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真希の覚醒

Author: 雫石しま
last update publish date: 2026-06-23 09:05:44

螢子が最後のセリフを吐き終え、車椅子に呆然と座り込んだ瞬間、観客席からパラパラと、しかし確かに拍手が上がった。

阪崎絢音が演じ終わったときの、礼儀正しい控えめな拍手とは明らかに違っていた。

審査員たちの頰は興奮に紅潮し、目がぎらぎらと輝いている。

プロデューサーは苦虫を潰したような顔で腕を組んでいたが、監督は立ち上がり、惜しみない大きな拍手を送っていた。

「……「真希」……あなたが見えるわ」

螢子は眩しいスポットライトに照らされながら、全身で確信した。

髪の毛の一本一本、指先、つま先、引き摺る右足の感覚まで——すべてが「真希」そのものだった。

彼女はゆっくりと息を吐き、唇を湿らせた。

私は「真希」だわ。そう、私は「真希」。

呪いの言葉を吐きながら死んだ「真希」。

姉を恨みながら、陸斗を独り占めしようと最期まで足掻いた、あの「真希」。

螢子の中に長く眠っていたもう一人の人格が、静かに、しかし確かに覚醒した。

胸の奥で黒い喜びが渦を巻く。

彼女は車椅子から立ち上がり、右足を引きずりながらゆっくりと前に進み出た。

審査員席に向かって深々と頭を下げ、その口元は妖しく、勝ち誇ったように弧
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