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第9話

Auteur: ちょうどいい
私は反射的に声を上げた。その瞬間、会場は水を打ったように静まり返る。

玲司が足早に駆け寄ってきた。

「どうしたんです?」

すべての視線が自分に集まったのを見た優月は、あろうことか先に被害者ぶった。

「この人が……この人が私の夫を誘惑したんです。そのうえ、ひどいことまで言ってきて。この人こそ浮気相手なんです。だから私、ワインをかけたんです」

「夫って、誰のこと?」

そんな声がどこからか上がる。

「たぶん、あの留学から帰ってきたばかりの若い博士じゃない?さっき二人で一緒に入ってくるのを見たわ」

そのとき、恒一も人混みをかき分けて入ってきた。

「そんなでたらめを信じるな!誰か、この女を追い出してくれ!」

玲司は上着を脱いで私の肩に掛けると、入口にいた警備員に向かって声を張った。ちょうどそのとき、親友から調査結果がスマホに届いた。

今日こそ、白黒はっきりつけなければならない。でなければ、本当に私が浮気相手だと思われてしまう。

「待って」

私はスマホを掲げ、その場で親友の録音を再生した。

「美咲、見つけたわよ。優月のお母さんの診断書、偽造だった。優月がお金を払って医者
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