心が女だったので、女の子に生まれ変わって幸せです!

心が女だったので、女の子に生まれ変わって幸せです!

last updateLast Updated : 2026-07-13
By:  みなはら つかさCompleted
Language: Japanese
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 心は女、体は男。そんな子供が、我が身を儚んで身を投げた。  そして、女の子として異世界転生!  女の子ライフ、謳歌します! 幸せで、幸せで、幸せな物語!

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Chapter 1

第一話 四月一日(火) 幸せで、幸せで、本当に幸せ!

 ん……目覚まし時計が鳴ってる……。

 おはよー。

 朝起きたら、わたしが最初にやること。

 胸とお股を触って、自分が女であることを確認するの。お母さんに見つかったとき、「何やってんの!」って、すごく怒られちゃったけど。

 ああ、それにしても! わたしは女! わたしは女! わたしは女の子!

 ナイトキャップを取って、長い髪を下ろす。この重さも、嬉しい!

 一階に降りて、洗面所へ。

 そこの鏡には、猫耳金髪なゆるふわロングな女の子が映っている。正直、顔もかわいい。

 これが、今のわたし!

 思わず、にへら~と顔が緩んじゃう。

 ……いけない、いけない! 顔、洗わないと!

 わたしの前世の記憶が戻ったのは、三年前。いろんなことが頭にどばっと流れてきて、わたしはとっても混乱してたらしい。

 その記憶にあったのは、心が女、体が男で苦しんでいた自分・・

 それがあまりにも辛くて、思わず電車に……。

 今でも、その最期を思い出すと、背筋がブルっときて、しっぽがぶわってなる。

 辛かったね、前世のわたし。

 心が女なのに、周りから男として扱われるって、辛いよね。ひげが生えてきた時は、一日中泣いてたっけ。

 そして、ごめんなさい。前世のお父さん、お母さん。

 手術とか色々道はあったんだろうけど、大人になるまで待てなかったよ……。

 色々あった、前世のわたし。今の人生では、わたしと一緒に、幸せな人生を送ってね!

 ……って、顔洗う!

 ◆ ◆ ◆

「おはよーございまーす!」

「おはよう、ユーちゃん」

「おはよう。今日も上機嫌ねえ」

 お父さんとお母さんから、挨拶を返される。

 二人とも、猫耳に猫しっぽ。これが、この世界の人間・・

 今日の朝食は、マッシュポテトにソーセージ、オニオンスープ、そしてトースト。

「今日は、どっちが作ったんだろー」

「当ててご覧」

 と、お父さんが言う。うちは、お父さんもお母さんも、二人で仕事も家事もする。もちろん、わたしもできる範囲でお手伝い。

「ん~! お父さん!」

「はーずれー! 私でしたー」

 お母さんとお父さんが、楽しそうにほほえみ合う。ああ、幸せだなあ。

「いただきます」

 キリスト教……この世界にはないけど、それみたいなお祈りのポーズで、いただきますを言う。和洋ごっちゃで変な感じだけど、もう慣れたよ。

 美味しいなあ。

 うちはスイーツショップをやっていて、お父さんとお母さんはパティシエとパティシエール。

「今日、休業日でしょ。学校から帰ったら、お菓子作り教えて!」

「いいとも、いいとも。ユーちゃんは、本当に勉強熱心だねえ」

「だって、こんなに女の子なお仕事してる、家の子供に生まれたんですもの!」

 にこ~っと微笑む。

「おいおい、いつから僕は女の子になったんだい?」

「ほんとに、ユーちゃんは女の子するのが好きよねえ」

「うん! 女に生まれて、ほんとに幸せなんだもん!」

 そう言って、ごはんをもぐもぐ。

「ごちそうさまでした! 美味しかったよー」

 今度も、お祈りポーズでごちそうさま。

 そして、歯磨きと着替えを済ませたら、いざ学校へ!

 ◆ ◆ ◆

 お隣の家のチャイムを鳴らすと、黒髪三つ編みの大親友、ユシャン・チャンちゃんが、「おはよ」と出てきました。

「ユシャンちゃーん、お手々つないでがっこいこー!」

「朝から元気だねー、ユーは。行こか」

「うん!」

 お手々つないで、らんらんと学校へ。周りから、「仲良すぎじゃない?」って冷やかされるけど、実際仲良しだもんねー!

 女の子同士のスキンシップ。これも、前世のわたしが、ずっとやりたかったこと!

「ユシャンちゃんは、今日も昨日の続き?」

「ん。いいとこで寝なきゃいけなくなってさ」

「睡眠はきちんと取らないと、おハダ荒れちゃうよ~?」

 ユシャンちゃんの、すべすべぷにぷにほっぺに、手を当てる。

 彼女の家は、本屋さん。そんなわけか、彼女もたいそう読書家です。

 こんな感じの雑談をしながら、学校へ向かう。

 道すがらの商店前のプランターに、春のお花が咲いている。

 春。私の好きな季節!

 北国であるラドネスグルグこの国の厳しい冬が終わって、いろんな命が芽吹く季節。前世では桜が人気だったけど、この国だと植物園でも行かないと見られないのが残念だな~。

 でも、わたし、風景を眺める登校時間も大好き!

 幸せで、幸せで、本当に幸せ!

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第一話 四月一日(火) 幸せで、幸せで、本当に幸せ!
 ん……目覚まし時計が鳴ってる……。 おはよー。 朝起きたら、わたしが最初にやること。 胸とお股を触って、自分が女であることを確認するの。お母さんに見つかったとき、「何やってんの!」って、すごく怒られちゃったけど。 ああ、それにしても! わたしは女! わたしは女! わたしは女の子! ナイトキャップを取って、長い髪を下ろす。この重さも、嬉しい! 一階に降りて、洗面所へ。 そこの鏡には、猫耳金髪なゆるふわロングな女の子が映っている。正直、顔もかわいい。 これが、今のわたし! 思わず、にへら~と顔が緩んじゃう。 ……いけない、いけない! 顔、洗わないと! わたしの前世の記憶が戻ったのは、三年前。いろんなことが頭にどばっと流れてきて、わたしはとっても混乱してたらしい。 その記憶にあったのは、心が女、体が男で苦しんでいた自分。 それがあまりにも辛くて、思わず電車に……。 今でも、その最期を思い出すと、背筋がブルっときて、しっぽがぶわってなる。 辛かったね、前世のわたし。 心が女なのに、周りから男として扱われるって、辛いよね。ひげが生えてきた時は、一日中泣いてたっけ。 そして、ごめんなさい。前世のお父さん、お母さん。 手術とか色々道はあったんだろうけど、大人になるまで待てなかったよ……。 色々あった、前世のわたし。今の人生では、わたしと一緒に、幸せな人生を送ってね! ……って、顔洗う! ◆ ◆ ◆「おはよーございまーす!」「おはよう、ユーちゃん」「おはよう。今日も上機嫌ねえ」 お父さんとお母さんから、挨拶を返される。 二人とも、猫耳に猫しっぽ。これが、この世界の人間。 今日の朝食は、マッシュポテトにソーセージ、オニオンスープ、そしてトースト。「今日は、どっちが作ったんだろー」「当ててご覧」 と、お父さんが言う。うちは、お父さんもお母さんも、二人で仕事も家事もする。もちろん、わたしもできる範囲でお手伝い。「ん~! お父さん!」「はーずれー! 私でしたー」 お母さんとお父さんが、楽しそうにほほえみ合う。ああ、幸せだなあ。「いただきます」 キリスト教……この世界にはないけど、それみたいなお祈りのポーズで、いただきますを言う。和洋ごっちゃで変な感じだけど、もう慣れたよ。 美味しいなあ。 うち
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第二話 四月一日(火) 学校で幸せ!
「おっはよー!」「おはよう」 六年A組の教室に入って、二人で挨拶!「おーう! はよーん!」 と、気さくに返してくれるのは、もう一人の大親友、金髪ショートカットのレィナ・ルシャルちゃん。 男の子みたいなカッコしてるけど、女の子だよ!「なーなー。学校終わったらカーリングしねぇ?」 レィナちゃんが、提案してくる。 この世界にも、サッカーっぽいスポーツ、バスケっぽいスポーツなんかがあって、カーリングっぽいスポーツもあるらしい。細かいルールが一緒か詳しくないけど、なんとなく前世の知識と混じり合って、そう呼ぶことにしてるんだ。「ごめん! わたし、お父さんたちから、スイーツ作り教わる予定なの!」「あたしも、スポーツ苦手なの知ってるでしょ」 わたしたちの残念返答に、「しょーがねーなー」と肩をすくめるレィナちゃん。ごめんね。「ま、いーや。いつものクラブに顔だそーっと」 レィナちゃんが、ストーンを投げる真似をする。 彼女の両親はカーリング選手で、その影響なのか、すごいカーリング好き。 わたしたち、家のお仕事がそのまま趣味になってる。すごいわかりやすさだね。 そんな話をしてると、予鈴が鳴ったので着席。 そして、本鈴。担任の先生が入ってきて、点呼が始まります。「ユーフラジー・マヌエルさん」「はい!」 これが、わたしの名前。かわいいよね。お父さんお母さん、かわいい名前をつけてくれてありがとう! 今日の一時間目は理科。この世界の植物や動物も、あんまり前世の世界と変わらなくて、記憶が混ざったとき、そこは混乱がなくて、逆にびっくりしたっけ。 この国で、前世の桜ぐらい人気なのが、カエデ。公園とか行くと、いっぱい植えてあるんだー。 ただ、この世界、前世とちょっと違うのは、文化はわたしが生きてた二〇二二年頃なんだけど、スマホとかないんだよね。たとえば電話が、ダイヤルの付いた置き電話しかないの。テレビも箱みたいだし。 前世の記憶が戻ったとき、ここが一番混乱したなー。 ……いけないいけない。考え事してないで、授業に集中! ◆ ◆ ◆「男子ー! 遊んでないで掃除しろよー!」 掃除中、レィナちゃんが、ホウキでフェンシングごっこで遊んでる男子に対して、ちょっと大きい声を上げる。「そうだよー。お掃除、真面目にやろー?」 私も、雑巾を動かす手を止め、レィナ
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第三話 四月一日(火) お菓子作りで幸せ!
「ただいまー!」 ユシャンちゃんと別れ、裏口から帰宅~!「おかえりなさい」「おかえり」 二人で、テレビを見てたみたい。この世界、インターネットとかないんだよね。というか、パソコン自体、めちゃくちゃ高いの。「早速始める?」 お母さんが、訪ねてくる。「うん! かばん置いてくる!」 私のお部屋に、たたたと戻る。 ぬいぐるみにお花、かわいらしい家具! わたし、すっごく女の子してる! うふふ。 おっと、浸ってる場合じゃない! 戻りっ!「おまたせー!」「じゃあ、やろうか」 お父さんたちが、テレビを消して立ち上がる。 三角巾して、エプロン着けて~。 このエプロン、猫ちゃん柄でカワイイの! 猫はわたしたちのご先祖様で、その間に猫耳お猿さんに進化したそうです。で、更に進化したのが、わたしたち人間!「今日は、何教えてくれるの?」「んー……。逆に、ユーちゃんは何教わりたい?」 お母さんに、質問で返されちゃった。どうしよう。うーん?「あ、ショートケーキ教わりたい!」 わたしの前世の世界にあったケーキで、もともとこの国にはなかったらしいけど、お母さんたちに教えたのです。 そしたら、わたしレシピ知らなかったのに、二人で再現しちゃって……。ほんと、尊敬しちゃう!「もともと、ユーちゃんが教えてくれたものだもんね。よし、それにしよう!」 冷蔵庫から、材料を取り出すお母さん。わくわく!「じゃあ、基本のスポンジから」 二人の指導を受けて、ダマができないように、泡立て器でわしゃわしゃと生地作り。ふう、重労働! お父さんたち、ほんと偉いなあ。この世界でも、電動のハンドミキサーが発明されてたらなー。「できた! 焼くね~」 オーブンにイン! 後は待つのみ~。「お母さん、わたし、いいママになれるかな?」 何度となくしてきた質問を、今日も繰り返す。「うん、ユーちゃんならなれる! お母さんが保証します!」 テーブルの向かいで、どん! と、自分の胸を叩くお母さん。えへへ。 わたしは、お母さんに、わたしを産んで、育ててきた話を何度も聞いている。 何もかもわからないことだらけで、不安だったけど、実家のお婆ちゃんのアドバイスを受けたりして乗り切ったらしい。 あと、出産そのものがほんと大変だったって。 お母さんってすごいな。わたしも、立派な母親になりた
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第四話 四月一日(火) 女友達のお部屋で幸せ!
「おかーさーん、ユーからこれ~。んで、部屋に行って遊ぶわ。お隣に、連絡しといて」 おばさんに、ケーキを手渡すユシャンちゃん。「あらー、いつもありがとうー。後で。おいしくいただくわね。飲み物とお菓子、後で持っていくから」「いえいえ、お気遣いなく!」「子供が遠慮しないの! ね」 うにゅう。そういうなら、ありがたくいただきましょー。「はい、ありがとうございます」「じゃあ、上で待っててちょうだいね」「はーい」 二人でお返事。おばさんにぺこりと頭を下げ、親友のお部屋へ。 ◆ ◆ ◆ ユシャンちゃんのお部屋は、本だらけだ。少女小説から、なんだか難しそうな専門書まで!「また、本増えた?」「うん。ユーも、なにか適当に読みなよ」 さっそく、手近な本を取ってベッドに腰掛け読み始める彼女。 わたしも、読みかけの少女小説を手に取り、彼女の横に掛ける。わたしたちの遊びは、だいたいこんな感じだ。 ユシャンちゃんの部屋も、本だらけというわけでもなくて、年頃の女の子してる、かわいらしい家具で揃えられている。ただ、わたしよりは若干趣味が大人っぽいかな? 机の上の、ミニサボテンがかわいらしい。 女友達のお部屋に上がって、まったり……。前世では出来なかった、幸せムーブ~。「ユーさー」 本から目を上げずに、彼女が話しかけてくる。「なーに?」 わたしは、読書しながら会話できるほど器用じゃないので、栞をはさみ直して、ユシャンちゃんに視線を向ける。「まさかとは思うけど、ユベールはやめときなよー」 一瞬意味がわからなかったけど、少ししてから理解して、「ないない! ユベールはないよー」と、くすくす笑う。「そーう? いや、今日のアレさ、まさかと思って」 彼女も、話に集中する気になったのか、本から目を上げ、こちらを見る。「わたしは、女扱いされたのが、心の底から幸せなだけなんだ~。ほんと、そんだけだよ~」 にゅいんっと、伸びをする。「ユーのそれも、よくわからないよね。やっぱ、前世の影響ってやつ?」 ユシャンちゃんは、私の前世に半信半疑。でも、この世界のものではない知識を色々話して聞かせてるので、否定できないって感じかな。「だねぇー。前世の子がね、凄く苦しんでたから。多分、当事者になるか、わたしみたいに一心同体になるかしないと、わかんないと思う」「ふーむ……
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第五話 四月一日(火) 一日が幸せ!
「ただいまー!」 ユシャンちゃんのおうちから、るんるんと帰宅!「おかえりなさい」「おかえりー。楽しかったみたいだね」 お母さんと一緒にテレビを見ていたお父さんが話しかけてくる。「うん! 月餅、ごちそうになっちゃった。ケーキいただいてるから、お礼は大丈夫ですって」「そうか。ちょっと、お礼の電話をしてこよう」 電話に向かうお父さん。「じゃあ、晩御飯作りましょっか」「わたしも手伝う!」 お母さんがソファから立ち上がるので、ハイハイと挙手!「偉いわねえ。じゃ、一緒に作りましょ」「はーい!」 手をきれいにして、エプロン装着!「今日は何?」「チキンのクリーム煮のパイ包みと、アスパラのバター風味。ユーちゃん、アスパラやってくれる?」「うん!」 アスパラガスの皮を削いで、ぐつぐつ茹でる。くたっとならない程度に茹でるのがコツ。ふふん、わたし、お菓子作りだけじゃないのよ? 同時に、ゆで卵も。「やあ。ケーキ、おいしくいただいてくださったそうだよ。よかったね、ユーちゃん」 電話から戻ってきたお父さん。「ほんと!? やったあ! もっと上手くなるぞー」 胸の前で、指を組んで、女の子ポーズ!「その意気、その意気!」 お母さんも、にっこり笑顔。「僕、やれることありそう?」「ユーちゃんを見てあげてくださいな」「りょーかーい!」 お父さんの指導を受けながら、茹でアスパラを仕上げていく。 バターで風味付けて、刻んだゆで卵をまぶして……。「できた!」「やあ~! すごいすごい! 上手だね、ユーちゃん!」「あら、食べるのが楽しみねえ」 えへへ~。二人に褒められちゃった。 食器を置いたら、後片付け。お母さんのほうも、順調そう! 今のうちに、調理器具を洗う。入れ替わって、お父さんが、フライドポテトを揚げ始める。 お母さんも、フィニッシュ! おいしそうなパイ包み! これに、お父さんのポテトを添える。「じゃあ、いただきましょう」 三人でお祈りポーズして、いただきますの合唱!「ユーちゃん、アスパラ良く出来てるよー」「ほんと!? ありがとう!」 お父さんに、太鼓判もらっちゃった。お母さんも、サムズアップ。 もぐもぐ……うん、我ながら上出来! 次に、パイ包み。……クリーミィで、おいし~い! さすが、お母さん! お父さんのポテトもお見事
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第六話 四月二日(水) 親友がかっこよくて幸せ!
「じゃ、行こーぜ!」 放課後、レィナちゃんの号令で、バス停へ。 バスに揺られて、彼女が所属する、カーリングクラブの練習場に着きました! カーリング場は冷えるので、セーターを持ってきています。 こちらのカーリングも、不思議なことに、前世のカーリングとほぼ同じ。しいていえば、エンドが六と、前世の約半分ぐらいなことかな。 ちなみにわたし、前世では「北海道」というところに住んでいたらしくて、そこでもわりとカーリングが盛んで、色々知っているのです。「ちーっす!」 コーチとチームメイトに挨拶して、準備運動に入るレィナちゃん。わたしたちは、端っこのベンチで応援係! こっちのカーリングのルールを簡単に説明すると、石を滑らせて、ハウスの中心に近い位置に石がある方が勝ち。これを、先行後攻で六エンドやれば試合終了。 後攻が圧倒的に有利な競技なので、公の試合ではともかく、こういった小さな試合では、コイントスで後攻を決める。まあ、エンドが約半分なこと以外は、ほとんど一緒だねー。「こんにちは~」 あ。相手チームがやってきましたよ。 互いに握手した後、ウォームアップ続行。 ややすると、それも終わりました。 キャプテンのコイントス。やった! レィナちゃんのチームが後攻だ! 幸先いいね! 相手の第一投。ガードストーンを置いたね。これ、重要な石なの。詳しくは省くけど。「ユーも飲むか?」 ユシャンちゃんが、魔法瓶から温かいお茶を注いでくれます。準備いいねー。「ありがとう」 あったまる~。女の子同士って、間接キスにあまり抵抗ないのよね。ふふ。わたしも女の子の仲間に入れたんだなあ。 ゲームは進んでいき、レィナちゃんの出番!「がんばってー!」と、二人で声援を飛ばす。 レィナちゃん……投げた!「……ヤーップ! ヤーップ!」 これは「擦って」の合図。逆に、擦ってほしくないときは、「ウォー」って声をかけるの。 ブラシで擦った方向に石が曲がり、相手の一番 (中心に一番近い石)を押し出す! 上手~! このエンドは、レィナちゃんたちが三点取りました! すごい! カーリングって、三点取れたら、ものすごいことなんだよ! そんなこんなで試合は順調に進んでいき、ゲームセット。レィナちゃんチームの勝利! あ、レィナちゃんチームって言ってるけど、キャプテンは別の
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第七話 四月三日(木) 転生仲間を知って幸せ!?
「あ、そだ。ユー、ちょっと売り場行こ」 ユシャンちゃんのお部屋で、少女小説の続きを読んでいると、彼女が不意に立ち上がり、そう言う。「悪いけど、特になにか買う予定ないよ?」「いいから、いいから」 首を傾げつつ後をついていく。「こんにちは」「こんにちは」 売り場に出ると、おじさんに声をかけられたので、お返事。「これなんだけどさ」 ユシャンちゃんが手に取ったのは、オカルト雑誌。なんか、転生者の私でも、アレな感じがする代物。「これにさ、読者投稿コーナーがあんのよ。でさ、ここ」 彼女が指差す先には、投稿が一つ。読んでいくと……。 え! これ、私の前世知識と丸かぶりしてる! 何この人!? どう見ても、二〇二二年の日本のことだ……! インターネットとか、スマホとかも、この人知ってる……。 名前を見ると、P.N.ゲンキさん。男の人かな? これだけの情報じゃわからないけど。「な。ユーが普段してる話に、そっくりっしょ? でさ、文通相手の募集コーナーあるじゃん? 出してみたら?」 どうしよう。 このコーナー……というか、ラドネスブルグは個人情報の感覚がゆるくて、こういったコーナーに、平気で住所氏名が載っていたりする。他の国も、そうなのかわかんないけど。 でも、前世が同じ世界、同じ時代の人だったなら、知り合いになってみたい……!「少し、考えてみる。おじさーん、一冊買いまーす!」「お友達価格でお願い」「いいとも。じゃあ……」 というわけで、急いでお財布取ってきて、お値打ち価格で、手がかりとなる本が買えました。 ◆ ◆ ◆「いいんじゃない? 文通ぐらい」 夕食の席で、お母さんに相談すると、あっさり後押しされてしまいました。ほんとに、個人情報の感覚がゆるい……。「お母さんも、昔よくやったっけなー。あの子、今どうしてるんだろ」 なんか、お母さんが遠い目をし始めてしまいました。 まあ、親の許可はもらえたし、怖いけどやってみよう! ◆ ◆ ◆(ゲンキさん。前世のお話、わたしの前世にそっくりです。文通しませんか? わたしの世界と一緒なら……) 証拠となる前世情報も書く。こんなもんかな? あとは、住所氏名を書いて……怖いなあ。でも、今のわたしは、好奇心が勝っている! 明日、学校行く途中にポストに入れよっと。 ◆ ◆ ◆ ひと月後。 わ
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第八話 五月六日(火) 転校生と仲良くなって幸せ!
「エレン・フェルマインです。よろしくお願いします」 黒板に名前を書いた後、転校生がぺこりと頭を下げる。ずいぶん、落ち着いた子だな。「では、あの空いてる席に座ってください」「はい」 先生の指示で、わたしの二つ後ろの席に向かう彼女。 ふと、目が合った。 微笑むエレンさん。その微笑みが……なんというか、なんというかミステリアスで、思わず瞳に吸い込まれそうになってしまう。 なに、この感覚……? なんだか、心臓がドキドキいってる。あれ? あれあれ? 戸惑う私をよそに、彼女は着席しておすまし。何だったんだろ、今の変な感じ……。  ◆ ◆ ◆  休み時間、女子たちが、エレンさんを質問攻めにする。わたしたちぐらいの歳になると、男子って距離取ってくるよね。 わたし、こうして女子の輪に加われるのが幸せ!「ねえねえ、お父さんたちは何やってる人?」 質問すると彼女、あの吸い込まれる瞳で見つめてくる。トクン……。心臓が、なんかヘン。「二人とも、会社勤めだよ」 そう言って、微笑む。なんでもないやり取りのはずなのに、なんとなく。なんとなく。 ユシャンちゃんやレィナちゃんも、質問の輪に加わって、あれこれと。「あと、エレンさん」「エレンでいいよ」 さん付けで呼びかけると、微笑んで答える彼女。この微笑みがね、何かうまくいえないんだけど、やっぱりミステリアス。「じゃあ、エレンちゃんでいいかな? わたし、あまり呼び捨てってしないから」「うん、いいよ」 なんだろう、彼女の瞳と微笑みには、ほんとに吸い寄せられる。  ◆ ◆ ◆  わたしたち三人ばかり質問攻めにするわけにもいかないので、ちょっと輪を外れる。「なんか、不思議な子だね。瞳と、微笑みに、吸い込まれそうになるの」「へえ? 詩人だね。あたしゃ、そこまでの印象はないかなあ。フツーの可愛い子だと思うよ」「ユーはまあ、えらく気に入ったわけだ」 うんうんと、頷く二人。「うん、まあ。お友達になりたいね」「下校の方向が一緒なら、誘ってみれば?」「そうだね」  ◆ ◆ ◆  そんなこんなで、お昼休み。「エレンちゃん、わたしとユシャンちゃんは商業地区に、レィナちゃんは西住宅街に帰るんだけど、一緒に下校できそう?」「私は、南の住宅街なの」「あ、じゃあ途中まで一緒に帰れるね!」 楽しみ
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第九話 五月六日(火) エレンちゃんのおうちで幸せ!
 エレンちゃんは、いろんな女子グループで引っ張りだこになり、最終的に、わたしたちのグループに入りました。「なーなー。せっかくだから、エレンち行ってみねえ?」「ええ!? 突然行ったら、ご迷惑だよ!」 唐突なレィナちゃんの提案に、苦言するわたし。「うちは構わないよ。誰もいないし」 そう言うエレンちゃんの横顔は、気のせいか、少し寂しそうに見えました。しかし、なんだろう。それが妙にまた、ミステリアスで。「じゃー、決まりー! 電話借りていーかー?」「ええ」 というわけで、四人で彼女の家へ。「入って」 おじゃましまーすと、上がるわたしたち。「ここが、私の部屋。飲み物取ってくるから、適当に座ってて」 ラドネスブルグは、靴文化。屋内でも靴のまま。 とりあえず、テーブルを囲む。「おまたせ」 コーラっぽい飲み物が、ラドネスブルグにもあって、それを配膳してくれます。 皆で、いただきますと口をつける。 改めて、室内を見渡す。ユシャンちゃんほどじゃないけど、結構な数の本。推理小説が多いみたい。あとは、カーリング観戦が好きだと言うだけあって、その雑誌も。 あとは、テレビ。ラドネスブルグではまだ、自分用テレビを持ってる子は少ない。 あとは、ベッドの枕元に、猫ちゃんのぬいぐるみ。「やっぱり、十二にもなって、ぬいぐるみとかおかしいかな?」 私の視線に気づいたエレンちゃんが、照れくさそうに、もじもじ上目遣いで尋ねてくる。か、可愛い~……!!「そんなことないよ! わたしのお部屋も、ぬいぐるみだらけだもん!」 さっとフォロー!「うん。ユーって、女の子っぽいこと全般好きでさ。ほんとリリアンしたり、花育てたりとか大好きなんよ」 ユシャンちゃんが、補足する。「そうなんだ。中でも、一番興味あることって何?」 吸い込まれそうな瞳で見つめられ、ドキドキしてしまう。「あ、うん。お菓子作りかな。うち、両親がパティシエとパティシエールだから」「へえ、素敵だね」 くりくりとした瞳に見つめられる。やだ、なんかドキドキするよう……。「おいおい、ユーだけじゃなく、アタシらのことも訊いてくれよな」「ごめん、つい。レィナちゃんは何が好きなの?」「そりゃもう、カーリングよ! 両親が選手でさ! アタシも自然とな!」 エレンちゃんもカーリング好き。たちまち、大盛り上がり。
last updateLast Updated : 2026-07-11
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第十話 五月六日(火) 初恋で幸せ!?
「ただいまーっ!」 元気に帰宅! あまり遅くならずに、帰れてよかったー!「おかえり」「おかえりなさい」 テレビを見ていたお父さんたちが、お返事してくれる。「新しいお友達とは、上手くいってるみたいだね」 笑顔のわたしを見て、そう言うお父さん。電話で、エレンちゃんのおうちに寄っていたことは、話してあります。「うん! なんかね、うまく言えないんだけど、なんか素敵な子なの!」 語彙力ゼロ! あう~。「素敵な子だったのね。よかったわねえ」 そんな、ダメダメなわたしに、素直な喜びとともに、微笑んでくれるお母さん。二人の愛情が、身にしみるよぅ……。「ところで、今日はお菓子作りどうするんだい?」 ん~……。早めに切り上げてきたといっても、もう夕方なんだよね。「今日はやめとく! ありがとうね! お風呂、用意してきまーす!」 今日は、ゆっくり休むことに決めるのでした。  ◆ ◆ ◆  ちゃぷん。 ふうぅ~。お風呂って気持ちいいなあ。 何といっても、自分が女であることを、再確認できる時間の一つ! それって、とっても幸せなこと! それにしても。 なんだってわたし、あんなにエレンちゃんに対して、上手く言えない感情が湧き上がってくるんだろう。 わたし、この感情に、心当たりがある気がするんだよね。なんか、心の奥底の、古い記憶に……。 ユシャンちゃんや、レィナちゃんにも、こんな感じの気持ちを抱いたことがあるけれど、エレンちゃんに対しては、何ていうか、それがよりいっそう強い……。 なんていうのかな、胸が暖かくなって、ちょっとドキドキして。不思議な感覚なんだけど、なぜか身に覚えがある。 お風呂というリラックス空間で、自分の「中」を見つめてみる。きっと、そこに答えがあるはず。 小学校低学年時代。……心当たりナシ。 保育園時代……これも、心当たりナシ。 赤ちゃん時代……さすがに、全然思い出せない。 じゃあ、もっと前は? 前世を思い出してみる。 かっこよくて、性格もいい、同級生の男子……。「あっ!!」 思わず、大声を出してしまう。 これ、恋だ! 前世で、心が女だったわたしが、彼に抱いた気持ち。ほわほわして、ドキドキして、彼のことしか考えられなくて。でも、嫌われたり、気持ち悪がられるのが怖くて、告白できなくって……。 わたしが、苦しみのあ
last updateLast Updated : 2026-07-11
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