除と洗濯をしてお昼ご飯を食べた日曜の午後突然の来客がやってきたわね。「お久しぶりです。司令。その、神尾、いや高槻さんから鮟鱇《あんこう》をもらったのですが私一人で食うのもアレなんで司令一緒にどうでしょうか。ダメなら料理屋に持って行こうとおもったのですが」それを聞いた私は答える。「いいわよ。せっかくの鮟鱇《あんこう》ですからね。これだけ巨大だと二人で食いきれるかしらね~」「多分行けるのではないでしょうか。ところで司令は鮟鱇《あんこう》は捌けるのかな」「それが残念ながらダメなのよ。ユキはどうなの」「一応、叔父夫婦に散々仕込まれたので、一応は解体できます。台所借りますね」そういって彼女は流しに立って手馴れた手つきで釣り上げた鮟鱇《あんこう》を綺麗に解体して背骨と頭骨だけ残して残りの部位を綺麗に分けて、腸などもきれいに洗って食べられるように切り分けていた。「随分と手馴れているわね」「ええ。苫小牧の実家が魚屋だったので幼い頃から魚の解体などをさんざんやらされましたよ。鮟鱇も例外なくですね。まあ、それでも戦力にはなっていたのかケチだったのか高等小学校すら満足に行かせてもらえませんでしたよ。まあ、テメエのところのバカ息子には優遇していたようでしたがね。まあ、それはともかく今日は寒いので味噌仕立てのアンコウ鍋にアン肝、フライなどアンコウを使った料理を出しましょう」そういうと彼女は手馴れた手つきで仕込みをしようとするので私も助手として活躍していたわね。そしてその夜こたつの上にはあんこう料理の数々が並んでいた。で、彼女と食事をしている時に尋ねられた。なぜ。貴方はこのような職業についたのかとね。それで私は語ることにした。どうして軍人になったのかをね・・・。私は水瀬暁子。女学校を卒業したばかりの18歳ね。家が御一新の頃から代々続く軍人の家系とはいえ、兄貴たちは貧乏士官になるのはごめんだとばかりに特待生として帝大に進んで外務省や内務省の役人になっちゃったわね。で、残っ
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第二部 第一話プロローグ

1949年 5月11日 日本「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。本日午前3時35分君津、長崎沖に新型爆弾を搭載した飛翔体が炸裂せり。被害甚大なり。繰り返す君津、長崎沖に新型爆弾が炸裂しました。帝国陸軍は直ちに救援部隊を派遣せり。飛翔体がどの国か不明なれど我が国は第一級警戒態勢に入ったことをここに通告します」というニュースがラジオと本放送を始めたテレビジョンというものから繰り返し流れていた。私は瑞雲ユキ26歳の女性ね。帝国空軍大尉なんていう階級だけどやってることといえば新型機のテストパイロットとヒヨコたちを荒鷲にするべく鍛え上げる教官ということになるわね。まあ、かつてレシプロの戦闘機に乗ってイギリス本土で多数の米独軍機と血で血を洗う凄惨な空の戦いを生き延びたパイロットでもあるわね。女の幸せというか結婚しようと見合いというが天涯孤独な人間にそんな紹介するような人間もおらず、結婚相談所でも経歴をしって男たちが皆尻込みしちゃって逃げ出す有様でね~。そう言う事だから若い連中からはお局だのハイミスだのと陰口を叩かれているのも知っているけどね。このニュースでこの飛翔体を撃ったのがどこの国なのかそれが問題になりそうね。まあ、ドイツは先日東西統一を果たしたとはいえ。まだインフラなどを再建途中の上に日本を叩く動機があったとしてもドイツが先に叩くほど気前は良くないはず。となるとアメリカ連合国の仕業の可能性が高いわね。そんな事を思っていると今朝の新聞記事でも新型爆弾のニュースの他に海外の方でドイツのハンブルグ、フランスのツーロン、パリ、イギリスのリバプール、カナダのバンクーバー、ウィペニグにも同様の核攻撃を食らったというロイターなどの外電が入ったようね。そしてアメリカ連合国のアルバカーキ、サンフランシスコにも攻撃をくらったという情報も入ったからこれは世界に喧嘩を売ったようね。そして私たちの基地にも非常呼集がかかり私たちも実戦部隊に編入がきまったそうね。これは再び戦争になるわね~と、その時の私はのんきに考えていたりしていたわね。なんというか戦争なんて始まるときは呆気なく始まってしまいそれを終わらせるのには途轍もない労力が必要となるということなんだけれどね。まあ、軍人として国民を守るための剣を取る職業を選んだ以上は何も言えないのが現実だよ。
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第二部 第二話戦争準備に入る

1949年6月 日本各国政府はアメリカ合衆国に宣戦を布告したよ。まあ、いきなりニュークこと核反応兵器を打ち込むという先制攻撃を仕掛けた以上はね。ドイツもイギリスともに軍を編成しカナダのハリファックス港に終結したという情報も入ってきてるわね。まあ、その作戦の為にカナダのケベックという都市で戦略などの会議がおこなわれているそうね。水瀬大佐たちも統合作戦本部付の士官として合同会議に参加しているそうだしね。まあ、ハワイ経由で移動してるけれどね。で、アメリカ連合国のニクソン大統領も合衆国のケネディを批判してるそうだしね。まあ、政治的な話はこの時点では私にとっては関係ない話になるけれどね。私の周りでは女子だけを集めた輸送、哨戒などの後方支援専用部隊がつくられるという話がはいってきたわね。まあ、それは当然だわな。先の大戦で現役で飛んでるのは私くらいだからね~。ほかの連中は皆第三種戦傷で予備役になったからね。ちなみに第三種戦傷女性専用の戦傷分類であり、いわゆるオメデタ。わかりやすく言えば妊娠したってやつよ。流石に軍部も母親になろうとする人間を飛ばしたり戦場に出すわけには行かないからね。まあ、男女が絡めばこうなるのはだけどね。まあ、軍も性病や妊娠防止のために突撃一番となる避妊具を配布してるけれどそれでも妊娠する女性兵士は多かったりするね。それはともかく私たちの周りには戦後にパイロットになった奴や戦争末期に予科練を卒業したという連中が殆どだったわね。まあ、私は男女関係なく自分の持っている空戦技術を奴らに体で教えてあげていたりしていたけどね。そんなこんなで私は司令部に呼ばれたわね。で、ピストにきた私は意外な指令を受けることになったね。「入ります」「来たか。実はな瑞雲君。君に海軍航空隊に転属が決まった」「海軍でありますか」「そうだ。君の経歴を見せてもらったが空母着艦可能技能を持ち装甲空母の信濃とはいえ局地戦闘機「震電」ジェットを着艦させた腕前と公称撃墜数395機の腕前を是非ともと言ってきたのだ。水瀬大佐も是非といってきたのでな。どうかね」それを聞いた私は尋ねる。「そうですか。お受けいたしましょう。ですが、配属される部隊の希望は通りますかね」「それはもちろんだ。どこに就きたいのかね」「そうですね。では高槻友三郎中尉のいる部隊に願います。あの人には以
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第二部 第三話 海軍航空隊に転属となりなでしこ隊ができる

海軍航空隊に転属となった私は福生から厚木に移動することになった。私物を詰めたトランク数個をもった私は今までの給料を叩いて買った陸王の側車《サイドカー》に乗って厚木の航空隊へと向かった。まあ、高槻たちもそこで訓練を受けていると聞いてね。厚木基地ではジェット戦闘機の旋風 ジェット攻撃機 希星に対潜哨戒機である東海、新型の南海など多数の機体が所狭しとならんでいるようね。話を聞くと最新鋭のジェット専用艦上機部隊を編成するそうだ。と、なると翔鶴級なども旧型化ということになるわね。まあ、ジェット改装を行うそうだけどそれでも限界はあるんだろうね。そして私は正門で所定の受付をしたあと。指揮所へ足をはこんだわね。「瑞雲ユキ大尉入ります」「君か話は聞いている。私は司令の大垣だ。人類初の音速突破し、英国本土で獅子奮迅の活躍をしたそうじゃあないか。おまけに局地戦闘機「震電」ジェットを本国まで無傷とはいかないが原型を保った状態でもってきたそうだな。おかげで局地戦闘機「震電」23型は超音速ジェット戦闘機として空軍の迎撃機や満州空軍でもさいようされているそうじゃあないか。君のような搭乗員をテストパイロットだけにとどめておくのは損失と思ってな」「そうですか司令。まあ、見ての通りの女性なんですが空輸任務に付けというのでしょうか。それはそれで重要な任務と心得ておりますがね」「阿呆。じつはな。君には海軍航空隊の女子チームの隊長をしてもらう。まあ、高槻たちと同じ空母乗組となる。君はたしかジェット機で空母に着艦はしたことがあったな」と司令のしつもんに私は答える。「はい。一応、信濃で局地戦闘機「震電」ジェットをどうにか着艦させましたが最後のワイヤーにどうにかひっかけたというのがですがね。ですが、敵の攻撃での弾痕だらけで飛行可能とはいえ無傷ではなかったということですよ」「そうだったのか。とりあえずほかの連中と面通ししてくれたまえ」そう言われて私は女性搭乗員たちがたむろしている場所へと足を運び、搭乗員詰所に入るとそこは例によって百合の園ともいえる状況だったわね。「君たちが女子チームのメンバーだな。私が隊長の瑞雲ユキ大尉であるが君たちは何人いるのかな」「私は星奈智子一等飛行兵曹であります。自分を入れて14名ですが、残りのメンバーは皆格納庫で整備をしております」「そうかならば案内して
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第二部 第四話 出港前夜

1949年 7月31日 厚木市飛行場明日いよいよ北米への出撃がきまったわね。総司令から翌朝0900に横須賀沖にいる空母信濃に向けて移動せよという通知がきたわ。私たちなでしこ隊は戦闘機部隊になるけれど、攻撃隊の隊長があの日高だったとはね。予科練卒というのは伊達じゃあなかったということかしらね。あの人たちが乗る輝星という攻撃機は複座仕様の音速雷撃機というキャッチフレーズだけどね。まあ、もっともマッハ1,2まで出せるけれど、その速度で雷撃実験した時に着水の衝撃で魚雷のジャイロなどがお釈迦になって使い物にならないという実験結果が出た上に敵のレーダー管制による対空射撃によって雷撃はもはや過去の産物になった。で、急降下爆撃での爆弾搭載量では火力不足ということで雷撃と急降下爆撃機が統合されて攻撃機となったわね。その輝星なんだけど石川島播磨重工業製推力4500キロのジェットエンジン1基搭載し兵装搭載量4トンの怪物だったりするわね。護衛空母に搭載されている流星艦攻はロールスロイス社製ターボブロップエンジン6500馬力のエンジンに置き換わって爆弾2トン搭載し30ミリ機銃搭載の攻撃機に生まれ変わったわね。次世代の対艦攻撃手段として雷撃の代わりに対艦誘導ロケット弾に置き換わったわね。対潜水艦の戦術もイギリスのヘッジホッグから派生した対潜弾や対潜水艦用短魚雷という兵器も出てきた。まあ、私たちが乗る戦闘機の空戦にしてもジェットでの戦闘は機体速度が早すぎるため従来の機関銃の発射速度では撃墜困難という結果となり。その対策として電気モータを使った回転銃身式機関銃が正式採用されて海軍、空軍のジェット戦闘機、攻撃機に搭載してる。そのほかにも熱線誘導型空対空誘導弾やレーダー誘導式空対空誘導弾、ほかにも空対空ロケット弾という武器もそろうことになったね。まあ、鳥を撃ち落とすのにライフルではむりだけど散弾銃なら落とせるの同じ理論になるわね。それからパイロットの装備では戦略偵察機景雲などに使われている与圧服や攻撃機、戦闘機に使われている耐Gスーツといった以前の戦いではなかった装備が標準的になったわね。景雲は高度22000米を約半日飛ぶという神の鳥というキャッチフレーズの機体である。私も試作機のテストで飛ばしたことがあったけれどそのときは高度16000止まりだったけれどね。それでも与圧服を
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第二部 第五話 部隊航海記

1949年 8月7日 太平洋上 晴れ なでしこ隊として空母信濃に配属されてはや数日。私たちの任務は基本艦隊防空と哨戒チームの護衛が主任務となる。本当に軍艦は”働かざる者食うべからず”とはよく言うね。まあ、大体この船の行動パターンがきまってきたのかな。8月8日 太平洋上 雨 この日は一日中雨であったが哨戒機の護衛として一部の飛行隊は飛んでいたが、大部分は飛ぶことはなかった。そのため格納庫内では機材の整備でてんやわんやである。私らも機材の点検と言われて私たちもツナギを着て整備作業をおこなったわね。まあ、空母故に少し見落とされている部分があったりしていたわね。8月9日 大嵐 昨日から降り続いた雨であったが天候が急変し今日はどの部隊も飛ぶことはなかった。どうやらかなりどでかい低気圧に突っ込んだようで空母が縦に横にとかなり揺れる状況になっていたわね。この船でこれなんだから小型の駆逐艦やら海防艦の連中はまさに濁流に飲まれる笹舟のような状況になっているんでしょうね。8月10日 大嵐 昨日と同じく大揺れに揺れている。8月14日 晴れ 低気圧を抜けるとミッドウェー近海まで船は進んでいたようだ。この辺になるとすでに合衆国の制空権内である。ミッドウェー近海に先行していたタンカーと補給艦との合流し物資と燃料の補給が行われるとのことだ。私たちも作業に駆り出されそうだね。8月15日 曇り この日私は回転翼機《ヘリコプター》の操縦資格を持っているということだったのでヘリを使った物資輸送任務に駆り出させられた。前大戦にドイツとアメリカで実用化された垂直離陸可能な航空機という触れ込みで場所を選ばない機動性からすぐに実用化された。まあ、この手の機体の弱点はエンジン出力全てで機体を浮き上がらせているから大型の機体の割に積載重量が少ないのが難点かな。 でも、ジェットやターボブロップエンジンが実用化されているからこのヘリにもその技術を応用すれば大化けする分野の機体と私は見るわね。今は物資輸送や救急搬送などにつかわれるだけだけどね。8月16日 晴れ 補給艦との会合に成功し補給を済ませた私たちの艦隊は一路ハワイオワフ島真珠湾にある軍港に向かうことになった。そこで上陸部隊との待ち合わせだそうだ。ハワイまであと3日という話だそうね。ここはすでに友軍の制空権下なので私たちは日常
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第二部 第六話 ハワイでの訓練風景

9月になり私たちの部隊はハワイのホイラー飛行場で錬成訓練を行っていた。その頃には空軍や増援のパイロットたちがやってきていたわね。なんでも西海岸から上陸するはずであったが、軍上層部はとんでもない博打に打って出ようとしているフシがみえるわね。ところが臨時ニュースでとんでもないことになったわね。なんでも西側の首都だったサンフランシスコが攻撃を受けたという情報がながれたわね。まあ、サンディエゴなどは無事だとはいえ、報復としてワシントンDCやニューヨークを攻撃したというニュースが流れたわね。アメリカ連合国いや、今はアメリカ共産国と改名したようね。なんでもソビエトの亡霊たちがアメリカ合衆国つまりワシントンに食い込んでいて本国が吹っ飛んだのでアメリカの方で芽をだしたようね。その状況に日本政府などもてんてこ舞いのようね。それで西海岸から上陸する手はずを変更となったみたいね。そんな感じで錬成を毎日行っていたけれどどうやら私たちはパナマに転戦となりそうね。10月末に向かうそうよ。まあ、信濃などはでかすぎてパナマを渡れないので私たち航空隊はサンディエゴ経由でパナマに移動になりそうね。それを部下たちに伝えると複雑な表情をしていたわね。まあ、無理もないわね~。それでも来る戦にそなえて猛訓練がおこなわれていたわね。私たちジェット戦闘機隊や攻撃機隊の連中が新たな戦術である空中給油という技術の習得を行っていたわね。まあ、空軍では大型ジェット機のお尻に大型のブームを操作してジェット機の背面や頭上の給油口からジェット燃料を補給を行っているというのは知っていたけれど、海軍でも同じく空中給油の重要性と必要性に駆られて訓練することになったわね。ただ、その方式が給油する飛行機から何本か漏斗のついたホースがたなびいており、その漏斗に被給油サイドの機体の給油管を繋ぐというやり方だそうだ。まあ、この方式では複数同時に給油できるけれど構造上一度に大量の燃料を送ることができないのが難点かな。あとは天候が悪化している時に給油が難しいというのもあるね。そんな感じで私たちは空中給油訓練も並行しておこなっていたわね。で、そんなある日。米海軍航空隊の連中に絡まれてとんでもないことに巻き込まれた。9月のある日だったわね。私たちの部隊が定例の空中給油訓練を終えて居候しているホイラー飛行場に降
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第二部 第七話 なでしこ隊パナマに移動する

9月下旬に我々の艦隊はパナマへ進出したが、艦隊だけで航空隊は対潜哨戒と一部の直掩隊を搭載し残りの航空隊はハワイからロス~サンディエゴ経由でパナマのコロンへと迎えとのことだそうだ。まあ、信濃たちの船の幅が広すぎてパナマ運河を通過できないのでホーン岬回りでカリブ海へと向かうそうだ。それまで1月前後かかるので私たちはハワイで最後の仕上げを行っていたわね。その頃例のアメリカ空軍の連中が訓練飛行中に散々ちょっかいかけてきたので奴らの機体に大量の二〇ミリをプレゼントしてあげたわね。訓練なので実弾ではなく二〇ミリ弾頭にクレヨンを仕込んだ訓練弾だけどね。その後アメリカ空軍のパイロット連中はみな再訓練を申し出る連中が続出したとかなんとか・・・。ほかにもアメリカ海軍航空隊とも共同訓練を行ったり模擬空戦を行ったりしたわね。なんというか時代は亜音速から遷音速、超音速の領域での空戦となると銃でのやりとりは兵士のナイフのような物になったわね。ほとんど使われないけれど無いと困るという代物かしらね。で、アメリカ空軍は高性能の空対空誘導弾さえあれば機銃は無用と思ったのか機銃の装備がおざなりになったようだな。まあ、その肝心の誘導弾が確実に敵機を撃ち落とすならそれでもいいだろうけれどその前に当たらなかった場合のことをかんがえているのだろうかねぇそんな感じで訓練を終えた私たちはオワフ島からサンフランシスコ、サンディエゴを経由してパナマの飛行場へと移動することになったわね。太平洋上で空飛ぶタンカーと会合してそこで給油を受けてシスコへ向かったわね。そしていよいよアメリカ連合国空軍との戦いになるわね。
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