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第8話

Author: みずちゃん
搭乗案内のアナウンスが流れ、あずさは人の流れに紛れながら搭乗口をくぐった。

窓際の席に腰を下ろし、シートベルトを締める。やがて機体はゆっくりと滑走路を走り始めた。

窓の外では街並みが少しずつ遠ざかっていく。高層ビルも道路も、やがて小さな模型のようになった。

あずさは心の中で呟く。

――さようなら、直哉。もう二度と会うことはない。

この先、あの家で何が起ころうと、もう自分には関係ない。

窓の外を眺めていると、胸の中は信じられないほど軽くなった。

……

その頃、花音は何度も練習した微笑みを浮かべていた。怜奈らしく、優しくて穏やかに。

そして酔い潰れている直哉の隣へ腰を下ろし、そっと指先を彼のこめかみに添える。

「直哉。もうお酒はやめて。飲みすぎると頭が痛くなるでしょ」

聞き慣れたはずなのに、どこか懐かしい声。

直哉の身体が硬直し、手にしていた酒瓶がゆっくりと滑り落ちる。

ガシャン――

床に落ちた瓶が砕け散り、鋭い音でようやく意識が覚醒した。

鼓動が激しく鳴り響き、頭の中も真っ白になる。

驚きなのか、喜びなのか。自分でもよく分からない。ただ目の前の女性から目を
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