Semua Bab ハズレ職業『エスパー』によって追放された俺、魔王すら超える力を手に入れる: Bab 21 - Bab 23

23 Bab

第21話:王弟パウロ①

「ゲイルの胃に大きな穴を開けるかもしれないけれど、聞いてほしい」 「アルト、何をそんなに思い詰めた顔をしてるんだ? まさか……裏金の流れを掴んだのか!?」 「その通りだ、ゲイルさん。聞いて驚くなよ……裏金の最終地点は……王弟のパウロ・ジェームズだ」 「グエーーーいっそ殺してくれんンゴねぇ?」 「気をしっかりもって!? ゲイルさん!?」 椅子に座っていたゲイルがその場で崩れ落ちた。リリーもリアクションが大きかったが、ゲイルは彼女の10倍のリアクションを見せてくれた。 自分は王弟のパウロがどれほどの大物かがわかっていない。ある意味、自分は幸せ者なのもかもしれない。 しかし、相手が誰であれ、冒険者ギルドを手に入れるのは変わらない。邪魔をするというのであれば、王弟をぶん殴ってやるつもりである、こちらは。 鼻息をフンスフンス! と荒げていると、ようやくゲイルが復活して、椅子に座り直していた。「とんでもない名前が出てきて、つい情けない姿を見せてしまった」 「本当ですよ。てか、リリーもそうだけど、そこまで厄介な相手なんですか?」 「うむ……王弟のパウロ様は冒険者ギルドの庇護者なのだ」 「えっと? 庇護者がなんで裏金を受け取ってるんですかね!?」 「灯台下暗しとはまさにこのことだ。パウロ様を公然と非難すれば、間違いなく私とリリーは職を追われる」 「リリーは俺が幸せにするからいいけど、ゲイルさんは本当の意味で無職になりますね?」 「こいつぅ!」 ゲイルがこちらの身体を掴んできて、さらに前後にぶんぶんと揺らしてきた。こちらはまったく……とため息をつくしかない。 とりあえず、事情は見えてきた。王弟のパウロは冒険者ギルドの庇護者であることを良いことに、裏金作りの組織として、冒険者ギルドを利用している。 まさに癒着と言ってもよい行いをしている。そして、何のために裏金をせこせこ作っているかが問題となる。「俺の予想としては……国王への反逆ってところかな」 「あはは……私腹をただ肥やしてるってだけで勘弁願いたい」 
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第22話:王弟パウロ②

 やるべきことは決まった。今すぐにでも王弟パウロのところへ乗り込んでやりたい気持ちでいっぱいだ。 だが、ここで待ったをかけてきた人物がいた。ギルド長のゲイルである。ゲイルは胃のあたりを手で押さえながら、椅子から立ち上がる。ホワイトボードの前まで移動し、そこでペンを取る。 ゲイルは忙しなくホワイトボードに何かを書いている。しばらくするとそれがこの国における権力相関図であった。「国王と教会が繋がり、王弟と冒険者ギルドが繋がっている。王弟がもしも国王に喧嘩を売るとなれば、その渦中に身を置くことになるのだぞ、アルトよ」 「なるほど? 下手をすれば国王にも睨まれると」 「ああ……巻き込まれ損になる可能性が高い」 「ふむ? それがどうしたんですか?」 「なん……だと!?」 「俺は……聖女たちにザマァ! できて、かつ、リリーと幸せになれるならどうだっていいんです(きっぱり)」 「言い切ったぁ!?」 ゲイルは心底驚いている。こちらとしては国王と王弟の諍いなどどうでもいい。好きなだけやってろと言ってしまいたいくらいだ。 肝心なのは冒険者ギルドを手中に収めること。そして、冒険者ギルドを頼ってくるであろう聖女パーティにザマァ! してやることだ。 まったくもってゲイルは勘違いしている。何度でも言いたいのだが、王弟の企みに関して、なんら興味がない。 王弟のことを路傍の石程度にしか思えない自分がいる。そんな不遜な自分に対して、ゲイルがわなわなと身体を震わせ始めた。こちらはきょとんと首を傾げてしまうしかない。「パウロ様は冒険者ギルドの庇護者なのだ。そのパウロ様が命じれば、冒険者ギルドはアルト、キミの敵になるということだぞっ! 発言には気をつけるんだ」 「それはあくまでもパウロ何某が冒険者ギルドの庇護者のままだったらの場合でしょ?」 「言わんとしていることはわかる。だが……金の卵を産む冒険者ギルドをパウロ様がそう簡単に手放すとは思えない」 こちらとしては交渉で冒険者ギルドを譲ってもらいたい。だが、相手が嫌だとごねてきた場合は実力行使も辞さないつもりでいる。
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第23話:王弟パウロ③

 腹は決まった。王弟パウロに会いにいく。そして、彼に一言、冒険者ギルドから手を引けと命令する。言うだけなら簡単だ。しかし、いざ実行するとなれば途方もない苦労が待ち受けているだろう。 だが、こちらには女神がついている。彼女に頼み込めば、王弟に会うためのステップをいくつかはキャンセルできるはずだ。「というわけで、俺、王弟パウロに会いたいんだけど。女神様、何か策はありますか?」 「策ってほどもないけど……とりあえず屋敷に行けばいいと思うわよ」 「あはは……俺、何のコネもありませんけど!?」 「まーた、わたくしに貸しを作るつもり~? 少しは返してほしいんだけど~?」 「そこは俺の可愛さに免じて!」 「じゃあ、許す!」 「許すのかよ!」 こんな情けない男のどこが可愛いのか、さっぱりわからない。もしかすると女神という超越者視点からすれば、自分みたいな情けなさで溢れる男は可愛いの範疇に収まっているのかもしれない。 真相は謎だ。しかし、齧れるものは親のスネでも齧ってやる。一時の恥を忍ぶことこそが肝心だ。大局を見失うほうがよっぽど愚かだ。 甘えられるうちが花という言葉もある。女神に頼りっきりだが、女神の指示に従うことになる。「じゃあ、まずは身なりを整えないとね。屋敷を訪ねるなり、無礼者! で斬られたら洒落にならないし」 「この制服姿じゃダメなんですか?」 日本の学生服は冠婚葬祭や式典に出席する際、間違いのない服装だ。しかし、女神は言う。それだけでは足りないと。 むむむ……と口をへの字にしてしまう。今からぶん殴りに行く相手にそこまで礼を尽くすべきなのかという疑問があった。「いきなり敵対するわけにはいかないじゃない。相手の話を聞く度量も必要よ?」 「そんなもんなんですかね? 裏金を受け取ってる悪いやつなんて、ぶっとばしちゃえばいいと思うけど?」 「それは獣に対してだけ。相手と言葉が通じるのなら、まずは言葉を交わしてみなさい」 「めんどくさいなあ?」 「面倒くさがらない♪ わたくしはアルトが立派な男になってほしい
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