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第十章:真実の扉②

Author: 久遠遼
last update publish date: 2026-06-24 06:24:40

 言葉を発した瞬間、背筋がすっと伸びるのを感じた。遠くでチャイムが鳴ったような気がしたが、誰も振り返らない。

「……佐倉美月先輩が自ら命を絶った、あの事件」

まるで音すら遠ざけられたような、ぴんと張り詰めた空間だった。全員の視線が俺に注がれているのを感じた。

「……あれは、ただの自殺ではなかった。すべては、あの日――推理部に、佐倉先輩の妹である佐倉優衣さんが、訪れたことから始まりました。佐倉先輩が残したというノートの暗号を手がかりに、僕たちは理科室を捜索しました」

思い出す。埃をかぶった棚の隅、何気なく置かれていたそれ。

「そして見つけました。理科室の隅にあった、青い蛇の置物。その中には、屋上の鍵と、二つのメモが入っていました。そこには、佐倉美月先輩が、何らかの秘密を知ってしまい、事件に巻き込まれた末に何者かに殺された――そう思わせる暗号が残されていました」

その瞬間、屋上の空気が少し変わった。誰もが、真実に足を踏み入れたという空気を感じ取っていた。

「僕たちは、その犯人を追いました。断片的な証拠、関係者の証言、わずかな違和感から、新聞部の部室に辿りつきました。そ
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    佐倉が部室を訪れた翌日の水曜日、昼休み。昨日と同じように、俺たちは部室に集まっていた。 机の上には、彼女が置いていった姉のノート。 そこに刻まれた蒼き影の言葉だけが、じっとこちらを見つめているようだった。 静寂を破ったのは、副部長の陸だ。 「……どうする、悠真。これ、本気でやるつもりか?」 「当たり前だ、依頼は依頼だ」 俺はノートを見つめたまま答える。 「それに……俺は正しくありたい、見過ごすことはそれに反する」 「おまえらしいな」 俺の言葉に対し、陸が歯を見せ、笑いながら呟く。 俺たちのやり取りに、澪がタブレットを操作しながら口を挟む。 「とはいえ、もし

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