【許してほしいとは言わない】【ただ、何かあったときに、少しでも助けになれたらと思ってる】【この先、二度と俺の顔を見たくないとしても】【一生、許してもらえないとしても】【前に教えてもらった口座に、少し振り込ませてもらった】【これで償いになるなんて思ってない。それでも、今の俺にできることはこれくらいしかなかった】【使っても、放っておいても、返してもいい。お前の好きにしてくれ】【押しつけがましいのは分かってる】【それでも、何もしないままではいられなかった】続けて、銀行アプリから通知が入った。【振込入金のお知らせ】【入金額:2,000,000円】【振込依頼人:セオ コウセイ】表示された金額を見て、思わず手が止まった。二百万円。笑って流せるほど少なくはない。かといって、人生が変わるほどの額でもない。返すかどうか迷わせるには、ちょうどよすぎる金額だった。彼も少しは考えるようになったらしい。私は返金しなかった。もらえるものは、もらっておく。この五年で受けたものが、二百万円で帳消しになるはずがない。それでも、ないよりはずっといい。それから数日間、私は好きに過ごした。提携は無事にまとまり、帰国後、上司に「少し休んだら」と言われたので、有給を一週間まとめて取った。毎日、自然に目が覚めるまで眠り、起きてから近所へ食べに出た。駅前に新しくできたラーメン屋が思いのほか当たりで、三日続けて通った。午後はソファに寝転がってドラマを見た。見ようと思ったまま放っておいたドラマや番組を、ようやくまとめて見終えた。夜は友人と少し高い寿司を食べに行き、遠慮せずに好きなものを頼んだ。スマホには、晃成からのメッセージがまだぽつぽつ届いていた。けれど、返事はしなかった。お金を受け取ったからといって、許したわけではない。ただ、返す気にもならなかっただけだ。五日目の午後、私はソファに寝転がって、よく冷えたスイカを食べながら、テレビのバラエティ番組を見ていた。久しぶりに、声を出して笑った。そのとき、突然スマホが鳴った。同僚の小林綾乃(こばやし あやの)からだった。「莉都、今スマホ見られる?早く!」綾乃の声は、いつになく慌てていた。「何、火事でも起きた?」「
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