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第296話

作者: 白川 露
真帆は明らかに怒った様子で顔を背け、そのまま和幸を見ようとしなかった。

案の定、和幸の方が先に根負けした。

「分かった、分かった。もうからかわないから」そう言いながら真帆の食器を手に取り、彼女へ渡した。「今回はちゃんと用事があって来たんだ」

真帆は和幸の手から食器を奪い取って、少しご飯を口へ運んだ。「何?」

和幸はスマホを取り出し、和海から届いたメッセージを見せた。

予想していた通り、長谷部家は大騒ぎになっていた。

「だから言ったでしょ。一度帰ってちゃんと説明した方がいいって」

真帆はため息をついた。「ほら、結局和海があなたの代わりに怒られてるじゃない」

「俺の弟なんだから当然だろ」

「じゃなきゃ、子供の頃あいつの代わりにケンカしてやった意味がないじゃん」

和幸は当然だという様子だった。「でもさ、真帆は未練がある人とかいないの?」

未練のある人……

真帆は黙り込んだ。もしそういう人がいるとしたら、知恵のことは気がかりだった。

けれど今の知恵の法律事務所はようやく軌道に乗り始めている。毎日忙しく働いているし、自分のこんな問題まで背負わせたくはなかった。

真帆は
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