より事実に沿った内容を求めるなら、『The Black Dahlia Murder: A True Crime Story』(2019年)というドキュメンタリーが興味深いです。実際の捜査記録や関係者のインタビューを交えながら、事件の全容に迫っています。特に、当時のロサンゼルス市警の対応や、マスコミが事件をセンセーショナルに報道した様子が克明に描かれています。
もう一つの隠れた名作として、『I Am the Black Dahlia』(2016年)という短編ドキュメンタリーがあります。被害者エリザベス・ショートの視点から事件を再構築した実験的な作品で、彼女が単なる「猟奇事件の被害者」ではなく、一人の女性としてどのような人生を歩んだかに焦点を当てています。
最も有名なのは2006年の『The Black Dahlia』でしょう。ブライアン・デ・パルマ監督、スカーレット・ヨハンソンやジョシュ・ハートネットが出演したこのネオノワール作品は、ジェームズ・エルロイの同名小説を基にしています。事件そのものよりも、事件に巻き込まれた人々の人間ドラマに焦点を当てた作りで、1940年代のロサンゼルスの雰囲気を再現した美術が印象的です。