『裏切者』のオープニングテーマ『Edge of the World』が忘れられません。激しいギターリフとドラムのビートが、作品のダークなテーマを完璧に表現しています。歌詞の「誰も信じるな」というフレーズは、主人公の苦悩と一致していて、毎回エピソードを見る前に作品の雰囲気に引き込まれました。特に2クール目でアレンジが変わったバージョンは、物語の進展と共に音楽も変化していく様子が印象的でした。
『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』のサウンドトラックは、作品の哲学的なテーマを音楽で見事に表現しています。特に『Inner Universe』は、人間と機械の境界を問う物語にぴったりの重層的な楽曲です。ロシア語とラテン語の歌詞が交錯するこの曲は、Ghost in the Shellという概念そのものの不気味な美しさを音に変換したようで、聴くたびに新たな発見があります。
Yoko Kannoの作曲は単なるBGMを超えて、サイバーパンク世界の息遣いそのものです。『Run Rabbit Junk』のようなアップテンポな曲でさえ、無機質な電子音の中に人間らしいリズムを見出だすのが彼女の真骨頂。サントラ全体を通して、義体化した身体に宿る人間性の儚さと強さが音で語られているのが特徴で、作曲者が作品の核心を完全に理解している証拠でしょう。