บททั้งหมดของ 『尽くしすぎたのでやめました。今さら後悔しても遅いです』〜帰らない人を待つのは、もうやめます〜: บทที่ 1 - บทที่ 10

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第1章 第1話 今日はご飯いらない

玄関のドアを開けた瞬間、部屋が暗いことに気づいた。 午後九時過ぎ。 いつもならテレビの音がしている時間だった。 「……ただいま」 返事はない。 分かっていたことなのに、少しだけ肩の力が抜ける。 私はヒールを脱いで揃える。 その横には、朝履いていった悠斗のスニーカーが無造作に転がっていた。 ――また。 そう思って、すぐに頭を振る。 疲れてるんだよね、きっと。 今日は朝から会議があるって言ってたし。 私はしゃがみ込み、靴を揃え直した。 そのまま何気なく視線を上げる。 脱ぎっぱなしのパーカー。 ソファに置かれたコンビニの袋。 飲みかけのペットボトル。 たぶん、家を出るギリギリまでゲームしてたんだろうな。 苦笑しながらバッグを置く。 怒るほどのことじゃない。 恋人同士なんだから、これくらい普通だ。 ……普通。 そう思いながらスマホを確認すると、悠斗からLINEが届いていた。 『今日、飯いらない。飲み会』 送信時刻は一時間前。 私は画面を見つめたまま、しばらく動かなかった。 「そっか……」 声にすると、思ったより部屋が静かだった。 冷蔵庫を開ける。 下味をつけておいた鶏肉。
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第2話 冷めた唐揚げ

 食器を洗い終わった頃には、時計は十一時を回っていた。  悠斗はまだ帰ってこない。  私は濡れた手をタオルで拭きながら、なんとなくリビングを見渡した。  静かだった。  冷蔵庫の低い音だけが聞こえる。  こんなふうに一人でいる時間なんて、昔はいくらでもあったはずなのに。  最近は妙に落ち着かない。  私はソファに座り、ぼんやりスマホを開いた。  SNSには大学時代の友人が載せた写真。  夫婦で旅行に行ったらしい。  テーブルいっぱいに並んだ料理と、楽しそうな笑顔。  いいな、と思った。  同時に、自分でも驚くくらい自然にこう考えていた。  ――悠斗、こういうの嫌がりそう。  写真撮るの苦手だし。 旅行も人混み多いと疲れるって言うし。  そこでふと気づく。  私はいつから、自分がしたいことじゃなくて、悠斗が嫌がらないことを基準に考えるようになったんだろう。  胸の奥が少しだけざわついた。  その時、玄関のドアが開く音がした。  私は反射的に立ち上がる。 「おかえり」 「……ん」  悠斗は気だるそうに返事をして、そのままソファへ倒れ込んだ。  お酒の匂いがする。 
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第9話 大丈夫の癖

結局その日、私は一人でラーメンを食べて帰った。 本当はもっと洒落たものでも食べようと思っていた。 せっかく外食する気分だったし、少しくらい贅沢してもいいかなって。 でも店を探す気力がなくなってしまった。 駅前のラーメン屋に入り、カウンター席へ座る。「ご注文どうされますか?」「あ、醤油ラーメンで」 店員に答えながら、自分でも少し驚く。 私は本当は塩派だ。 でも悠斗が醤油好きだから、気づけば家でも醤油ばかり作るようになっていた。 私は箸を持ったまま、ぼんやり湯気を見つめる。 好きなもの。 最近、自分の『好き』がよく分からない。 ラーメンを食べ終えて店を出ると、夜風が少し冷たかった。 私はコートの袖を引き寄せながら駅へ向かう。 スマホは静かなままだ。 悠斗から連絡はない。 別に珍しいことじゃない。 飲み会の日は、終電近くまで帰ってこないこともある。 私はそういうものだと思っていた。 でも今日は、妙に胸が空っぽだった。 家へ帰る。 暗い部屋。 私は電気をつけて、小さく息を吐いた。「……疲れた」 最近そればっかりだ。 バッグを置き、ソファへ座る。 その瞬間、スマホが震えた。 私は反射的に手を伸ばす。 悠斗かもしれない。 でも違った。 母からだった。『元気? 最近ちゃんと食べてる?』 私は思わず苦笑する。 三十を過ぎても、母はまだ私を心配する。『食べてるよ』 返信すると、すぐ既読がついた。『ならいいけど。真琴は無理するから』 その文字を見た瞬間、胸の奥が少しだけざわつく。 無理。 私は無理なんてしてない。 たぶん。『大丈夫』 そう送ろうとして、指が止まった。 ……大丈夫。 最近、その言葉ばっかり言ってる気がする。 疲れても。 寂しくても。 悲しくても。 全部。『大丈夫』 私はスマホを握りしめる。 その時、不意に昔の記憶が蘇った。 高校生の頃。 熱を出した私に、母が何度も聞いてきた。『本当に大丈夫?』 私はそのたび、『平気』って答えていた。 母は困った顔をして、『真琴は我慢しすぎる』と言った。 でも私は、困らせない子でいたかった。 手のかからない娘でいたかった。 だから自然と、『大丈夫』が癖になった。 寂しくても。 辛くても。 助けてほしくても。 笑
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