『バッドランズ』は1973年のアメリカ映画で、テレンス・マリック監督のデビュー作として知られています。キットとホリーという若いカップルが、ホリーの父親を殺害した後、逃避行を続けるというストーリーです。一見ロードムービーのようですが、その実、社会から疎外された若者の心理を深く掘り下げた作品です。
見どころは何と言ってもマリック監督の詩的な映像美です。広大な自然を背景に、非情な事件が淡々と描かれるコントラストが印象的です。また、主人公たちの無気力な会話からは、当時のアメリカの若者たちの虚無感が伝わってきます。暴力シーンも多いですが、どれも情感たっぷりに撮影され、単なる犯罪映画とは一線を画しています。
この作品は、『ボンnie and Clyde』のような既存の犯罪映画とは異なり、犯行の背景にある人間の孤独や不安を描いている点が新鮮でした。公開から50年近く経った今でも、そのテーマは色あせていません。