この表現は本当に深みがあって、日本語の豊かさを感じさせてくれますね。『身も心も』という言葉は、文字通り体と精神の両方を指す表現ですが、実際に使われる場面ではもっと感情的なニュアンスが込められます。例えば、『あのコンサートには身も心も奪われた』という使い方をする時、単に楽しんだというレベルを超えて、全存在が震撼するような体験を語っているわけです。
小説『挪威の森』で主人公が音楽に没頭する描写を思い出しますが、ああいう『全てを捧げる』ような没入感を、たった四文字で表現できるのが日本語のすごいところ。ゲーム『ゼルダの伝説』でプレイヤーが仮想世界に没入する感覚にも通じますね。日常生活では『仕事に身も心も捧げる』とか『子育てに身も心も注ぐ』といった使われ方が一般的ですが、いずれも表面的な関わりではなく、全人格的なコミットメントを暗示しています。
若い世代だと『推しに身も心も捧げる』なんて使い方もしますが、これも単なるファン活動ではなく、ある種の宗教的とも言える熱量を表現しています。この言葉の持つ重力感は、日本語ならではの表現で、英語の『body and soul』よりもっと哲学的な響きがある気がします。