あの懐かしい響き、『むかしむかしあるところに』って聞くと祖母が語ってくれた夜を思い出す。実はこの出だし、西洋の『Once upon a time』とよく比較されるんだけど、日本では明治時代に国定教科書で採用されてから定着した説が有力。それ以前から語り部たちは似たような言い回しを使っていたけど、標準化されたのは比較的最近なんだ。
翻訳の世界って本当に奥深いよね。『むかしむかしあるところに』を英語にすると、定番は『Once upon a time』だけど、これがどれだけ文化を超えて浸透してるかってすごいと思う。
『あるところに』の部分は『in a certain land』とか『far far away』と訳すこともあるけど、ディズニー映画の冒頭を思い出すと『in a kingdom far away』みたいなバリエーションもある。童話の翻訳で面白いのは、原文のニュアンスを残しつつ、英語圏の子供たちにも違和感なく響く表現を探す作業。『The Hobbit』の冒頭が『In a hole in the ground...』で始まるように、物語の出だしってその作品の顔みたいなものだよね。