この表現のルーツを辿ると、古代ローマの諺『Nomen est omen』にたどり着きます。紀元前1世紀の詩人プラウトスが『名前は予兆である』という意味で使い始め、当時の人々は名前が運命を暗示すると信じていました。
中世ヨーロッパでは、聖職者がラテン語で命名することで子どもの将来を導こうとする習慣があり、これが現代の『名は体を表す』という概念に発展しました。シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』でも『薔薇は別の名で呼んでも香りは変わらない』という台詞があり、名前と本質の関係性についての考察が見られます。
翻訳の世界って本当に奥深いですよね。
『名は体を表す』という日本語の諺を英語に移す時、直訳すると『The name represents the body』ですが、これだと英語圏の人には違和感があります。英語には『The name tells the nature』という表現がありますが、どちらかと言えば『Nomen est omen』というラテン語由来のフレーズが近いかもしれません。特に『ハリー・ポッター』シリーズのルーピン教授(Remus Lupin)の名前が狼(lupus)を連想させるように、キャラクター名に特性を込める文学的手法は東西共通です。
面白いのは、日本語の『体』が『本質』を指すのに対し、英語では『nature』や『essence』といった抽象的な単語が使われる傾向があること。文化によって『名前』と『実体』の結びつき方のニュアンスが変わるのが興味深いですね。