どうしても気になるのは、言葉の音そのものが持つ重厚さだ。
私は昔から行進曲や式典の音楽に心を動かされてきたが、'Pomp and Circumstance'のような曲が持つ「堂々たる佇まい」は、タイトルの語感が聴き手に先入観を与えるところに秘密があると思う。『威風堂々』という四字は一言で場の格を引き上げ、聴き手に格式や荘厳さを期待させる。これは単なる装飾ではなく、曲や作品が伝えようとする物語のトーンを短く的確に示す手段として機能する。
さらに、歴史的・社会的な使われ方も大きい。式典、陣頭、勝利の場面と結び付きやすい語だから、作り手は観客の共有経験をすぐに呼び起こせる。それが真摯な賛美であれ、皮肉や逆説のためのフックであれ、瞬時にドラマを生む力があるのだと感じる。私にとってはそういう直接的な「場作り」の力が、楽曲やタイトルにこの語が選ばれる最大の理由に思える。