Share

反抗期~自嘲4

Penulis: 夏目碧央
last update Tanggal publikasi: 2026-07-30 15:27:11

 久しぶりに両親と食事を共にし、遥貴は夜、未来と一緒に部屋に戻った。未来は早速、スポーツをやるなら何がいいかと遥貴に聞いた。

「ラグビーか、クリケットか、サッカーか、テニスか、空手。」

遥貴は即答した。答えながら考えたと言った方がいいかもしれない。

「さすが、イギリスで育っただけあるね。クリケットは学校が絞られてしまうな。ラグビーは難しいな。お前は細いし、流石に危険だと言われてしまうだろう。テニスはいいな。王族がいかにもやりそうなスポーツだ。サッカーもいいか。空手は……健斗に習え。」

未来がざっと批評すると、遥貴は目をパチクリさせた。

「ちょっと考えるよ。」

遥貴が言った。未来は、遥貴がお風呂に入るので、お休みと言って部屋を後にした。

 翌日、未来は尊人に呼び止められた。

「昨日言ったよね、遥貴をかまってやってと。」

「え?何?」

未来は面食らった。実は夕べ、未来がお休みと言って遥貴の部屋を出た後、尊人は遥貴の部屋に行ったのだ。そうしたら、遥貴は元気がなく、話を聞いてみると、未来がそっけない、冷たい、と悩みを打ち明けたのだった。

「未来は、どう思ってるんだい?」

尊人は少し怒ったよう
Lanjutkan membaca buku ini secara gratis
Pindai kode untuk mengunduh Aplikasi
Bab Terkunci

Bab terbaru

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   反抗期~自嘲4

     久しぶりに両親と食事を共にし、遥貴は夜、未来と一緒に部屋に戻った。未来は早速、スポーツをやるなら何がいいかと遥貴に聞いた。「ラグビーか、クリケットか、サッカーか、テニスか、空手。」遥貴は即答した。答えながら考えたと言った方がいいかもしれない。「さすが、イギリスで育っただけあるね。クリケットは学校が絞られてしまうな。ラグビーは難しいな。お前は細いし、流石に危険だと言われてしまうだろう。テニスはいいな。王族がいかにもやりそうなスポーツだ。サッカーもいいか。空手は……健斗に習え。」未来がざっと批評すると、遥貴は目をパチクリさせた。「ちょっと考えるよ。」遥貴が言った。未来は、遥貴がお風呂に入るので、お休みと言って部屋を後にした。 翌日、未来は尊人に呼び止められた。「昨日言ったよね、遥貴をかまってやってと。」「え?何?」未来は面食らった。実は夕べ、未来がお休みと言って遥貴の部屋を出た後、尊人は遥貴の部屋に行ったのだ。そうしたら、遥貴は元気がなく、話を聞いてみると、未来がそっけない、冷たい、と悩みを打ち明けたのだった。「未来は、どう思ってるんだい?」尊人は少し怒ったように言った。「え、何を?」「だから、遥貴の事をだよ。」「どうって。大事だよ。」未来は思わずそう言った。「大事?好きって事か?」尊人は詰め寄る。未来は目を泳がせた。「そっか。ならよかった。」尊人が少し穏やかになった。「良くないよ。まだ13歳だよ。手を出したら犯罪だよ。」未来が言うと、尊人はにやりとした。「未来、光源氏計画って知ってるか?」尊人が言った。「ひかるげんじ?なんだそりゃ。」未来は知らなかった。「とある国の古代のお話で、源氏物語ってのがあるんだけど、そのお話の主人公の光源氏が、少女と出会って、その少女を理想の女性に育てて、妻にするんだ。それにちなんで、光源氏計画。つまり、子供の頃から理想の相手に育てて、将来結婚するという計画だよ。」尊人はさすが帝王学を受けて育っただけあって、外国の文化に詳しい。「それで、その光源氏計画がどうしたって?」未来が言うと、「それを、やってみたらどうだ?」尊人が言う。「……つまり、遥貴を理想の相手に育てろ、と?」未来が言うと、尊人は満足げに頷いた。「手を出さずに、育てるって事だよな。」「放っておくなって事だよ

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   反抗期~自嘲3

     「尊人!」宮殿に現れた尊人に、未来は思わず抱き着いた。健斗と共に、極秘に入国し、無事に宮殿に到着したところだ。「未来、いろいろありがとう。遥貴の事、任せっきりでごめんよ。」尊人がそう言った。そこで、未来ははた、と気づいた。ここは、息子である遥貴が真っ先に尊人に飛びつく場面だったのでは、と。恐る恐る遥貴を振り返ると、遥貴はじとーっとした目で未来を見ていた。「あ、はは。ごめん。遥貴、ほら。」未来はハグした腕を離し、遥貴にどうぞと尊人を差し出した。だが、遥貴は来ない。何しろ反抗期だから。尊人は遥貴を見ると、ゆっくり歩いて行き、遥貴を抱きしめた。「遥貴、ご苦労様。」そう言って、尊人は遥貴の頭を撫でた。遥貴は、ゆっくりと手を尊人の背中に回し、ぎゅっとした。「パパ。僕、パパが国王だったなんて知らなかったよ。まさか、この国に来てこんな事になるとは思っていなかった。」遥貴がそう言うと、尊人は腕を離して遥貴を見た。「話してなかったっけ?」遥貴の表情が驚愕のそれに代わった。「は?全く話してないよ!初耳だったよ。びっくりしたよ!」遥貴は手ぶりを付けて激しく言った。「健斗が言ったと思っていたよ。」尊人はしれっと言う。健斗も近づいて来て、遥貴を後ろからハグした。「ダディも言ってないから!」「ははは。」健斗はただ笑った。 宮殿の中に尊人と健斗の部屋がしつらえられた。未来はシーツなどを持って、その部屋へ行った。尊人が部屋の整理をしていた。「尊人、結局ここに戻ってきちゃったけど、それで良かったのか?」未来が聞くと、「もう、十分自由にさせてもらったから。またこの国に戻って来られて良かったよ。それに、遥貴ともまた一緒に暮らせるし。」尊人は笑って言った。尊人は以前よりも肩の力が抜けて、ずいぶん印象が変わった。国王だった時よりも健康的になった。「俺は、働かなくていいのか?それこそ庭で畑でもやろうか?」尊人が言う。「そうだな、仕事については考えてみるよ。尊人に向いているものがあるかどうか、探してみる。公務を行うのは嫌だろうから。」未来はそう言いながらシーツをベッドに掛けた。「それより、遥貴のしつけの方をお願いしたいよ。ほんと、お前が来てくれて良かった。俺だけだと甘やかしてしまいそうで。」未来がぼやくと、「甘やかすのか?どんな風に?」尊人が意味

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   反抗期~自嘲2

     遥貴が瑠璃子の元へ赴いたのは、翌々日の事だった。特別室ではあるが、監獄である。面会室で面会する際には、やはりガラス越しだった。 瑠璃子は手錠などはされていなかった。部屋に入ってきて、遥貴を見た途端、驚いた顔をした。未来は、瑠璃子に対してお辞儀をした。顔を上げると、瑠璃子もお辞儀をした。「瑠璃子様、こちらは尊人様のお子様で、現国王の遥貴様です。」未来がかしこまって言うと、遥貴は頭を下げた。瑠璃子はじっと遥貴を見つめ、そして微笑んだ。「尊人さんにそっくりですね。そうですか、国王になられたんですね。」穏やかに言う瑠璃子は、あの時の危険な雰囲気はまるで感じさせない、王家の人間らしい物腰だった。「瑠璃子さん、あなたは、父を殺そうとしたのですか?仲が良かったと聞きました。それなのに、なぜ?ご自分が国王になりたかったのですか?」遥貴がいきなりそう言いだしたので、未来はぎょっとした。そして、遠慮がちに瑠璃子の顔を見た。怒るか、青くなるか、と思ったが、意外にも穏やかな表情は変わらなかった。「尊人さんには、本当に申し訳なかったと思っています。あの時は、自分がどうなるのか不安で、何も見えていませんでした。後悔しています。今も、そして昔も、国王になどなりたくはなかったのです。ただ、どうしたら良いか分からなかった。本当に、申し訳ありませんでした。」瑠璃子は深々と頭を下げた。未来は思わず頭を下げた。遥貴は頭を下げなかったが、未来を見て言った。「恩赦だ。瑠璃子さんの罪を許そう。」と言った。「えっ。あ、陛下、それはここですぐには決められません。政府が決める事です。」未来が言うと、「そうか。それは失礼。瑠璃子さん、もし、無罪放免になったら、この先何がしたいですか?」遥貴は堂々としていて、未来を驚かせた。「何も。いえ、もし国民の皆さんのお役に立てる事があるなら、それをしたいと思います。」瑠璃子が答えた。未来は、瑠璃子を改めて見た。瑠璃子もまた、しかるべき教育を受けて来た王室の人間だ。あの時だけ、乱れた。もしかしたら、反抗期が遅く来たか、などと変な事を考えた未来だった。 宮殿に帰る道すがら、遥貴は言った。「未来、録音しておいたか?」「ああ、していたよ。」「あれを聞かせれば、政府も恩赦を認めるだろう。」未来は穴が開くほど遥貴の顔を見つめた。いつの間に、こんな

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   反抗期~自嘲1

     遥貴が国王になったからと言って、遥貴に権力が与えられたわけではない。けれども、大臣など立派な大人たちがかしずき、宮殿に使える職員たちがひざまずく様を見続けていると、誰であっても自分が偉くなったように感じてしまうだろう。ましてや年端もゆかない子供なれば尚更である。その点、小さい頃から帝王学を学んでいた尊人などは、流石だったと未来は今更ながら感心する。 遥貴は、初めの頃こそ公務も勉強も頑張っていたが、数カ月国王を続けているうちに、勉強が滞りがちになってきた。やりたくない事はやらなくなって、先生が来ても姿を見せない時もあった。未来が注意しても、疲れているなどと言って言う事を聞かないのだ。食べ物や着る物に関しても、やんわりとではあるが好き嫌いを言うようになってきた。つまり、普通に13歳なのだ。だが、国王としてはやはり困る。未来は困り果てた。打開策を考えなければならない。 そこで、一計を案じた。君子に会わせる事だった。君子は尊人を育てたのだから、良きアドバイスをくれるのではないか、と考えたのだ。早速上司と相談し、君子に宮殿へ来てもらった。「君子様、ご無沙汰しております。」未来はひざまずいて挨拶をした。君子はニコニコしていた。「未来さん、お久しぶりね。わたくしもすっかり年を取ってしまいました。」「そんなことはありません。全くお変わりありませんよ。」お世辞ではなく、本当に未来はそう思った。君子はちっとも変っていなかった。 君子の元へ、未来は遥貴を連れてきた。初対面である。孫と言って良いものか。「まあ。」君子はそう言ったきり、なかなか次の言葉が出て来なかった。無理もない。何しろ尊人にそっくりなのだから。子供の頃を良く知る君子にとっては、本当に尊人そのものに見えるに違いない。「おばあ様、初めまして。」遥貴はひざまずいて挨拶をした。「陛下、いえ、遥貴さんね。初めまして。」君子はニコニコしていたが、目には少し涙をためていた。未来は胸がぐっと詰まった。君子は、もう13年以上尊人に会っていないのだ。電話やメールさえしていないはずだ。「君子様、もしお忙しくなければ、遥貴様の傍にいていただけませんか。我々だけでは手を焼いていまして。」未来がそう言うと、遥貴がちょっと口を尖らせた。「何それ。」「陛下、お言葉が。」未来がさりげなく注意する。遥貴は大きく息を吸

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   帝王教育~翻弄4

     国内では、遥貴の存在が発表されてからというもの、王制復活を推す世論が優勢になってきていた。しかし、様々な憶測が飛び交い、偽物説もささやかれ、議会の方も混迷を深めた。そこで、復権党では次の手を考えた。遥貴を露出させる事だ。遥貴の顔を見れば、尊人の血を引く者であることは誰にでも分かる事だ。これで世論は完全にこちら側に着くと踏んだ。 再び記者会見を開き、遥貴をそこへ登場させた。まだ12歳の身空で、ましてやこの国の地を踏んだのはついこの間が初めてだというのに、全国民の目に晒されたのだ。どれだけ心細い事か、と未来は心配したが、遥貴は毅然としていた。 遥貴がイギリスに住んでいた事は明かされたが、尊人は依然国内に幽閉されている事になっている。尊人に育てられたのだという事にならない。そこをどうしたらいいのか、未来も一緒になって党のメンバーと話し合ったが、まだ結論は出なかった。やはり遥貴の存在はベールに包まれたままだったのである。 ある日、館にお客様が来ると言われ、未来が玄関に迎えに出ると、なんとそのお客とは麗良だった。「未来さん!お久しぶりね!」「麗良さん!どうしたんですか?この国にどうやって入国したんです?」未来が驚いて聞くと、麗良は目を見開いて、「何言ってんの、未来さん。私はイタリア国籍を持った普通のイタリア人なんですからね、ビザなしでこの国には旅行に来られるのよ。」と言った。未来はあまりびっくりして気が動転してしまったが、確かにその通りであった。「でも、どうしてここに?」「決まってるじゃないの。尊人さんのお子さんに会いに来たのよ。」麗良はしれっと言う。 復権党のメンバーは、麗良はかつての王妃であるから、それはそれは特別待遇でもてなした。そして、遥貴が登場した。「まあ!ほんと、尊人さんにそっくりね!」麗良は驚いて声を上げた。「思わず私の子かと思ってしまうわね。なんて、冗談よ。」麗良は笑う。「あの、麗良さん……どこまでご存じなんですか?」未来はおずおずと聞いた。普通に考えたら、尊人とどこぞの女の子供か、と思うだろう。そして、良くは思わないだろう。元妻としては。そこに恋愛感情がなかったにしても。「まあ、半信半疑だったけどね。顔を見て確信したわ。全くのコピーだものね。」そう麗良は言って、遥貴に近づいた。「遥貴さん、私をお母さんだと思って、

  • 人間になりたい。たとえ王だとしても   帝王教育~翻弄3

     未来は、遥貴にこっそり通信機器を渡そうかとも思ったが、やはり正面から面会を求めることにした。外務省職員としてというよりは、かつて尊人のボディーガードをしていた友人として、遥貴の力になりたいと申し出たのだ。そのためには、王制復権党に入党しなければならなかった。不本意ながら、仕方なく党員となり、あの邸宅(党首の実家)に出入りできるようになった。「遥貴様が国王になれば、お前を傍に置いてやってもいい。そうしたら外務省は辞める事になるが。」党首に言われたが、むろん、そのつもりだと答えた。そもそも、遥貴に危険が及ばないかどうか、探りを入れるために外務省に入ったのだ。遥貴がこっちにいる限り、外務省にいる必要はない。そして、教育係の1人として、遥貴には定期的に会えるようにしてもらった。 遥貴は学校には行かず、家庭教師による教育が施された。英語の授業はほとんど必要ないが、本国の歴史や国語は、一から学ぶ必要がある。特に国語は、会話は出来ても文字はあまり得意ではなかった。しかも、歌を詠むなど、国王には苦手といってはいられない物がある。また、帝王学には「人に平等に接し、好き嫌いを振り回さない」「物事にこだわり過ぎない、夢中になりすぎない」「感情をあまり外に表さない」などがあり、更に国王は「国民との接し方」「宮中行事」「テーブルマナー」「王族のしきたり」なども学んでおかなければならない。尊人は、そう言ったものを学んだ後にイギリスに留学したが、遥貴は順番が逆のようなものだった。だが、尊人にしつけられている。先にテーブルマナーが完璧だと記したが、実は自然と「平等に接する」とか「感情をあまり出さない」などは、常にそう育てられてきていた。 「そうか、尊人が感情的にならないのは、そういう性格なのではなく、そう育てられていたからだったんだな。それで、いつまでも健斗の事が好きだって事に、自分でも気づけなかったわけだ。」未来は今更ながら納得した。帝王学というものを知ることによって、今やっと尊人の事を本当に分かった気がした。あれだけ傍にいながら。「遥貴、お前は人に対して好き嫌いを言ってはならない。あの人は好きだから話すけれど、この人は嫌いだから話さないなど、差別をしてはいけない。分かったか?」未来は、帝王学を教えるという役を担った。それぞれ専門家が教育に当たったが、道徳のようなものに関しては

Bab Lainnya
Jelajahi dan baca novel bagus secara gratis
Akses gratis ke berbagai novel bagus di aplikasi GoodNovel. Unduh buku yang kamu suka dan baca di mana saja & kapan saja.
Baca buku gratis di Aplikasi
Pindai kode untuk membaca di Aplikasi
DMCA.com Protection Status