LOGIN大我と恋人同士になり、発情の暴走も何とか収まった唯斗。ある日、唯斗の元に子供の頃にお世話になっていた養護施設から電話がかかってきて…。まるでそれが火種になったかのように起こる出来事。いつも以上に落ち込む唯斗。そんな唯斗に手を差し伸べたのは恋人である大我だった。
View More「ゆい、これじゃないのか」
この時の俺はこんな小さな幸せな時間がずっと続くと思っていたんだ。
大我との幸せな時間が…4人で、大我の家に行ったら 「わ~い、大ちゃんとゆいちゃんだ~」 なんて言いながら劉くんが飛びついてきた。 「うわぁ、ちょ」 俺はそんな劉くんの勢いに負けて倒れそうになるけど 「劉、そのまま突っ込んできたらゆいがケガするぞ」 なんて言いながら大我に支えられて倒れることはなかった。 「ごめんなさ~い」 俺の脚に抱きついたまま劉くんが謝った。いや、うん。可愛いなぁ。 「大我~、劉くんが可愛ぃぃ」 俺はそんなことを言いながら劉くんを抱きしめていた。 「はいはい。そんなことはいいから、早く中に行くよ」 そんな俺にこうちゃんが呆れながら中へ入っていく。その後ろをヒロさんがついていった。 「そんなことって言われちゃった」 ってポツリと呟いたら 「そんなことだろ。あの人にとって劉が可愛いのは当たり前だからな」 大我が笑いながら言ってきて、その言葉の意味を理解して 「そっか、そうだね。ん~、でも俺には劉くんが可愛い。大我の子もきっと劉くんみたいに可愛いのは間違いない!」 なんて、変な力説しちゃった。 「ゆいちゃんも可愛いよぉ」 なんて、劉くんが言ってくるから俺は劉くんの頭を撫でた。 「いつまでそこにいるの?いい加減にこっちに来なよ」 って、こうちゃんに呼ばれて、俺は劉くんを離して今度こそ、目的の場所へと向かった。劉くんを抱いたまま大我と一緒にみんながいる部屋の中に入ったらご飯の準備がしてあった。 「ただいま」 大我が普通に挨拶して自分の席に座っちゃったから、俺は劉くんをおろして悩んじゃった。 「おかえり、ゆいちゃんも座って」 って言われて 「あっ、はい。えっと…ただいま?」 って返事をして大我の隣に腰掛ければ 「おかえり。先にご飯食べましょう。話はそのあとね」 ゆきママのその言葉通り、家族団らんが始まった。 「どう?少しは落ち着いたゆいちゃん?」 ご飯を食べ終えてから2時間ぐらい経ってから、劉くん以外のメンバーで集まっていた。劉くんはもう寝てる。 「あ…少しは…」 落ち着いたと言えば落ち着いてるけど…完全ではないんだろうな…って自分で思った。 「一応、報告があるんだけど、大丈夫かしら大我」 俺ではなく大我に確認するなんてさすがだ。 「まぁ、なんとかなるから大丈夫。で?」 大我は平然と答えてる。うん、まぁ
「んっ、んん、んーっ!」 なんて言いながら布団の中で伸び―って伸びたら笑われた。 「なんだよぉ」 文句を言いつつ声がした方を見たら大我じゃなくて、こうちゃんとヒロさんがいた。あれ?デジャブ?これ、前にもあった気が…なんて思いながらジッと二人を見てたら 「おはよう、ゆいちゃん」 「もう、夕方だけどな」 なんて、2人に言われてびっくりして飛び起きた。 「嘘!マジで?」 本当に自分でもびっくりだよ。 「ほら、見てごらん」 飛び起きた俺にこうちゃんが時計を見せてくれた。そこにはハッキリと午後4時の文字が浮かび上がってました。「うわぁ~!俺って寝すぎじゃん。あれ?大我は?」 自分が寝すぎてるのもビックリだけど、大我がいないことに気が付いた。 「委員長様は忙しくて…」 「取り締まりに、保護に…。相変わらず多忙だなあいつは…」 2人はそう説明してくれた。ってことは… 「大我が俺のために?」 この2人がここにいるってことはそういうことなんだろうな。 「うん、それもある」 「ゆいの体調も気になるから見てほしいって言われたから来た」 って苦笑気味に二人がいうから、あぁ、って自分で納得しちゃった。 「朝と夜が逆転してるって大我が言ってたから…」 自分ではそんなつもりなかったんだけどな。 「それだけ、ゆいちゃんにとってあれはショックだったんだよ」 「あの大我が怒るぐらいだからな」 2人の言葉に俺は苦笑を浮かべた。だって、大我がメチャメチャ怒ってるの気付いてたもん。表に出さないようにしてるけど、大我が怒ってるって傍にいてすっごくわかった。でも、嬉しかった。俺の為に行動してくれる大我には感謝しかない。本当に何時も助けられてるもん。「大我ってどれだけいないの?」 俺が気付かないうちに出ていったってことだから… 「お昼からずっと」 「4時間ぐらいはいない。それだけ、仕事が溜まってるってことだな」 2人が教えてくれて、また俺はビックリ。 「えっ…3時前に一回目が覚めて…そのまま寝ちゃって…今16時でしょ…一体俺ってどんだけ寝てんの???」 指折り数えながら思わず叫んじゃった。 「12時間ぐらいは寝てるね」 「それじゃぁ、朝と夜が逆転してもおかしくないな」 2人が呆れたように言ってくるから俺はますます苦笑することになった
「んっ」 闇の中に落ちていた意識が戻ってきて、抱きしめられているのに気付いて俺はもっと自分から抱き着いた。その途端にもっと強い力で抱き寄せられた。 それが嬉しくて、もっと強く抱き着いた。そしたらクスって笑われちゃったよ。 「うーっ」 なんだかそれが悔しくて、一人でうなってたら、ますます笑われて、思わず顔を上げて睨んでやった。 「不細工になってる」 なんて言いながら、額に小さなキスが落とされた。 「なっ、なっ」 それがあまりにも突然で、自然な流れで行われてびっくりして変な声が出た。 「ゆいの目が腫れて不細工になってる。ちゃんと冷やしたんだけど、まだ腫れてるな」 そっと、大我の親指が目元を撫でる。 「んー、今回は本当に自分でもびっくりするぐらい涙腺崩壊して、大泣きしてたからなぁ」 「それだけ、唯斗の中では大きな傷になってたってことだからな」 大我の言葉に自然と苦笑が浮かぶ。だって、それは否定できない。中学から今まで大我に支えられてきたのは紛れもない事実だから。 それでも、不思議なことにあれだけ嫌な感情に包まれて、大泣きしたけれど、いつも以上にすっきりしてるし、気持ちが軽くなっている自分がいる。 いつもならもっと、落ちてるはずなのに…。 「唯斗の心のよりどころがちゃんとできたからだろ。もう一人じゃないっていう安心がゆいの心を軽くしてるんだよ。きっとな」 大我の言葉に「あー、そうかも」って納得しちゃった。今まで、大我が傍にいてくれるって、言葉や態度で示してくれてたけど、心のどこかで疑ってたんだ。大我も、大我の家族も、俺のことを捨てるかもしれないって…。疑心暗鬼になってる部分が心のどこかにあったんだ。 でも、それは俺の思い過ごしで…。大我の言葉も行動も全部、嘘偽りがなくて、大我は俺のことを常に優先に考えて、行動してくれていた。今回のことに関しても、今までのことにしても、俺が考えるよりも先に先にと手を打っていった。 俺よりも俺のことを知ってるこの男が常に傍にいてくれたから、俺はここまでこれたんだ。 「うん、やっぱり、俺は大我の愛情がなかったら死ぬ。大我に捨てられたら廃人になって死ぬな」 自分でブツブツ言いながら確信した。それだけ俺は大我に支えてもらってきたのだ。それこそ依存してると言われてもおかしくないぐらいには…。 「心配しなくて
「んっ、あ、れ?」 目が覚めて、変な声が出た。ベッドの上でちゃんと服を着て寝てた。寝落ちする前の記憶がある分だけまたやっちゃったと思う。 「たい、が?」 身体を起こして、大我の姿を探せば、机に向かって作業をしてるのを見つけた。 「起きたか、身体は辛くないか?」 俺の嗄れた声で名前を呼んだけど、ちゃんと大我は拾ってくれたらしい。 「ん、だい、じょぉ、ぶ、ちょっと、声、出にくい、けど」 身体はそんなに辛くない。ちょっと、声が嗄れて出にくいだけだ。だからそれを俺は素直に伝えた。 「あー、まぁ、それは仕方がないな。ほら、これ飲んで少しは喉を潤せ」 大我は水の入ったペットボトルを渡してくれた。俺はそれを受け取り飲んだら、半分ぐらい飲んじゃった。 「お腹は空いてるのか?」 そう聞かれて「う~ん」って考え込んだ。空いてるような空いてないような?そんな微妙な感じだったんだ。 「その顔は微妙な感じなんだな」 考え込んでる俺の顔を見て大我が聞いてくるから俺は素直に頷いた。 「食パンがあるからそれでも食べるか?」 なんて聞いてくるけど、大我がただ食パンだけを出すはずがない。きっと軽く食べれるものを作るはずだ。だけど、俺は素直に頷いた。食パンだけでもいいから食べた方がいいかなって自分で思ったんだ。 「なら、トーストでも作るか。自分で動けるか?」 大我が立ちあがり聞いてくる。 「わかんない」 俺は返事をしてからベッドから立ち上がろうとして失敗した。足腰が笑ってる。 「自業自得だからなそれ」 半ば呆れながら大我は俺を抱き上げてリビングまで連れて行ってくれた。そしていつも座ってる場所に座らせてから、キッチンへと行った。うん、俺ってやっぱり大我に迷惑ばっかりかけてるな。なんて思いながらキッチンでゴソゴソ動く大我の背を眺めていた。「お待たせ。熱いから気をつけろよ」 そういいながら大我が俺の前にアツアツのピザトーストとコーヒーを置いてくれた。でも、トースト1枚分だけ。大我さんよくわかってますね。俺が本当に微妙だって。しかもちゃんと切れ目が入ってて残しても大丈夫なようにしてくれてある。 「いただきます」 俺は手を合わせてそれを食べることに専念した。「御馳走様でした」 俺は出してもらったトーストを全部食べ終えて溜め息をついた。全部は食べられないかもって
「んっ、ふぅ、ぁ、ん」繰り返すキスはいつにも増して甘くて気持ちがいい。「ゆい、と…好きだ」わざととぎって呼ばれる名がぞくりと腰にクル。「ん、ぁ、たい、がぁ、キスぅ、もっと、して」気持ちが高ぶったままの状態で、溢れたフェロモンはいつも以上に濃く強くなる。大我の眉間に皺が寄り、その双眸はとっくに色を変え、澄んだ碧色を煌めかせていた。俺が好きな色。この瞳の大我になら骨の髄まで喰らいつくされたいと思う。普段の大我でもいいんだけど、この色の大我の方がより一層強くそう思う。「キス、だけ?」頬にキスを落とし、耳元で囁かれる。それだけでゾクゾクしてくる。もう、すでに俺は腰砕け状態。ホントに、こ
2人で寮に戻って俺は自分の部屋で着替えるだけ着替えてから大我の部屋へと向かった。「ごめん、すぐきちゃったよ俺」 大我の部屋に入ってから早く来すぎたことを謝れば 「そんなの気にしないから大丈夫だって。座って待ってな」 小さく笑いながら言ってくれた。 「なんか手伝おうか?」 なんか手伝うことがあるかなって思ったんだ。 「いや、大丈夫だけど。唯斗はなんか食べたいものあるか?」 やんわりと断られちゃった。まぁ、いつも作ってもらってるし、大我の方が手際がいいからなぁ。 「んー、特にはないんだけど…」 少し考えて答えれば 「なら、唯斗くんにはここで、火の番をしててください」 なん
それなりに、大我との仲は良好で、特に不満なんて持つこともなく普通に生活していた。俺が大我に不満を持つとすれば、必要なことを教えてもらえないことぐらいだろうな。なんて思う。あの、発情の暴走から2ヶ月ぐらい経って、今の俺はそれなりに落ち着いてはいる。俺が発情のたびに大我に助けを求めるのも、一人で過ごすのも、今まで通り俺の好きなようにさせてくれている。そういうところは優しいなって思う。そのくせ、大我は自分のさかりの時期になると俺に言わないことが多い。 気が付いたら休んで、2日ぐらいで普通に出てくるとか、今までと同じ生活してる。俺に負担をかけないためだってわかってるからそれに言及することはないけ
「ゆい、これじゃないのか」 大我に呼ばれて 「なにが?あっ、そうそれ」 振り返って、大我の見てる雑誌を覗き込んで以前に自分が大我に話していたものだと知る。青い世界。海だったり、空だったり、とにかく、青に関する世界のイベントだった。 「3か月後に開催予定だって、どうする唯斗」 雑誌の告知を読みながら大我が教えてくれる。 「どうするって?もしかして…」 その言葉に淡い期待を抱いてしまう。一緒に行ってくれるんじゃないかって…。 「そんなの決まってるだろ?一緒に行くか?って聞いてるんですが?」 なんて、少し呆れながら言われた。 「行く!絶対に行きたい!」