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青芭伊鶴
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روايات بقلم 青芭伊鶴

不器用な言葉たちへ

不器用な言葉たちへ

久しぶりに付き合った彼氏が、突然消えてしまう。SNSだけでなく、存在ごと消えてしまった。連絡先はネット上のみ。遠距離恋愛をしていた理桜(りお)と彼氏の伊都(いと)の間にはいったい何があったのか。 そのことをひたすら小説として書いていく。頭を整理したくて、今までの行動や言動を振り返っていく。散々迷惑をかけておいて彼氏を見つけるとか……あまりにも自分勝手なんじゃないか、と考えてしまうが、もう既に書く手は止まらない。
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Chapter: 第4話-② 連絡交換
 私たちが出会ったのは、そう──SNS上だった。私たちが同じアニメ界隈を好きになっていなければ、出会っていないともいえる。それだけ貴重な出会いだったと、今も思う。 気が付いたら彼を追ってて、一緒に通話をする仲になって、楽しくて──。 また話したいなっていう気持ちが溢れては消えていった。それを伝えるのはなかなか難しかったけど、通話に誘うと来てくれるのが嬉しかった。 だからSNSは、私たちにとって出会いの場だった。私は消したくなかったから残してたけど、彼は消えてしまった。遠くに行ってしまった。話せない。もう話せないんだ。 それがどれだけ悲しくたって我慢しなきゃ。だって、彼を見つけても本アカじゃなくて、息抜きの為のアカウントであれば見れるかもしれない。って思ったんだけど、全然見つからない。 本当に消えてしまったんだ。どうしよう。 雪菜さんに連絡して、そして、そして……。ええっと、どうすれば? 息をするのも苦しくなってきた。何度も何度も呼吸を整えながら、私は雪菜さんにメッセージを送る。『いないです。全部消えてました』『本当に? あの子が使いそうなアカウントも?』『無かったです』『マジかぁ』 残念そうな言葉に、私も胸の中にぽかんと穴が開いているような感じがした。本当にいなくなってしまったんだと、私は強く後悔した。 もっと楽しく会話していたらよかったのかな。でも、喧嘩ばっかしていたから、仲直りどころじゃなかったんだもん。どうすればいいんだろう。本当に。『じゃあ、携帯会社に連絡してみるとか……』『でも、営業時間は過ぎてたし』『営業時間が過ぎてるタイミングで出ていったんですか?』『そういうこと』『ええ……? じゃあ、本当にどこに行ったのか分からないじゃないですか』『そうなんだよねぇ。困った弟だよ』 本当に困っているようなのか、即座に連絡が入る。それが心地いい。 伊都とは違う。でも、伊都がいなくなったから雪菜さんと連絡が取れるんだ。複雑だなぁ。 すると、突然、着信音が鳴った。相手は雪菜さんからだ。『もしもし、理桜ちゃん?』「雪菜さん、その、そちらのお母さんとお父さんは……?」『ああ、こっちは全然だよ。それより、理桜ちゃんと一緒に来てほしいところがあったのよ』「来てほしいところ?」『そう』 雪菜さんは一息ついてから、話を続ける。
آخر تحديث: 2026-06-28
Chapter: 第4話-① 連絡交換
【理桜Side】 新幹線に乗ると、涙をこらえていた。ひたすら窓の外を眺めながら、意識を風景へと移そうとするが、どうしても伊都のことが頭から離れない。『なんでいるんだよ』 その言葉に、胸がチクリと痛む。どうして……伊都はあんなことを言ったんだろう……? 嫌いになったのかな、好きって言ったのも嘘なのかな……って何度も考えてしまう。恋愛に向いてないなぁ、私。 悲しくなっていると、通知がピコンッと鳴った。 慌ててLINEを開くと、メッセージの相手は伊都だった。何の用だろうか。『理桜に酷いことを言った』『謝らせてほしい。本当にごめん』 伊都が本気で謝ろうとしてる? でも、信用できるだろうか。さっき言った言葉が嘘になると、私はいったい何を信じればいいか分からない。 正直な言葉をそのまま綴ることにした。そして、送信ボタンを押す。『怒るかどうかも心配だったけど、あわよくば喜んでくれると思ってた。でも、なんでいるんだよっていう言葉は傷ついた』『でも、何で伊都も駅にいたの?』 すると、すぐに既読が付いて、返事が返ってきた。『俺も会いに行こうと思ってた。毎日通っていたんだよ、駅に』『たまたま時間が合ったんだよ』 そう言ってくれたから、ほっとした自分がいた。 自分に会いに来てくれると思ってくれているだけでも、だいぶ嬉しいのに。なのに、あんな言い方……。喜んでくれると思ってたのに、ショックだった。 まあ、何も言わずに会いに来た私も悪いけど、なんか、ごめんね?って感じちゃうのが罪悪感に苛《さいな》まれてしまう。『そっか。でも、言い方には気を付けて。私だって傷ついたから』 正直な言葉を、あなたに──。 そしたら、伊都から素直な言葉が返ってきた。『うん、ごめん。分かった、気を付ける』 伊都の言葉に、私は胸を撫でおろした。気を付けるだけでも、私は満足である。 スマホの画面を閉じて、高速で流れていく外の景色を眺める。会いに行くときとは気分は変わっていた。とても穏やかな気持ちになっている。 私はもう伊都から逃れられない。囚われているとも言えるかもしれない。 それでも彼の──元気そうに過ごしている姿を見れただけでも嬉しい。単純な女で本当に申し訳ないんだけどね。これも本音だもの。 嫌なことを言われても、私は強く生きる。そう決めた。 その時だった。「
آخر تحديث: 2026-06-27
Chapter: 第3話-③ 会えるまで
 ただただ立ち尽くしていた私には、誰も声をかけてくれる人はいなくて。だから私はもう帰るしかないのかなって思った。 俯きながら人々の間を通り過ぎようとしたとき、誰かが私の腕を引いた。「ごめんっ」 その声は、雪菜さん? と思って、振り返る。「うちの弟、ちょっとだけ気が立ってて……もしよければ、私と連絡を取らない? 伊都のことで悩んでいると思うから、話くらいは聞けると思うし」「でも、雪菜さんもご両親のことで悩んでいるんじゃないんですか?」「ま、まあ、そうなんだけど、パパとママは……なんていうか、私には興味がないから」 寂し気で空っぽな声でポツポツとつぶやいた雪菜さん。 どんな過去を抱えているのか、とても気になったけど、今はそんなことを聞けるような状況じゃないことは、彼女の表情を見るだけで十分だった。「いっつもパパとママは、伊都の事ばかり心配するの。私には興味が無くて、雑に扱ってくるから……。本当に嫌になるのよ。本当に嫌」「そ、そうなんですね」「うん。ごめんね、私ばっか話しちゃって。それじゃあ、LINE交換しようよ」「いいですよ。私で良ければ、ぜひ」 口角が緩むことなく、私の表情は固くなってたと思う。LINE交換をしていた私にも、雪菜さんは優しく接してくれた。 それでも、なんだか、一気に疲れがやってきた。私はただ伊都に会いたかっただけなのに、雑な態度で避けられた。なにが悪かったの? ねえ、伊都……。「じゃあ、これで」「はい」「また連絡してね。私、あなたの味方だから。出会って早々、何言ってるのか分からないと思うけど……」「大丈夫です。すごく助かります」「そう? じゃあ、またね」「はい、また」 そう言って、私は改札を通ることにした。 伊都からの言葉に、少しだけ涙を流しながら──。【伊都Side】 俺は理桜が改札を通っていくのを、遠目で見ていた。 すると、姉貴が俺の頭を軽く殴る。背が高い姉貴は、俺と同じくらいの172センチ。デカ女なんて言った先には、キレ散らかしてしまう。「アンタの彼女の理桜ちゃん、最後に泣いてたよ」「……」「何したの、あの子に」 正直に言うしかない。姉貴が俺に詰め寄るってことは、理桜から何かを察したからだろう。俺は目をそらして、俯きながら呟く。「既読無視、してただけ」「本当にそれだけ?」 姉貴の鋭
آخر تحديث: 2026-06-26
Chapter: 第3話-② 会えるまで
「いない……のは、当たり前か。っていうのも変だけど」 いきなり会いに来たのは悪かったかな。でも、返事がないからどうしようもないじゃんか。もう私ったら嫌な女。 私は周りを見渡しながら、足を進める。ちょうど改札を通り過ぎるまで、一人で歩みを進めていく。それでも誰も私の名前を呼ぶ声は聞こえない。「伊都っ」 ぼそっ、と零れた言葉ですら、届かない。 突然会いに来たことで怒るかな。それとも喜んでくれるのかな。「会いたいなぁ」 突然あふれてきた涙を隠そうと、思わずしゃがみこんだ。 私は一体伊都のなにを見てきたんだろうか。ただ『好き』っていう気持ちだけで暴れる心に収拾がつかなくなったのも事実だ。情けない女だ、私は。「……あれ、理桜?」 その声に驚いて、顔を上げる。ずっと聞きたかった声。大好きな声──。「伊都?」「なんでいるんだよ」「え?」 冷たい言葉を投げられた。その言葉の刃に、私の心がズタズタにされていく。 しかも、伊都の隣には知らない女性。手は繋いでいないけど、女性の目が少し怖かった。なにかを探っているかのような目だ。 すると、パァッと表情を明るくした女性が「アンタの彼女じゃない?」と言ってきた。「ねえ、そうでしょ? 伊都の彼女さん!」「名前は理桜、だから」「理桜ちゃんかぁ! 可愛い名前!」「やめろって姉貴」 ん? 姉貴? きょとんとしている私に、女性はニコニコと笑っている。「私はね、雪菜。伊都の実の姉!」「そゆこと。よろしくな、理桜」 勝手に話を進めていくのは、姉弟だからか。それはいいとして、どうにも話が見えない。伊都が連絡をしてこない理由と繋がってるってこと? 分からない。「待って、話が追い付かないんですが……」「アンタ、説明してないの?」 厳しい目でにらむ雪菜さんに、伊都は目をそらしながら「悪かったって」って言った。何が起きてるんだ? と私は、ひたすら呆然としていた。 伊都はスマホを取り出して、とある記録を見せてくれた。どうやら音声記録らしい。『やめてって何度も言った! 何で伊都はそんなことばかりするの!』 甲高くて痛々しい声が聞こえてきた。これは雪菜さんかな?『俺に指示するな! じゃなきゃ父さんと母さんは、捕まるんだぞ』『私は平気。あの人たちがしたことなんて、最低じゃん』『そうだけど、俺には大切な人が
آخر تحديث: 2026-06-25
Chapter: 第3話-① 会えるまで
 会う約束をしようと思い、自分から連絡を入れる。 連絡してねと言っても、彼から連絡が来ることは殆どないからだ。 忙しいからっていう理由もあるんだろうけど、少しくらいは連絡をよこしたっていいじゃん、なんて考えてしまう。 すると、彼から連絡が入った。今度、会う予定のものだ。『ごめん、その日は忙しくて』 ワクワクしていた気持ちが一気に崩れた音がした。『じゃあ、休みの日は? 合わせるよ』『それは分からなくて……ごめん』『大丈夫だよ。分からないなら、しょうがないね』 どういう事なのかと、考え込んだ。 私が悪いことでもしたのかなって思った。それとも浮気? 早くない? だってねぇ、伊都から告白しておいて、浮気しちゃうっていうことは無くない? 黙ってスマホの画面を見つめながら、うーんと考え込む。『なにかあったら話してって言ったのは、伊都じゃないの?』 思わず、文字にして送信していた。 伊都が読む前に、送信取消を押そうとした瞬間、ぽつ、と既読が付いた。『ごめん』 それだけが返ってきた。『ごめんってなに?』 イラッとして、感情的に返信したけど、既読だけがついて返事が返ってくることはなかった。 最後に連絡をしてから、もう既に数日経つ。 何も連絡をしてこようとしない伊都に、いい加減ないら立ちが膨れ上がった。『返事して。怒ってないから』『会いたいだけなの。ごめんなさい』『私の事、きらいになった?』 連投はよくないとは聞くけど、こればかりは心配で仕方がない。 そしたら、また、ぽつ、と伊都から返事が返ってきた。『嫌いじゃない。今も好きだよ』 その言葉が、なぜか心の奥をザワつかせた。どうしてだろうか。信じてないわけじゃないのに。不安が一気に押し寄せてくる。『じゃあ、なんで』『既読無視なんかするの?』 面倒? だったら、もう私から連絡しない。 そう思いながら、今日もベッドの上で返事を待つ。しかし、今回も既読無視をされて、終わった。返事は返ってくることは無かった──。 ほかにも変だなって思ったことはあった。 私たちは遠距離恋愛だからっていう理由もあるから、会える頻度も少ない。それも分かっている。承知の上のはずだ。なのに──。 既読無視をされるようになってから、だいぶ心の距離が開いたと感じた。伊都からすれば全然そんなことなかったかも
آخر تحديث: 2026-06-24
Chapter: 第2話-③ 慣れない感情
 目が覚めて、一度鏡を見る。目の下には隈ができていて、髪はボサボサ。人前に見せられるようなものではないことは確かである。  仕方なく化粧用品を広げて、メイクをする。できるだけナチュラルに、隈がバレないように。その為にも、人気なメイク動画はよく見るし、参考にするようにしている。  まあ、実際に参考にできているかは、さておいて。  メイクが終わると、今度は朝食の準備。一人暮らしだから誰かに作ってもらうこともなければ、誰かが待ってることもない。だからか、適当なものになる。今日は目玉焼きとベーコンで十分か、と思い、朝食を完成させる。「いいねぇ、十分美味しそう」 誰にも届かない言葉。ニコニコして作って、盛り付けをして、席について食べていたはずなのに、不意に箸が止まった。  目の前には自分だけに向けられたご飯しかない。誰かと一緒に食べることはない。  私だけの空間。悲しきかな……。  箸を置いて、ため息をつく。私はいったい何をしてるんだろう。「虚無感って、どうやって解消されるんだろう」 疑問ですら誰も受け取ってはくれない。一人暮らしだからというのもある。  さりげなくスマホにあるメッセージ欄の『伊都』という文字を見つめる。彼は今、いったい何をしてるんだろう。ふと考えてしまう。  迷惑な女だと思われないように気を付けているけど、私にとっての伊都の存在が大きすぎて、もっと傍にいたいって思ってしまう。  彼は、どう思ってくれてるんだろう。  涙がほろほろと流れてくる。私の勝手な感情で、体が勝手に泣いてしまう。私の感情は、本当の意味で自分勝手である。「うん、もうやめよう。今度、伊都の声を聴ければ、多分だけど、安心するかも」 そう考えるように、口に出して言う。  私は今日も、自分勝手に生きてしまっている気がします。
آخر تحديث: 2026-06-22
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