「なにそれ......冗談でしょ」日奈は怒りのあまり笑い出した。「病院まで来て、私に一緒に帰ってくれって頼んだのはあなたでしょう?私の目の前で知夏と離婚届にサインしたのも、私と入籍するって約束したのもあなたよね?!それなのに、『知夏を見つけてから』ですって?あの人と復縁するつもりなの?私を何だと思ってるの?!」怒りに任せて、彼女は思いきり凛久の頬を平手打ちした。「そう言うお前はどうなんだ」凛久は口元の血をぬぐい、暗い眼差しを彼女へ向ける。「母さんの言う通りだった。お前は見た目ほど純粋なんかじゃない。最初から俺が誰なのか知っていたし、結婚していることも知っていた。自分から進んで愛人になったんだ。ずっと俺を騙していたんだな」「私を疑ってるの?」「昨日も嘘をついたよな。お前はもう、何度も書斎に入っていた」凛久はスマホを取り出した。「俺のスマホには、パソコンと同期するアプリが入っている。閲覧履歴は全部こっちに残るんだ。書斎のパソコンは普段ほとんど使わない。でも調べたら、写真フォルダをお前はこの家へ住み始めた日から開いていた。この3年間で20回以上もだ。そのフォルダには、俺と知夏の写真しか入っていない。あれを見ていて、俺たちが結婚していたことを知らなかったなんてあり得ない」彼は一歩ずつ日奈へ近づき、その清楚で無垢に見える顔をまっすぐ見つめた。「松元日奈、お前は最初から目的があって俺に近づいたんだろう?」追い詰められた日奈は壁際まで後退し、それ以上逃げ場を失った。唇を噛み締め、顔はみるみる青ざめていく。「......そうよ。だから何?」彼女はついに認めた。「私、最初に出会った時からあなたに一目惚れだったの。本当に好きだったの。奥さんがいようがいまいが、あなたと一緒にいたかった。愛人になるべきかどうか何度も悩んだ。でもあなたと知夏はずっと遠距離だったし、どうせいつか終わる関係だって思った。だから、このまま突き進もうって決めた......」彼女は凛久の胸へ飛び込み、震えながら強く抱きついた。「ごめんなさい、凛久。ずっと騙して......でも本当のことを言えば、あなたに捨てられるのが怖かったの!ねえ、もう彼女と離婚したんだから、私と結婚しよう?三人で幸せに暮らそうよ。また前みたいに――」「言ったはずだ
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