それでも比較的事実に忠実な描写を期待できるのは、長尺のドキュメンタリーや緻密な研究に基づいた作品だ。たとえば、野球史全体を扱うドキュメンタリーシリーズの一部では、ディマジオのプレーや当時の社会背景、関係者の証言を忠実に織り込んでおり、単発の劇映画よりも全体像が掴みやすい。書籍でも、ディマジオの生涯を丹念に追った伝記『Joe DiMaggio: The Hero's Life』のようなものを併用すると、映画の編集で失われた細部が補えて理解が深まる。
結局のところ、ただの浮気話や一時的な熱の冷めではなく、根本的な生活観のズレとメディアという外圧、そして個人的な不安要素が重なって破綻したのだと僕は理解している。実際の法的解消は短期間で済んだが、その背景には長年積もったすれ違いがあったと見るのが自然だ。'Some Like It Hot'のような彼女の仕事ぶりを見ると、輝きの代償がいかに大きかったかが伝わってくる。